田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド』

2022-01-06 09:42:42 | 新作映画を見てみた

『アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド』(2022.1.5.オンライン試写)

 ベルリンの博物館で楔形文字の研究をしているアルマ(マレン・エッゲルト)は研究資金を稼ぐため、ある企業が実施する極秘実験に参加する。

 それは、ドイツ人女性の恋愛データ及びアルマの性格とニーズに完璧に応えられるようプログラムされた高性能AIのトム(ダン・スティーブンス)と3週間暮らすというものだった。

 抜群のルックスと穏やかな性格、豊富な知識を持つトムは「実験期間内にアルマを幸せにする」というミッションを遂行するため、過去の傷から恋を遠ざけてきたアルマの心を何とか変えようとするが…。

 監督・脚本は女優としても活動しているマリア・シュラーダー。スティーブンスが製作も兼任しているから、AIという形を借りて、自分の魅力を最大限に表現しようとしている節がうかがえる。

 さて、人型ロボットが登場する映画は多いが、人間とAIの恋という点では、主人公(ホアキン・フェニックス)がAIと恋に落ちる『her/世界でひとつの彼女』(13)が思い浮かぶ。

 ただ、あのAIは“声だけ”(スカーレット・ヨハンソン)というところに、逆に想像力をかき立てられるものがあったのだが、今回は、ちょっとしたしぐさ以外は、見た目はほとんどAIらしさがなく、イギリスなまりのドイツ語を流ちょうに話す美男AIが相手なので、SFというよりも、普通の恋愛劇を見ているような気分になった。

 ただ、ヒロインのアルマの性格描写に曖昧なところが多いので、見終わった後で、もやもや感が残るのは否めないのだが、それは男目線故で、女性が見たら共感できるものなのだろうかと思った。このあたり、最近のジェンダーを扱った映画の評価は本当に難しいと感じる。

【映画コラム】もはやSFとは呼べない『her/世界でひとつの彼女』と『トランセンデンス』
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/846786

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「BSシネマ」『黒部の太陽』

2022-01-06 07:11:34 | ブラウン管の映画館

『黒部の太陽』(68)(1979.10.8.)

 昭和30年代、黒部峡谷に巨大なダムを建設する世紀の難工事。トンネルの掘削や次々に起こる困難に、不屈の精神で挑んだ男たちの姿を描く。監督・脚本は熊井啓。脚本は井手雅人。石原プロモーションと三船プロダクションが共同製作し、劇団民藝(滝沢修、宇野重吉ら)が協力した。

 現場を指揮する岩岡を石原裕次郎、現場責任者の北川を三船敏郎が演じたが、2人の演技合戦は三船の貫禄勝ちといったところ。クライマックスのトンネル貫通の場面は迫力満点。木本正次の原作を横山まさみちが漫画化し、『少年マガジン』に連載されたものを読んだ。

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【ほぼ週刊映画コラム】『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』「ジョン・カーペンターレトロスペクティブ2022」

2022-01-06 07:02:13 | ほぼ週刊映画コラム

共同通信エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は
新年早々、超現実の世界に浸る
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』「ジョン・カーペンターレトロスペクティブ2022」

詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/?p=1309248&preview=true

ジョン・カーペンター レトロスペクティブ2022 | 公式
https://twitter.com/JC_R2022

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