今日Googleを開けたら、エキゾチックな美女のイラストが目に飛び込んできた。「ケティ・フラド生誕94周年」とある。
随分半端な周年だが、これはひょっとして『真昼の決闘』(52)や『折れた槍』(54)などに出ていたメキシコ人女優のカティ・フラドのことか? と思ったらやはりそうだった。今はケティと呼ぶようだ。
そのケティは、1940~50年代、メキシコ映画の黄金時代を飾った女優として、また、メキシコ人女優として、初めて『折れた槍』でアカデミー賞候補となり、『真昼の決闘』ではゴールデングローブ賞を受賞したことで、大いに評価されているらしい。
こういうトリビュートの仕方は粋でいいなあ。
https://www.youtube.com/watch?v=kWHWIu0-KFY
知人から譲られた本。その存在を全く知らなかった。
1977年の東京を舞台に、幻の映画『砂丘のナディア』の上映に奔走する若者たちを描く青春物語。主人公の高校生は作者の分身か。前半は、斜陽の映画館、テレビでの映画放送など、当時の映画を取り巻く状況が盛り込まれており、同じ年の映画好き故に、分かるところ、共感できるところが多々あった。
ところが後半、『ぴあ』をモデルにした情報誌が登場するのはまだしも、蓮實重彦氏を思わせる大学教授を持ち上げる描写が出てきて一気に興ざめさせられた。きっと作者は、蓮實氏から映画に関する“教え”を受けた一人なのだろうが、これが結論では、一般の映画ファンの思いからは乖離してしまう。