竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

誘われて風の残花の中にいる 寺井谷子

2021-04-14 | 今日の季語


誘われて風の残花の中にいる 寺井谷子

どのような誘いなのかは読み手の鑑賞次第
残花の中の風を感じながら
思い人を待っているとと思いたくなる
現代の代表的な女流俳人の青春がまぶしい
(小林たけし)


【残花】 ざんか(・・クワ)
◇「残桜」(ざんおう) ◇「残る花」 ◇「名残の花」 ◇「残る桜」
散り残った花。春も末の頃、咲き残った桜の花のこと。

例句 作者

上人に一人の客や残る花 高野素十
月明に名残りの花のとびにけり 茨木和生
残る花それもしきりに散つてをり 藤﨑久を
現つなや花も名残りの甲斐の空 中村苑子
登り来て残花の雨に見えけり 吉田鴻司
にんげんのほのめきわたる残ん花 松澤昭
残花残照さすらう雲がかたち変え 村田まさる
残花残照俳句は時空の座標軸 益田清
殘花かな藤田湘子のめがねかな 八田木枯
鐘一打残花の道を辿りけり 藤本和子