田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『ターミネーター』

2019-11-02 13:44:35 | 映画いろいろ
『ターミネーター』(84)(1987.10.18.日曜洋画劇場)

 
 未来の革命リーダー、ジョン・コナーの母となるサラ(リンダ・ハミルトン)を殺害するため、不死身のサイボーグ、ターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)が送り込まれた。だが、サラを守るため、革命戦士のリース(マイケル・ビーン)も未来からやってくる。
 
 もっと単純なバイオレンス映画かと思ったら、『エイリアン2』(86)同様、ラストにはちょっとした救いがあり、ジェームズ・キャメロンの一貫性を感じさせられた。つまり、徹底的なバイオレンス描写を見せながら、この映画ではタイムスリップに付き物の、時を超えた愛の姿を見せ、『エイリアン2』ではラストで子供を救い、アンドロイドと人間の交流を見せるのである。
 
 全体のバイオレンス色が強い分、センチメンタルなラストが余計印象に残るわけで、この辺り、ずるいと言えばずるいのだが、最近の単なるバイオレンスとスプラッターの見世物的な映画に比べれば好感が持てる。
 
 ところで、これまた『エイリアン2』もそうだが、いざという時は、火事場の馬鹿力じゃないが、女の方が強い、という印象にも共通するものがある。これは、キャメロンの女性に対するいささか屈折した愛情表現なのかもしれない、という気がした。ところで、シュワルツェネッガー演じるターミネーターのしつこさの原型は『ウエストワールド』(73)のユル・ブリンナーか。
 
    
   
 
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『ターミネーター ニュー・フェイト』

2019-11-02 07:26:49 | 新作映画を見てみた
 
 『ターミネーター2』(91)から28年後に作られた正統な続編。ジェームズ・キャメロンが製作に復帰し、監督は『デッドプール』のティム・ミラーが務めた。
 
 どうやら『2』とこの映画の間に作られた諸作は全てなかったことにするようだ。何だか引退や解散を何度も宣言しながら、復帰や再結成を繰り返すプロレスラーやロックバンドを思わせるところもある。
 
 サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)とT‐800(アーノルド・シュワルツェネッガー)の活躍により、人類滅亡の審判の日は回避されたはずだった。ところが、再び新たな脅威が現れ、サラとT‐800もその渦中に巻き込まれていく。
 
 今回は新たなキャラクターとして、人類存亡のキーマンとなるダニー(ナタリア・レイエス)、未来からやって来た強化型兵士のグレース(マッケンジー・デイビス)、そして最新型ターミネーターREV‐9(ガブリエル・ルナ)が登場する。
 
 冒頭から激しいアクションの連続で度肝を抜かれる。『2』の変形自在のT‐100の特撮にも驚かされたが、28年後(現在)のVFXと比べると、その違いに隔世の感を抱かされる。
 
 顔はしわしわのハミルトンが、アクションではシュワルツェネッガーを凌駕していたのには驚いた。衰えたシュワルツェネッガーを見るのは寂しいものがある。
 
 ターミネーターが年を取る理由ついては、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』(15)で説明されていたが、あれはなかったことにするわけだから…。今回は特に説明もなかった。また続きが出来そうだ。
 
   
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