田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

岩波ホール閉館

2022-01-11 16:59:04 | 映画いろいろ

 東京・神保町の岩波ホールが、新型コロナウイルスの影響による経営悪化を理由に7月29日で閉館するというニュースが流れた。また一つ名物映画館が消えることになる。2012年に【違いのわかる映画館】という連載企画で取材したのも今は懐かしい思い出だ。

【違いのわかる映画館】神保町 岩波ホール
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/d8f0182353b93d4ea78c883fba88aa8e

『オレンジと太陽』『パプーシャの黒い瞳』(岩波ホール)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/50243239b6dd38f1c4991e5e47f47e9e

『八月の鯨』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/22d512b3bc5bc5e62fc6c11b19e333c6

『恋の浮島』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/e319ebc847100a1d236bb3c30afdfa3b

エルマンノ・オルミと岩波ホール
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/f03396f3cc3f007aeb8d65b823a64601

『父と暮せば』(2004.10.14.)

 先日、妻と岩波ホールに『父と暮せば』を見に行った。先に舞台版を見、井上ひさしの原作も読んでいたこともあって、どうしても見比べてしまったのはこちらのマイナス。けれども、舞台版のふたり芝居にあった一種の削ぎ落とされた静かなすごみや悲しみ、そして清々しさが消えて、余計な人物の登場や場面の挿入(浅野忠信演じる木下青年や丸木位里の絵…)が鼻についたのは否めない。

 まあ舞台をそのまま映画には出来ないよなあ、とは思いつつも、この原作の良さは大上段から悲劇を主張していないところだっただけにちょっと残念。

 広島出身の妻に言わせれば、父親役の原田芳雄の広島弁は合格だけど、宮沢りえは…だそうだ。方言のうまさは分からないけれど、この親子役も舞台版で演じたすまけいと梅沢昌代コンビの方が良かったと思う。この娘役は宮沢りえではちょっとかわい過ぎるんだなあ。あら、映画派のオレが舞台の方を褒めるとは、我ながら珍しいことだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「第79回ゴールデングローブ賞」

2022-01-11 08:50:55 | 新作映画を見てみた

「第79回ゴールデングローブ賞」
日本映画の受賞は、60年度の市川崑監督『鍵』(59)の外国語映画賞以来62年ぶり。

作品賞(ドラマ)『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/05fa88ac1b50db10fd4d2e6f1a10bd2f

主演男優賞(ドラマ)ウィル・スミス『ドリームプラン』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/acc131f9c921085cb9f67e1198658914

主演女優賞(ドラマ)ニコール・キッドマン『愛すべき夫妻の秘密』

作品賞(ミュージカル/コメディ)『ウエスト・サイド・ストーリー』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/ebc37e76906b26d62fc1eb1af4a35f16

主演男優賞(ミュージカル/コメディ)アンドリュー・ガーフィールド『tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!』

主演女優賞(ミュージカル/コメディ)レイチェル・ゼグラー『ウエスト・サイド・ストーリー』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/ebc37e76906b26d62fc1eb1af4a35f16

助演男優賞:コディ・スミット=マクフィー『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/05fa88ac1b50db10fd4d2e6f1a10bd2f

助演女優賞:アリアナ・デボーズ『ウエスト・サイド・ストーリー』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/ebc37e76906b26d62fc1eb1af4a35f16

アニメーション賞『ミラベルと魔法だらけの家』

監督賞:ジェーン・カンピオン『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/05fa88ac1b50db10fd4d2e6f1a10bd2f

脚本賞:ケネス・ブラナー『ベルファスト』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/e175af23e2421a9ece6c12ec710b80a2

作曲賞:ハンス・ジマー『DUNE/デューン 砂の惑星』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/d34265900ec1717721753b7ad15b3b78

歌曲賞:ビリー・アイリッシュ『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/9ce73590f7d1bc82dae5784fc40dedfa

非英語映画賞『ドライブ・マイ・カー』(日本)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/a68a589623b836d5dea5423d43a18b1d
『女のいない男たち』(村上春樹)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/de0b908c12c533347434fdfdfcfcb4d2
【インタビュー】『ドライブ・マイ・カー』霧島れいか
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/da74113891448fd6c9af256618e04f18
【インタビュー】『偶然と想像』濱口竜介監督
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/6320fd67e3d1575080d55afe88fd4357

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ピーター・ボグダノビッチ追悼『墜ちた打撃王 ピート・ローズ』『マイ・ファニー・レディ』

2022-01-11 07:14:47 | 映画いろいろ

『墜ちた打撃王 ピート・ローズ』(04)
“雇われ監督”
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/94e0594ff082ade704c6d1a7109b1586

『マイ・ファニー・レディ』(14)
13年ぶりの復活作
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/97acea6074bebea499d5dbcecd696425

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』

2022-01-11 07:03:00 | 新作映画を見てみた

『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』(2022.1.9.オンライン試写)

 1959年に44歳の若さで死去したアメリカジャズ界の伝説的歌手ビリー・ホリデイの生涯を描いた伝記ドラマ。人種差別を告発する「奇妙な果実=ストレンジ・フルーツ」を歌い続けたことで、FBIからターゲットとして狙われたエピソードに焦点を当てながら、波乱の生涯を描く。監督はリー・ダニエルズ。

 40年前にダイアナ・ロスがホリデイを演じた『ビリー・ホリディ物語/奇妙な果実(レディ・シングス・ザ・ブルース)』(73)という伝記映画があったが、あれはシドニー・J・フューリーという白人の監督が撮った黒人の映画だった。

 それに比べれば、もちろん時代差はあるが、今回はリー・ダニエルズという黒人監督がアンドラ・デイ(熱演!)を起用して描いた映画なので、例えば、ウィル・スミス主演の『ドリームプラン』もそうだったが、実話を通して、黒人が自分たちの立場を主張するブラックムービーとしての側面が際立っている。

 そして、黒人へのリンチを歌った「奇妙な果実」をクローズアップさせることで、ホリデイの別の面を描こうと試みてはいるのだが、その点では、当局との対立を強調し過ぎ、しかも彼女の人物像もあまり魅力的には描けていないので、焦点がぼやけて中途半端なものになった。

 加えて、ストーリーの進め方が曖昧で、登場人物それぞれの関係性の描写も弱いので、見ながら混乱してくるところがある。
 
 カーネギーホールでのコンサートで、白人と黒人が一体になった客席の様子や、タルラー・バンクヘッドとの同性愛など、興味深いエピソードも描かれていただけに、惜しい気もするが、全体的な整理不足や、テーマや映像をひねり過ぎてかえって難解にしてしまった感があるのは否めない。

『ビリー・ホリデイ物語/奇妙な果実』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/c7ba3ec926b747526628cc67ec52a003

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする