うつくしき嘘朧夜の腕伸ばす 久行保徳
嘘をついたのは吾子かそれとも思い人か
いずれにしても作者の愛の深さを語っている
朧夜となれば青人か
伸ばす腕は抱擁の初手だろうと感じさせる
(小林たけし)
【朧】 おぼろ
◇「朧夜」(おぼろよ) ◇「草朧」 ◇「鐘朧」 ◇「影朧」 ◇「家朧」 ◇「谷朧」 ◇「橋朧」 ◇「庭朧」 ◇「灯朧」(ひおぼろ) ◇「朧めく」
春は大気中に水分が多いので、物の姿が朦朧とかすんで見える。朧は霞の夜の現象である。ほのかなさま。薄く曇るさま。
例句 作者
あらくさに足をなげだす朧かな 菅原和子
いつの世も朧の中に水の音 桂信子
うすぎぬのおぼろが裏む花の精 西條李稞
おぼろなり割箸で喰ぶパスタかな 永田タヱ子
おぼろなる記憶の底に花電車 竹﨑あき
おぼろにて丸し佳人の言葉尻 永井潮
あらくさに足をなげだす朧かな 菅原和子
いつの世も朧の中に水の音 桂信子
うすぎぬのおぼろが裏む花の精 西條李稞
おぼろなり割箸で喰ぶパスタかな 永田タヱ子
おぼろなる記憶の底に花電車 竹﨑あき
おぼろにて丸し佳人の言葉尻 永井潮