2022/11/26の土曜日
夕飯の用意ができたよ、おかんの声が聞こえた。仏様のお線香を買ってくるの忘れた。あした買ってくる、まだ少しあると思うから。
見ると五センチくらいの折れたお線香が三本。
近くでテレビのワールドカップのニュースが流れていた。
その時突然、タン、タン、タンと間を空けて、乾いた音が三回、テレビとは違う方角から聞こえてきた。どこかそれは聞き慣れない音。こんな時間に何の音だろう。
「なんか変な音しなかった?」
「ううん、何も聞こえなかったけど。空耳じゃないの」
するとまたタン、タンと鳴った。
刹那頭に浮かんだものがあった。もしかして、とリビングのカーテンを開けた。やっぱりそうだ。既に帳の下りた暗闇の空に花火が燦然と輝いていた。一番初めに現れたのはハートの花火。そして立て続けに三つ。そのあと派手さには欠けるが定番のよく見る花火がポンポンとあがった。
中々乙なことをやる。心なしか気持ちが和らいだ。
毎年数百発打ち上げる朝霞市花火大会はコロナで三年連続の中止。これは自衛隊朝霞駐屯地から打ち上げている花火。ここも毎年やっていたが二年続けて中止となっていた。人知れずにひっそりあがっていた花火。このウツな世の中に明るい話題を提供してくれた自衛隊に乾杯!
単発の花火の後、立て続けに数発あがった。これはもしかしてフィナーレ? と思っていたら案の定。緞帳が下りたようだ。元の暗闇に戻っていった。
フィナーレまでたった五分の花火大会。
ボクがまだ職員住宅にいた頃、住人全員で廊下にゴザをひいて1000円会費で飲み会をやった。
子どもたち用には、4階の倉庫のあるスペースで手持ち花火大会。
わいわいがやがややっていたら、隣のマンションの管理人が怒鳴り込んできた。
そりゃそうだよな。
古き良き時代の話だよ。
この調子でいけば現役のころの君の歌が聞けるんじゃないか?
どうだ、れっといっとびーは? 歌ってみる気はないか?
お~~~い。古式床しい友人よ。僕はそろそろ寝るぞ。Zzzzzzzzzz
いやまだ早いか。
♪今何時? ちょっと待ってね^^♪