竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

死ぬ人の大わがままと初蛙 飯島晴子

2021-04-24 | 今日の季語


死ぬ人の大わがままと初蛙 飯島晴子

死ぬ人の大わがまま
この措辞がなんとも深い悲しみを
そして個人への非難までもを採ろしていて胸に迫る
初蛙とは通夜の帰途での出会いだろう
ただ合唱するその声がまた悲しみを囃すように感じる
(小林たけし)


【蛙】 かわず(カハヅ)
◇「蛙」 ◇「赤蛙」 ◇「殿様蛙」 ◇「土蛙」 ◇「初蛙」 ◇「遠蛙」(とおかわず) ◇「昼蛙」 ◇「夕蛙」
カエル目(無尾類)の両生類の総称。色は多彩、種によっては変色する。蛙の鳴声は春から夏にかけての欠かせぬ風物詩である。古来、人間生活に近い存在で、田や雨の神とする地域もある。かえる。殿様蛙。初蛙。遠蛙。昼蛙。夕蛙。

例句 作者

水中に逃げて蛙が蛇忘る 右城暮石
漣の中に動かず蛙の目 川端茅舎
牛蛙途上の思いばかりなり 和知喜八
田の蛙月を揺らして鳴きにけり 田端将司
田蛙の囃すよ我が師と決めしより 小野元夫
田蛙の赤胴ごゑや月ひとつ 亀田蒼石
眠れぬ夜萬の蛙の暗黒と 鈴木六林男
眠れねば眠らぬことよ遠蛙 仙田敬子
祝電を打ってその夜の遠蛙 髙際君子
結論の出ぬ集会や遠蛙 小野玉桂