ブックオフで見付けた短編集の中の一編「ライムライト」を読む。
1932(昭和7)年、喜劇王チャップリンの来日に際して、軍部による暗殺が計画された。彼の命を救うため、義賊・安吉一家が動き出す。五・一五事件とチャップリン来日を背景に、いかにも浅田次郎らしい、強引な泣かせ話を作り上げているのだが、作為の跡が見え過ぎて鼻につく。
チャップリンと五・一五事件については、『チャップリンを撃て』(日下圭介)と『5月十五日のチャップリン』(川田武)が、推理小説の形を借りて詳細に描いている。
『淀川長治の証言 チャップリンのすべて』
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