東京・神保町の岩波ホールが、新型コロナウイルスの影響による経営悪化を理由に7月29日で閉館するというニュースが流れた。また一つ名物映画館が消えることになる。2012年に【違いのわかる映画館】という連載企画で取材したのも今は懐かしい思い出だ。
【違いのわかる映画館】神保町 岩波ホール
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/d8f0182353b93d4ea78c883fba88aa8e
『オレンジと太陽』『パプーシャの黒い瞳』(岩波ホール)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/50243239b6dd38f1c4991e5e47f47e9e
『八月の鯨』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/22d512b3bc5bc5e62fc6c11b19e333c6
『恋の浮島』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/e319ebc847100a1d236bb3c30afdfa3b
エルマンノ・オルミと岩波ホール
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/f03396f3cc3f007aeb8d65b823a64601
『父と暮せば』(2004.10.14.)
先日、妻と岩波ホールに『父と暮せば』を見に行った。先に舞台版を見、井上ひさしの原作も読んでいたこともあって、どうしても見比べてしまったのはこちらのマイナス。けれども、舞台版のふたり芝居にあった一種の削ぎ落とされた静かなすごみや悲しみ、そして清々しさが消えて、余計な人物の登場や場面の挿入(浅野忠信演じる木下青年や丸木位里の絵…)が鼻についたのは否めない。
まあ舞台をそのまま映画には出来ないよなあ、とは思いつつも、この原作の良さは大上段から悲劇を主張していないところだっただけにちょっと残念。
広島出身の妻に言わせれば、父親役の原田芳雄の広島弁は合格だけど、宮沢りえは…だそうだ。方言のうまさは分からないけれど、この親子役も舞台版で演じたすまけいと梅沢昌代コンビの方が良かったと思う。この娘役は宮沢りえではちょっとかわい過ぎるんだなあ。あら、映画派のオレが舞台の方を褒めるとは、我ながら珍しいことだ。