大好きなパク・ワンソの、最初の作品です。
たくさんの版が出ているけど、世界社の小説全集版で読みました。

(内容は他の版とどう違うかわかりませんが、なんだかつまらない装丁ですね)
短編集を読んだことしかなかったのですが、言葉遣いの豊かなパク・ワンソの長編(正直、ボキャブラリーが難しい)、1ヶ月以上かかってしまいました。
40年近く前に出た本で、舞台は朝鮮戦争のさなか、1951年の正月を迎える場面が出てきます。
戦時下とか米軍の基地で働くとか、その状況は身近なものではないけど、言葉は全然古くないのですよ。
機嫌の悪い主人公に向かって
미스 리,
왜 오늘 또 이렇게 저기압이에요?
찌푸리면 쉬 늙는대구.
ミスリー、
今日はまたえらく低気圧だね。
しかめっ面してるとすぐに老けるってよ。
なんて、全然古くないでしょう?(いや、若干古い?昭和の香りがしますか?)
さらっと読める本ではないけど、読むほどに惹かれる本です。
この本自体、謎解きというか、最後まで読んですっきりするところがあります。
そして、つねづねパク・ワンソの小説の生命力の強さにあこがれている私は、
죽고 싶다, 살고 싶다. 죽고 싶다 살고 싶다.
「生きたい・死にたい。生きたい・死にたい」の繰り返しが何度か出てくるこの本に、その源泉を見た気がしました。
これも魅力のひとつだと思うのですが、パク・ワンソの本は植物の名前がたくさん出てきます。そして、文章を読んでいて色彩が鮮やかに浮かびます。
たとえば、コン・ジヨンだともっと透明に近いというか、「星の野原」だとず~っと灰色な感じだったり。
というのは私のとっても個人的な感想ですが。
ステキな文章をちょっとだけ紹介しておきますね。
내 침상은 부드럽고도 향굿했다.
나는 마구 뜯어다 놓은 여러 풍성한 빛깔의 꽃 송이에 거의 묻히다시피 드러누워 있었다.
나는 꽃잎에 묻힌 부분이외는 거의 전라였다.
내 몸은 장밋빛으로 빛나고 있다.
나는 내 몸이 꽃보다도 훨씬 아름다운 데 만족했다.
私の寝床はやわらかくいい香りがした。
私は乱暴にちぎり取った色とりどりの花にほとんど埋まるようにして横たわっていた。
花びらに埋もれた部分以外はほぼ全裸だった。
私の体は薔薇色に輝いていた。
自分の体が花よりもずっと美しいことに私は満足した。
나는 꼼짝도 할 수 없었다.
나도 생명이 없는 것일까?
두려워하며 다시 내 나신을 훑었다.
어쩐 일일까, 내 나신은 그 찬란한 장밋빛 생기가 가시고 여위고 보잘것없이 쳥범했다.
身動きがとれなかった。
私にも命がないのだろうか?
怯えながらもう一度自分の裸身に目をやった。
どうしたことか、私の裸身はあのまばゆい薔薇色の生気をすっかり失ってみる影もなく平凡だった。
この文は夢の描写なのですが、色が浮かぶでしょう~?
韓国語の感想(若干ネタバレ)はこちらから。
たくさんの版が出ているけど、世界社の小説全集版で読みました。

(内容は他の版とどう違うかわかりませんが、なんだかつまらない装丁ですね)
短編集を読んだことしかなかったのですが、言葉遣いの豊かなパク・ワンソの長編(正直、ボキャブラリーが難しい)、1ヶ月以上かかってしまいました。
40年近く前に出た本で、舞台は朝鮮戦争のさなか、1951年の正月を迎える場面が出てきます。
戦時下とか米軍の基地で働くとか、その状況は身近なものではないけど、言葉は全然古くないのですよ。
機嫌の悪い主人公に向かって
미스 리,
왜 오늘 또 이렇게 저기압이에요?
찌푸리면 쉬 늙는대구.
ミスリー、
今日はまたえらく低気圧だね。
しかめっ面してるとすぐに老けるってよ。
なんて、全然古くないでしょう?(いや、若干古い?昭和の香りがしますか?)
さらっと読める本ではないけど、読むほどに惹かれる本です。
この本自体、謎解きというか、最後まで読んですっきりするところがあります。
そして、つねづねパク・ワンソの小説の生命力の強さにあこがれている私は、
죽고 싶다, 살고 싶다. 죽고 싶다 살고 싶다.
「生きたい・死にたい。生きたい・死にたい」の繰り返しが何度か出てくるこの本に、その源泉を見た気がしました。
これも魅力のひとつだと思うのですが、パク・ワンソの本は植物の名前がたくさん出てきます。そして、文章を読んでいて色彩が鮮やかに浮かびます。
たとえば、コン・ジヨンだともっと透明に近いというか、「星の野原」だとず~っと灰色な感じだったり。
というのは私のとっても個人的な感想ですが。
ステキな文章をちょっとだけ紹介しておきますね。
내 침상은 부드럽고도 향굿했다.
나는 마구 뜯어다 놓은 여러 풍성한 빛깔의 꽃 송이에 거의 묻히다시피 드러누워 있었다.
나는 꽃잎에 묻힌 부분이외는 거의 전라였다.
내 몸은 장밋빛으로 빛나고 있다.
나는 내 몸이 꽃보다도 훨씬 아름다운 데 만족했다.
私の寝床はやわらかくいい香りがした。
私は乱暴にちぎり取った色とりどりの花にほとんど埋まるようにして横たわっていた。
花びらに埋もれた部分以外はほぼ全裸だった。
私の体は薔薇色に輝いていた。
自分の体が花よりもずっと美しいことに私は満足した。
나는 꼼짝도 할 수 없었다.
나도 생명이 없는 것일까?
두려워하며 다시 내 나신을 훑었다.
어쩐 일일까, 내 나신은 그 찬란한 장밋빛 생기가 가시고 여위고 보잘것없이 쳥범했다.
身動きがとれなかった。
私にも命がないのだろうか?
怯えながらもう一度自分の裸身に目をやった。
どうしたことか、私の裸身はあのまばゆい薔薇色の生気をすっかり失ってみる影もなく平凡だった。
この文は夢の描写なのですが、色が浮かぶでしょう~?
韓国語の感想(若干ネタバレ)はこちらから。