竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

いつまでも鞄持つくせ花辛夷 松岡耕作

2021-04-07 | 今日の季語


いつまでも鞄持つくせ花辛夷 松岡耕作

句意は明解だ
身に着いた習性はなかなか消えない
作者は鞄を持っての出勤が
定年まで続いた会社員だったのかも知れない
通勤の途次の道に
季節になると決まって辛夷の花が咲いたものだ
今もその辛夷は咲いているだろう
(小林たけし)


◇「木筆」(こぶし) ◇「花辛夷」 ◇「辛夷の花」 ◇「辛夷咲く」 ◇「やまあららぎ」 ◇「こぶしはじかみ」 ◇「幣辛夷」(しでこぶし) ◇「田打桜」(たうちざくら)
モクレン科の落葉高木。山野に自生する。また観賞用に庭園、公園に植えられる。高さは普通5~10メートル。日本の特産。早春、葉に先だって芳香ある白色六弁の大花を開く。地方によっては田打桜と呼んで、この頃から田打ちを始める。古名やまあららぎ。

例句 作者

こぶしの芽今日また更に天を指す 下野美智子
こぶし咲く沈没しさうな蒼い沼 林信江
これからの一路たしかに辛夷咲く 脇本よし子
せりせりと鍬つかふ音花辛夷 亀田蒼石
合格のメールが届く花こぶし 松下總一郎
吐くだけは吸うてゐる息辛夷の芽 神崎朱夏
山々に神々辛夷は静かな木 髙野公一
投げられし言葉は捨てむ辛夷の芽 三井つう
折りとれば風の貌なり山辛夷 高木一惠
捨てことば残して去れり北辛夷 梶鴻風
コメント