『オーシャンズ11』(01)
ダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)率いる11人の犯罪スペシャリスト集団が、ラスベガス三大カジノの金庫室にある1億6000万ドル以上の現金を狙う。
(2005.1.16.)
地上波初放送ということで『オーシャンズ11』を再見。うーん、スティーブン・ソダーバーグはコメディーが撮りたかったのか、ピカレスク(犯罪)・ロマンが撮りたかったのか…。何とも中途半端な印象を受ける。映像処理や音楽の懲り方もかえって逆効果な感じがする。
それからこういうドラマの面白さは面々が集まってくるところにあるのだがそれも弱い。で、オリジナルの『オーシャンと十一人の仲間』(60)やら『スティング』(74)の面白さを思い出してしまうのは古いのか? いやいやなんでも新しいものがいいというわけでもあるまい。
共同通信エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』
今週は
投資や株のことがあまり分からなくても楽しめる『ダム・マネー ウォール街を狙え!』
小児がんの少女がまいた種とは『神さま待って!お花が咲くから』
詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1421192
『折れた槍』(54)
1880年代のアメリカ南西部。大牧場主のマット(スペンサー・トレイシー)には、先妻との間に生まれた3人の息子(リチャード・ウィドマーク、ヒュー・オブライエン、アール・ホリマン)と、今の妻であるインディアン女性(ケテイ・フラド)との息子ジョー(ロバート・ワグナー)がいた。
あるとき、銅の精錬所から流れ出た鉱毒のため、マットの牛が大量に死ぬ事件が起き、抗議の果ての銃撃戦によってマット側は精錬所に訴えられ、父をかばってジョーが入獄。そしてマットは、農場の一部を精錬所に売ろうと図る息子たちにそむかれ、病床につく…。
ジョセフ・L・マンキーウィッツ監督、フィリップ・ヨーダン脚本の『他人の家』(49)を、エドワード・ドミトリク監督が西部劇としてリメーク。ヨーダンはこの映画でアカデミー賞の原案賞を受賞している。だから、この映画は西部劇というよりも家庭劇と言った方がすっきりする。
ドミトリクは、西部劇ではこの映画のほかにも、『ワーロック』(59)と『シャラコ』(68)を撮っているが、どれも一風変わった西部劇で、うがった見方をすれば、自身の赤狩り体験が、彼の映画を総じて暗く屈折したものにしているのではないかとも思える。
また、同じくドミトリク、トレイシー、ワグナーには、山岳映画『山』(56)がある。あの映画では、山岳ガイドを演じたトレイシーとワグナーは兄弟役だった。
出演俳優たちの当時の年齢を調べてみた。スペンサー・トレイシー54歳、リチャード・ウィドマーク40歳、E・G・マーシャル40歳、ケティ・フラド30歳、ヒュー・オブライエン29歳、ジーン・ピータース28歳、アール・ホリマン26歳、ロバート・ワグナー24歳となる。
この映画でメキシコ人女優としては初めてアカデミー助演女優賞にノミネートされたフラドが、この時まだ30歳だったとは驚いた。
ケティ・フラド生誕94周年
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/f57fa70286046026e2f572f24633661e