田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『カツベン!』周防正行監督と主演の成田凌にインタビュー

2019-11-21 19:44:17 | 仕事いろいろ

 周防監督に、「なぜ今、活動弁士を主人公にした映画を撮ろうと考えたのか」と質問すると、

 「サイレント映画に、別に弁士も音楽も要らないじゃないか、とずっと思ってきたが、今回、片島章三さんの脚本を読んで、本当の意味でサイレント映画は、弁士の説明と音楽があって見るのが正しいと気付いた」

 「映画の定義が変わってきている今だからこそ、日本で映画がどう始まったのかを撮らないと、誰もそれを知らなくなってしまう。活動弁士のことなんて誰も知らないのではまずいと。自らの反省の意味も込めて、ぜひ活動弁士の存在を、多くの人に知ってほしいと思った」と答えた。

 詳細は後ほど。

『カツベン!』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/54733c46bbc92a13b6e1515e02750a55

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ラスト・シューティスト』

2019-11-21 11:36:33 | 映画いろいろ
『ラスト・シューティスト』(76)(1987.6.14.日曜洋画劇場)
 
 
 何度見ても、一体ジョン・ウェインはどんな気持ちで、この映画に取り組んでいたのだろう、と思ってしまう。恐らく、これが最後になるかもしれないという気持ちはあっただろうし、がんに侵されるという、演じる役と自分自身がオーバーラップしてしまうつらさは、我々見る側よりも本人の方が強く感じていたに違いないからである。にもかかわらず、十八番の西部の男という役柄を最後まで演じ切り、去っていったことは、見方を変えれば、映画スターとしては最高の幕引きだったとも言えるのかもしれない。
 
 実際、自らの死を予感して、それに見合った内容の映画で幕を閉じたスターは、『黄昏』(81)のヘンリー・フォンダ、『ハンター』(80)のスティーブ・マックィーンなど、数えるほどしかいない。先に亡くなったウィリアム・ホールデンのように、あまり幸せとは言えない最期を迎えたスターの方が圧倒的に多いのだ。
 
 そう考えれば、最後にドン・シーゲルというハリウッド生え抜きの職人監督の下で、ジェームズ・スチュワート、ローレン・バコール、リチャード・ブーン、ジョン・キャラダインといった古くからの仲間たちに囲まれ、次代を担うロン・ハワードまで加えたこの映画は、ジョン・ウェイン最後の映画として、あまりにも美しく、見事で、的を得ていていて、最高の幕引き映画だとは思いながらも、同時に、あまりにも切なく、悲しく、寂しさを感じさせる映画であることもまた確かなのだ。
 
  
  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ムービーランドの子守唄 いつか見たジョン・ウェイン』(大林宣彦)

2019-11-21 09:23:08 | ブックレビュー
 先日『絶海の嵐』(42)のパンフレットを入手した際、この本のことを思い出したので再読してみた。
 
 
 ゲイル・ラッセルに捧げられた本書(85)は、『ぼくのアメリカンムービー』(80)から、ジョン・ウェインに関する部分だけを抽出し、加筆訂正したもの。『絶海の嵐』と『怒涛の果て』(48)のイメージを中心に、ジョン・ウェインとアメリカ映画について語り尽くしている。
 
 2007年に『MOVIE』という雑誌で 生誕100年のジョン・ウェインを特集する際に、本書を基に大林監督にインタビューをすることを思いついた。当日、2時間にも及んだインタビューは、本書の抜粋とその後の取材について語ったもので、淀川長治先生同様、頭の中で自分なりのストーリーが出来上がっている監督のほぼ一人語りとなった。もちろん「それは監督の妄想なのでは?」と思うところもあったが、あまりの話の面白さについ引き込まれ、監督の語り部としての才能に唸らされた覚えがある。
 
 今から思えば、ウェインが最後の病床で『怒涛の果て』を繰り返し見ていたことも明かされたこのインタビューは、2冊の本を踏まえた完結編になったのでないかと自負している。
 
   
 
   
『ヒッチコック』トークイベント
https://tvfan.kyodo.co.jp/news/34302

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする