私のスタートの時には雨は止んでいました。
私は真ん中くらいの位置でスタートです。
狭い道路に100人なので、追い越しもままなりません。
道路が濡れているので前走者が巻き上げる水しぶきが顔にかかります。
そしていよいよ激坂部分に突入です。
どんどんきつくなりますが、先に見えているカーブを曲がれば終わりだと思ってペダルを回しました。
でも、昨日に不安を抱いたトラブルが発生。
前走者のペースがいきなり落ちて蛇行を開始。私はよけきれずに前輪が接触。あえなく足をついてしまいました。
とりあえず自転車が乗れそうなところまで押して上がって走行を再開。きっとほとんどの人に抜かれたと思います。
その後の坂では何人かの人を抜いたような気がしますが、気が動転していたのかあまり覚えていません。でも、私のクラスの後にスタートした人にスパっと抜かれてレベルの違いに圧倒されたのはしっかりと覚えています。
最初の坂を登り切ればしばらくは平坦な道が続きます。美鈴湖の横を通って第一チェックポイントへ。そこを通過して、いよいよ10キロを超える坂道が始まります。
急な坂とゆるい坂が繰り返す林の中を通るコースです。
その坂を上り始めた頃には徐々に自分のペースがつかめてきて周りを見る余裕も出てきました。
少し走ると、同じ時刻にスタートした数人の人たちに追い付きました。何だか仲間意識とライバル心を感じてしまいます。
しばらく一緒に走った後、まだいけそうなのでスピードを上げてその人達を抜かしました。すると、同じようなスピードで追い抜いて行く人を発見です。背中に「パールイズミ」と大きくプリントされているのでとても分かりやすいです。この人に付いて行くことにしました。
しばらく走っていると、右足に異常が発生。昨日の試走で違和感を感じた右のふくらはぎがつりかけました。
左足だけでペダルを回しながら、右足のふくらはぎのストレッチをして回復に努めます。
ペースもがくっと落ちます。パールイズミさんは見えなくなってしまいました。
ゆるい坂道をゆっくり走っていると、先ほど抜いた同時スタートの人たちに抜き返されました。
この時は「リタイア」の文字が頭をよぎりました。それとも最後まで押してゴールするか,などと考えながら走っていると、嬉しいことに足のつりも治まってきました。
ペースを戻します。
少し進むと先ほど抜き返された同時スタートの人たちが見えてきました。気合いを入れて追い抜きます。
その後はしばらく順調でした。
同時スタートのクロスバイクの人に追い付きます。この人も気合いで抜きました。
でも、今度は左のふくらはぎがつりかけました。右足でペダルを回して回復させます。
平坦部分でクロスの人に抜き返されました。
でも、しばらくするとまた回復してきました。まったく人騒がせな脚です。
再びペースを上げて頑張ります。
クロスバイクの人に追い付きました。
ちょっと急な上り坂で抜きます。
その後は自分のペースと思われる速度で上って行きます。
でも、第三チェックポイントを越えたあたりから急にきつくなってきました。呼吸とかは大丈夫なのですが、体がうまく動かない感じです。
エネルギー切れ?朝ご飯が早すぎた?これが「ハンガーノック状態」か?、と思いながら我慢してペダルを回します。
ふと見ると、先ほどのパールイズミさんが自転車を押して上っているのが見えました。体に限界が来たのでしょうか?
あと少しで上り坂も終わるはずだと思って上っていると、救急車がサイレンを鳴らして追い抜いて行きました。この先で洛車事故があったのでしょうか?
沿道のスタッフの方が、「あと少しで坂道が終わるよ」と声をかけてくださいます。
このカーブを過ぎれば坂道も終わりかと思って頑張っても、まだ先に坂道が見えたときには死ぬかもと思いました。
やっと坂道が終わって、平坦と下りの部分です。
しかし、すごい霧です。眼下に広がっているはずの美ヶ原高原の景色は全く見えませんでした。
フロントギアをアウターに入れて足を回します。エネルギー切れのはずが意外なほどスピードが出ます。
5,6人で集団になって坂道を下って行きます。私は一番後方にいました。少し進むと直前の人のペースが落ちて、その先の人たちとの差が開いていきます。すぐに追い抜かせば良かったのですが、迷っている間に先の人たちは見えなくなりました。
前の人を抜かして右カーブを曲がります。すると、そこに先ほどの救急車が停まっていました。カーブを曲がり損ねて洛車したのでしょうか?大したことが無ければ良かったのですが。
やがて下り坂も終わって最後の二つの短い上り坂に突入。一つ目の坂で何人か抜いて、最後の坂では立ちこぎを交えて3人ほどを抜いてゴールしました。
タイムは2時間を切りましたが、目標の1時間40分に10分ほど届きませんでした。クラス内順位と総合順位は半分より下でした。これも目標の半分以上を達成できませんでした。
初級者の初めてのレースということで上出来かなと半分くらい納得していますが、もう少し頑張れたという思いも半分くらいあります。それと、ゴール時にはへとへとになるのを予想(期待?)していたのですが、意外と余力が残っている状態であるのも、少し悔しかったです。
ゴール後、自転車を置いて携帯で妻に連絡をしました。それからバナナをもらって食べました。美味しかったです。
預けていた荷物を受け取って、レインコートと長ズボンのレーシングパンツを着ました。
ゴール付近の様子です。
ゴール地点は雨でとても寒かったです。
下山は集団で行いました。下りはスピードが出るので、慎重に下りていきます。
途中、沿道でボランティアのスタッフと思われる方々に、「おつかれさま」と声をかけられて感動してしまいました。本当にありがとうございました。
長い下りでブレーキを引く手も疲れましたが、無事に下山終了。
息子と再会しました。
息子も予想よりは順位が良くなかったそうで、すこししょんぼりしていました。
息子曰く、「早い人はものすごく早かった」そうです。
朝にジュニアクラスに参加する小学生を見たときも、他の子供はすごく気合いが入っているなという感じだったので、これもうなずけました。
でも、結果発表でゴール時の印象よりも順位が上だったので、それなりに嬉しかったみたいです。副賞の水を3本もらっていました。
表彰式で上位入賞の人たちを見て、ヒルクライマーってすごくスマートな人たちなのね、と思いました。遅筋がすごく発達しているのでしょうね。筋肉質の人は全くいませんでした。残念ながら私はヒルクライマー体型ではありません。
表彰式で、視覚障害者の方と健常者の方が二人でタンデム自転車に乗って見事に完走されたということで特別に表彰されていました。すごいです。
表彰式の後は抽選会でした。LookのペダルやiPadなどが賞品でしたが、みごとに何も当たりませんでした。
その後自転車で車のところまで移動してから後片付けをして、ホットプラザ浅間というスーパー銭湯みたいなところに行きました。レースに参加された方々が沢山来ておられました。タンデムで完走された二人もそろって入浴されていました。
汗を流してさっぱりとして、そして岡崎を目指しました。
息子と二人で、「ツールド美ヶ原はすごく楽しかったね」と言いながら帰ってきました。二人とも、来年も出場する気持ちでいっぱいです。