田中雄二の「映画の王様」

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『さらばバルデス』

2020-03-03 09:01:38 | 映画いろいろ

『さらばバルデス』(73)(1979.5.20.日曜洋画劇場)

 西部開拓末期のニューメキシコ。野生馬の管理と売買を営むチノ・バルデス(チャールズ・ブロンソン)は、インディアンとの混血のため不当な差別を受けていた。そんな彼のもとに、宿なしの少年ジェイミー(ビンセント・バン・パタン)がやって来て、共に暮らし始めるが…。

 『荒野の七人』(60)『大脱走』(63)以来、ジョン・スタージェス監督とブロンソンが久しぶりに組んで撮った西部劇。馬の生態やインディアンの生活描写がリアルで、スタージェスにしては静かな映画という印象を受ける。

 ただ、この映画の他、クリント・イーストウッド主演の『シノーラ』(72)、ジョン・ウェイン主演の『マックQ』(74)、そして遺作となった『鷲は舞いおりた』(76)と、自分にとってのリアルタイム・スタージェス作品には、残念ながら往年の切れの良さは見られなかった。

 また、この映画は、伊・仏・米・スペインの合作で、製作はイタリアの大プロデューサー、ディノ・デ・ラウレンティス。ブロンソンとは、この映画の他にも『バラキ』(72)『狼よさらば』(74)『ホワイト・バッファロー』(77)を作っているが、どれも上出来とはいえない。

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