花冷えの畳を伝ふ身の音叉 石田よし宏
晩春の冴えかえる寒さの室に
身を置く作者である
何も動かない静まりかえった時間
自分の呼吸、小さな動きさへもが
音叉のようにはねかえってくるように感じられる
(小林たけし)
【花冷】 はなびえ
桜の咲く頃に寒さがもどって急に冷え込むことがある。その頃の季感を言うが桜の連想と離れがたい。
例句 作者
花冷えの真正面なり白ふくろふ 高木一惠
花冷えの箱に音する吉野葛 桂信子
花冷えの肌の手ざわり甲斐絹織 根岸たけを
花冷や具足といふも美しく 谷中隆子
花冷の夕べ日当る襖かな 岸田稚魚
花冷やまだしぼられぬ紙の嵩 大野林火
花冷の闇にあらはれ篝守 高野素十
花冷の齢を人に見られけり 竹本健司
花冷えの箱に音する吉野葛 桂 信子
花冷えの真正面なり白ふくろふ 高木一惠
花冷えの箱に音する吉野葛 桂信子
花冷えの肌の手ざわり甲斐絹織 根岸たけを
花冷や具足といふも美しく 谷中隆子
花冷の夕べ日当る襖かな 岸田稚魚
花冷やまだしぼられぬ紙の嵩 大野林火
花冷の闇にあらはれ篝守 高野素十
花冷の齢を人に見られけり 竹本健司
花冷えの箱に音する吉野葛 桂 信子