竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

花冷えの畳を伝ふ身の音叉 石田よし宏

2021-04-09 | 今日の季語


花冷えの畳を伝ふ身の音叉 石田よし宏

晩春の冴えかえる寒さの室に
身を置く作者である
何も動かない静まりかえった時間
自分の呼吸、小さな動きさへもが
音叉のようにはねかえってくるように感じられる
(小林たけし)


【花冷】 はなびえ
桜の咲く頃に寒さがもどって急に冷え込むことがある。その頃の季感を言うが桜の連想と離れがたい。

例句 作者

花冷えの真正面なり白ふくろふ 高木一惠
花冷えの箱に音する吉野葛 桂信子
花冷えの肌の手ざわり甲斐絹織 根岸たけを
花冷や具足といふも美しく 谷中隆子
花冷の夕べ日当る襖かな 岸田稚魚
花冷やまだしぼられぬ紙の嵩 大野林火
花冷の闇にあらはれ篝守 高野素十
花冷の齢を人に見られけり 竹本健司
花冷えの箱に音する吉野葛 桂 信子