『さらばバルデス』(73)(1979.5.20.日曜洋画劇場)
西部開拓末期のニューメキシコ。野生馬の管理と売買を営むチノ・バルデス(チャールズ・ブロンソン)は、インディアンとの混血のため不当な差別を受けていた。そんな彼のもとに、宿なしの少年ジェイミー(ビンセント・バン・パタン)がやって来て、共に暮らし始めるが…。
『荒野の七人』(60)『大脱走』(63)以来、ジョン・スタージェス監督とブロンソンが久しぶりに組んで撮った西部劇。馬の生態やインディアンの生活描写がリアルで、スタージェスにしては静かな映画という印象を受ける。
ただ、この映画の他、クリント・イーストウッド主演の『シノーラ』(72)、ジョン・ウェイン主演の『マックQ』(74)、そして遺作となった『鷲は舞いおりた』(76)と、自分にとってのリアルタイム・スタージェス作品には、残念ながら往年の切れの良さは見られなかった。
また、この映画は、伊・仏・米・スペインの合作で、製作はイタリアの大プロデューサー、ディノ・デ・ラウレンティス。ブロンソンとは、この映画の他にも『バラキ』(72)『狼よさらば』(74)『ホワイト・バッファロー』(77)を作っているが、どれも上出来とはいえない。