『ターミネーター』(84)(1987.10.18.日曜洋画劇場)
未来の革命リーダー、ジョン・コナーの母となるサラ(リンダ・ハミルトン)を殺害するため、不死身のサイボーグ、ターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)が送り込まれた。だが、サラを守るため、革命戦士のリース(マイケル・ビーン)も未来からやってくる。
もっと単純なバイオレンス映画かと思ったら、『エイリアン2』(86)同様、ラストにはちょっとした救いがあり、ジェームズ・キャメロンの一貫性を感じさせられた。つまり、徹底的なバイオレンス描写を見せながら、この映画ではタイムスリップに付き物の、時を超えた愛の姿を見せ、『エイリアン2』ではラストで子供を救い、アンドロイドと人間の交流を見せるのである。
全体のバイオレンス色が強い分、センチメンタルなラストが余計印象に残るわけで、この辺り、ずるいと言えばずるいのだが、最近の単なるバイオレンスとスプラッターの見世物的な映画に比べれば好感が持てる。
ところで、これまた『エイリアン2』もそうだが、いざという時は、火事場の馬鹿力じゃないが、女の方が強い、という印象にも共通するものがある。これは、キャメロンの女性に対するいささか屈折した愛情表現なのかもしれない、という気がした。ところで、シュワルツェネッガー演じるターミネーターのしつこさの原型は『ウエストワールド』(73)のユル・ブリンナーか。