竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

ゆびきりの指が落ちてる春の空 坪内稔典

2021-04-23 | 今日の季語


ゆびきりの指が落ちてる春の空 坪内稔典

指が空に落ちるわけもないが
はるかなる昔日の指切りを
春の青い空をみて懐かしく思ったのだろう
だれにでも甘酸っぱい青春はあったのだ
(小林たけし)


【春の空】 はるのそら
◇「春空」 ◇「春天」
春の空は、雲のない青空でもほの白く溶かしたような色をしている。その色を「浅緑」と形容している。のどかな日光がかがやいて、明るく麗らかな感じがする。

例句 作者

巻き登るつるあぢさゐの春の天 大西岩夫
手を容れて冷たくしたり春の空 永田耕衣
春の空刹那で区切る観覧車 松王かをり
春天に鳩をあげたる伽藍かな 川端茅舎
春空に虚子説法図描きけり 阿波野青畝
死は春の空の渚に遊ぶべし 石原八束
箒星来るといふ日の春の空 金山桜子
象の鼻ゆるやかな弧を春の空 加藤瑠璃子