『ターミネーター2』(91)(1991.12.10.日本劇場)
前作で結ばれた、サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)と未来から来たカイル・リース(マイケル・ビーン)との間に生まれた息子ジョン(エドワード・ファーロング)こそ、未来での機械との戦争で人類を導く指導者だった。機械たちはジョンの暗殺を目論み、再び1994年のロサンゼルスにターミネーターを送り込んでくる。
前作は、まさしくB級映画の鑑のような面白さがあったのだが、その後、監督のキャメロンも主演のシュワルツェネッガーも売れっ子になり、今回は装いも新たに超大作としての登場である。
そうした両作の間の大きな差が、イメージダウンではなく、スケールアップとして捉えられるか否かが、見る側にとっては大きな問題だったのだが、そうした不安を見事に払拭してくれたのがうれしかった。とにかく、有無を言わせないようなテンポの良さと、SFXによる映像処理が見事に融合されていて、あっという間に見終わってしまった感がある。
そこには、キャメロンの“強い女”を描き続ける一貫性が功を奏した部分もあるが、もう一つ、彼の作品に共通して流れる、バイオレンスの中から人間と機械との接点を見付けていくというテーマが、この映画ではより強く描かれていたことも大きい。こうした大掛かりな映像の映画に、きちんとしたストーリーが加われば、そこはもうハリウッド映画の独壇場となる。こうなると、全くかないませんなあ。