いつまでも鞄持つくせ花辛夷 松岡耕作
句意は明解だ
身に着いた習性はなかなか消えない
作者は鞄を持っての出勤が
定年まで続いた会社員だったのかも知れない
通勤の途次の道に
季節になると決まって辛夷の花が咲いたものだ
今もその辛夷は咲いているだろう
(小林たけし)
◇「木筆」(こぶし) ◇「花辛夷」 ◇「辛夷の花」 ◇「辛夷咲く」 ◇「やまあららぎ」 ◇「こぶしはじかみ」 ◇「幣辛夷」(しでこぶし) ◇「田打桜」(たうちざくら)
モクレン科の落葉高木。山野に自生する。また観賞用に庭園、公園に植えられる。高さは普通5~10メートル。日本の特産。早春、葉に先だって芳香ある白色六弁の大花を開く。地方によっては田打桜と呼んで、この頃から田打ちを始める。古名やまあららぎ。
例句 作者
こぶしの芽今日また更に天を指す 下野美智子
こぶし咲く沈没しさうな蒼い沼 林信江
これからの一路たしかに辛夷咲く 脇本よし子
せりせりと鍬つかふ音花辛夷 亀田蒼石
合格のメールが届く花こぶし 松下總一郎
吐くだけは吸うてゐる息辛夷の芽 神崎朱夏
山々に神々辛夷は静かな木 髙野公一
投げられし言葉は捨てむ辛夷の芽 三井つう
折りとれば風の貌なり山辛夷 高木一惠
捨てことば残して去れり北辛夷 梶鴻風
こぶしの芽今日また更に天を指す 下野美智子
こぶし咲く沈没しさうな蒼い沼 林信江
これからの一路たしかに辛夷咲く 脇本よし子
せりせりと鍬つかふ音花辛夷 亀田蒼石
合格のメールが届く花こぶし 松下總一郎
吐くだけは吸うてゐる息辛夷の芽 神崎朱夏
山々に神々辛夷は静かな木 髙野公一
投げられし言葉は捨てむ辛夷の芽 三井つう
折りとれば風の貌なり山辛夷 高木一惠
捨てことば残して去れり北辛夷 梶鴻風