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これからが桜の数や飛花を浴ぶ 石倉夏生
作者は散えい初めた桜木の下にいるようだ
散る花弁を浴びながらの感傷だろうか
中七「桜の数や」は読者にその解を委ねている
私は「残る花、残る人、どれもだれもが消えてゆく無情}と解した
(小林たけし)
【桜】 さくら
◇「桜花」 ◇「染井吉野」 ◇「朝桜」 ◇「夕桜」 ◇「夜桜」 ◇「桜月夜」
バラ科の落葉高木。秋の月、冬の雪とともに日本人にとつて、代表的な詩材であり、俳諧において花といえば桜をさす。朝夕夜とそれぞれに味わいがあり、降ってよく照ってよく、万朶の桜、遠桜といくら見ても心尽きぬおもいである。桜には種類多く,山桜,染井吉野、豆桜、八重桜、里桜等々。また場所によつて名の有る桜も多い。左近桜、秋色桜、瀧桜等々。
例句 作者
ごうごうと一樹のさくら川に入る 秋山牧車
ごはんつぶよく噛んでゐて桜咲く 桂信子
さきみちてさくらあをざめゐたるかな 野澤節子
さくらあおぞら淋しくないと言えば嘘 和田浩一
さくらから次第に遠きものを見る 長峰竹芳
さくらから離れてさくらおもいけり 伊関葉子
ごうごうと一樹のさくら川に入る 秋山牧車
ごはんつぶよく噛んでゐて桜咲く 桂信子
さきみちてさくらあをざめゐたるかな 野澤節子
さくらあおぞら淋しくないと言えば嘘 和田浩一
さくらから次第に遠きものを見る 長峰竹芳
さくらから離れてさくらおもいけり 伊関葉子