田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『ド・レミの歌』(平野レミ)

2024-02-13 21:07:34 | ブックレビュー

 昨日のNHKは、料理にドキュメンタリーにと、まさに平野レミデーだった。そんな中で思い出した本がある。

『ド・レミの歌』(平野レミ)(1993.11.18.)

 これまで、平野レミ=和田誠夫人というのが、どうにもイメージに合わなかったのだが、先日NHkスペシャルで放送された彼女の家系のルーツを探る「北米人武威と署名した男」は中々興味深い内容だった。

 加えて、最近彼女の父である平野威馬雄という作家にも興味を持ち始め、彼の著書を探してみたものの中々見つからないもので、その代わりと言ってはなんだが、彼女の著書である『ド・レミの歌』を読んでみた。

 自由奔放に育った少女時代から、シャンソン歌手、ラジオパーソナリティとして活躍した青春時代、和田誠と出会って1週間で結婚し、3年後に長男を出産する新婚時代までを自由闊達に綴っているのだが、何とこれがある種天才的な表現力を示した大傑作だった。

 というわけで、彼女に対するイメージがすっかり変わり、今や和田家は憧れの対象になってしまった。いつか嫁さんをもらったら、記念にこの本を進呈しようかな。

【今の一言】などと30年前に書いていたが、いまだに妻には渡していない。そんなことはつゆ知らず、レミさんの料理のファンである妻は、今レミパンを愛用している。

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『ボーはおそれている』

2024-02-13 10:08:50 | 新作映画を見てみた

『ボーはおそれている』(2024.2.12.オンライン試写)

 明日に帰省を控えた不安症で怖がりのボー(ホアキン・フェニックス)は、現実とも妄想ともつかぬ不可思議な出来事に悩まされ、眠れずにいた。ところが、いつの間にか眠って寝坊したボーが焦る中、部屋の鍵とスーツケースを盗まれる。

 帰省できなくなったことを実家に電話すると、母(パティ・ルポーン)が怪死したことを知らされる。ボーは何とか母のもとへ駆けつけようとするが、次々と予想外の奇妙な出来事に見舞われ、里帰りは奇想天外な旅となる。

 A24が製作し、『ヘレディタリー 継承』(18)『ミッドサマー』(19)の鬼才アリ・アスター監督とホアキン・フェニックスがタッグを組んだ、ブラックユーモアに満ちたスリラー。ひたすら情けないホアキンの姿も見どころの一つ。共演はネイサン・レイン、エイミー・ライアン、パーカー・ポージーほか。

 冒頭の出産シーンから不穏な空気が流れ、その後も、これは現実なのか、それともボーの妄想や悪夢なのかと判別に苦しむような、シュールなシーンが続く。しかも3時間! 時折笑わされながらも、同時に戸惑いや居心地の悪さを覚えるのだが、「この後の展開はどうなる」「一体どう決着をつけるのか」といった好奇心が湧いて、結局最後まで見てしまうという摩訶不思議な映画。
 
 大筋は母と息子のトラウマを巡る一種の心理劇で、シュールなシーンの連続はこけおどしの極致という感じもする。キャッチコピーは「ママ、きがへんになりそうです」だが、見ているこちらも気が変になる? 一体どうすればこんな表現を思い付くのか、アスター監督の頭の中をのぞいてみたい。

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「BSシネマ」『シャレード』

2024-02-13 07:16:32 | ブラウン管の映画館

『シャレード』(63)

ヒッチコック色を強く感じさせる
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/d7de7968bc08113769bc3f4fa008d80d

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