田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『神々の山嶺』

2022-05-23 09:35:51 | 新作映画を見てみた

『神々の山嶺』(2022.5.22.オンライン試写)

 原作・夢枕獏、作画・谷口ジローの漫画をフランスでアニメーション映画化。セザール賞でアニメーション映画賞を受賞したらしい。

 山岳カメラマンの深町は、ネパールのカトマンズで、イギリスの登山家マロリーが残した謎を解く可能性を秘めた古いカメラを、孤高のクライマー羽生が手に入れた現場に遭遇する。深町はマロリーと羽生について調べ始め、羽生の行方を追うが…。

 マロリーとは、「なぜエベレストに登るのか?」と聞かれ、「そこに山があるから」と答えた有名な登山家。1924年、3度目のエベレスト登山中に行方不明となるが、それが登頂後の遭難だったのか、登頂前に命を落としたのかは謎とされた。夢枕の原作は、その謎から想を得たのだろう。

 99年にマロリーの遺体が発見されたが、携帯していたカメラは見つからず、結局、登頂の成否は分からなかった。夢枕の原作が発表されたのは、94年から97年にかけてだというから、遺体発見の前だったことになる。

 ところで、実写版の映画『エヴェレスト 神々の山嶺』(16)は、ひどい出来で、特に、ラストは決して笑うような場面ではないのに、思わず失笑してしまうほどだった。それに比べれば、このフランス製アニメはよく出来ているというべきなのかもしれない。

『エヴェレスト 神々の山嶺』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/e6f0c8952ffc57305a6280946b9fe243

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「BSシネマ」『アンタッチャブル』

2022-05-23 06:31:49 | ブラウン管の映画館

『アンタッチャブル』(87)

「午後のロードショー」
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/cbc76d4cbc0ece6aafe5e125a26ad4f8

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「ザ・シネマ」『ワイルド・アパッチ』

2022-05-22 21:15:20 | ブラウン管の映画館

『ワイルド・アパッチ』(72)

  1880年、アリゾナのインディアン保留地からアパッチ族の戦士ウルザナ(ホワキン・マルティネス)らが脱走。若く経験の浅いデブリン中尉(ブルース・デーブソン)率いる騎兵隊小隊は、ベテラン斥候のマッキントッシュ(バート・ランカスター)を補佐に、その討伐へ向かう。

 追跡隊が出発して間もなく、デブリンはウルザナたちに襲われた農民一家のむごたらしい最期を目の当たりにし、アパッチ族を憎むようになる。

 『アパッチ』(54)『ヴェラクルス』(54)でもコンビを組んだロバート・アルドリッチ監督とランカスターが、実際にアリゾナで起きた事件を基に描いた西部劇で原題は「Ulzana's Raid(ウルザナの奇襲)」。

 脚本はアラン・シャープ。撮影はジョセフ・バイロック。岩場などが印象的な風景を舞台に、騎兵隊の小隊がウルザナ一味を追跡する様子を描くロードムービーともいえる。

 『アパッチ』で怒れるインディアンを演じたランカスターが、この映画では、達観したようなベテラン斥候を滋味たっぷりに演じているところに、時代の変化を感じさせる。

 また、ベトナム戦争の影響が色濃く反映され、若いデブリン中尉の葛藤に加えて、追跡隊に加わったアパッチ族のケニティ(ホルヘ・リューク)という複雑なキャラクターを登場させて、それぞれの立場から見た戦いの定義に疑問を投げ掛ける。軍曹役のリチャード・ジェッケルがなかなかいい味を出していた。

『アパッチ』(54)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/02f82eaa4cd71dd1b2be838046d452ef

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『サマーフィルムにのって』(日本映画専門チャンネル)

2022-05-22 10:17:03 | ブラウン管の映画館

『サマーフィルムにのって』(20)

 久しぶりに再見。改めて大林宣彦の影響を強く感じた。

『サマーフィルムにのって』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/bca640aef57b04fde275e2cbecbbfcbf

【インタビュー】『サマーフィルムにのって』河合優実、祷キララ
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/82522b321396c4d632b983a261ad5dca

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世界サブカルチャー史 欲望の系譜 「アメリカ 闘争の60s」

2022-05-21 17:29:53 | 映画いろいろ

 映画を中心に、流行、社会風俗、サブカルチャーなどから時代の欲望を読み解くドキュメンタリーシリーズ。語りは玉木宏。第2回は、東西冷戦、キューバ危機、ベトナム戦争、公民権運動、ジェネレーションギャップなどを背景に、激動のカウンターカルチャーの時代を描く1960年代編。

 登場する主な映画やドラマは

 『アラモ』(60)『サイコ』(60)『ウエスト・サイド物語』(61)『ティファニーで朝食を』(61)「ベン・ケーシー」(61~66)『アラバマ物語』(62)『博士の異常な愛情…』(64)『サウンド・オブ・ミュージック』(65)『俺たちに明日はない』(67)『卒業』(67)『猿の惑星』(68)『真夜中のカーボーイ』(69)…。

 そして、ジョン・F・ケネディ、マーティン・ルーサー・キング、ザ・ビートルズ、ボブ・ディラン、サイモン&ガーファンクル、モハメド・アリ…。

世界サブカルチャー史 欲望の系譜「アメリカ 理想の50s」
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/c44e2f0a255d590793cad4e3acf74415

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『峠 最後のサムライ』

2022-05-21 07:10:56 | 新作映画を見てみた

『峠 最後のサムライ』(2021.5.1.オンライン試写)

役所広司がどんどん三船敏郎化している

 幕末の動乱にあって、旧幕府側、新政府側のどちらに属することなく、中立と独立を目指した越後長岡藩牧野家の家老・河井継之助(役所広司)の闘いを描く。

 司馬遼太郎の『峠』を小泉堯史監督が映画化。河井の“最後の1年”に話を絞って描いている。いわゆる官軍との北越戦争での河井の姿勢については、己の理想のために藩を巻き込んだとする、批判的な意見もあるようだが、先見の明やグローバルな視点を持ちながら敗れていった悲劇の人とする向きもある。

 この映画は、サブタイトルからも分かるように、後者の視点から描いているが、意外とサラリと描いているため、感動は薄いという印象を抱かされた。

 河井については、大河ドラマ「花神」(77)で高橋英樹が演じた役の印象が強い。今回の役所も力演しているが、何だか気張り過ぎて、三船敏郎と同じ役をやった『聯合艦隊司令長官 山本五十六』(11)『日本のいちばん長い日』(15)にも増して、三船敏郎化しているような気もした。

*コロナ禍で公開は来年に延期となった。→6月17日公開

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「金曜ロードショー」『ショーシャンクの空に』

2022-05-20 22:20:53 | ブラウン管の映画館

『ショーシャンクの空に』(95)

希望を失わない心が大切と説く
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/eccce676044049d37ddf4ff90487e7ab

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【ほぼ週刊映画コラム】『大河への道』『ハケンアニメ!』

2022-05-19 07:01:42 | ほぼ週刊映画コラム

共同通信エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は
創作活動に共通する苦悩や喜び、そして熱気を描いた
『大河への道』『ハケンアニメ!』



詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/?p=1330232&preview=true

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『極主夫道 ザ・シネマ』

2022-05-18 16:45:33 | 新作映画を見てみた

『極主夫道 ザ・シネマ』(2022.4.17.オンライン試写)

 最強の主夫力であらゆる家事をこなし、ご近所トラブルを解決してきた元極道の龍(玉木宏)が、今回は、保育園を狙う極悪地上げ屋と対峙することになる。おおのこうすけによる同名コミックを、ドラマに続いて映画化。

 龍の妻・美久(川口春奈)、元舎弟の雅(志尊淳)、元組長夫妻(竹中直人、稲森いずみ)、元武闘派やくざで現在はクレープ屋の虎二郎(滝藤賢一)らのレギュラー陣に、イタリアかぶれの極悪地上げ屋(吉田鋼太郎)、虎二郎の妹で元レディースの総長(松本まりか)、ドスの効いた保育士(安達祐実)など癖が強過ぎる面々が絡む。

 くだらないこと極まりないが、アイデアとしては面白い。ただ、映画版で気合が入り過ぎたのか、大げさで不要と思われる描写やギャグの不発が目立ったところが残念だった。

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井上勝像(東京駅)

2022-05-18 12:10:16 | 雄二旅日記

 東京駅前に立つ巨大な銅像は、明治初年に初代鉄道頭となり、鉄道の父と呼ばれた井上勝のもの。

 戦前に東京駅の駅舎とともに建てられた初代は、1914年、本山白雲(高村光雲の弟子)が原型を作り、台座は駅舎を設計した辰野金吾作だったらしいが、現在ある二代目の銅像の作者は朝倉文夫。

 井上の墓は、品川駅を過ぎ、ちょうど東海道新幹線、東海道本線、山手線などが分岐する辺りの、北品川・東海寺大山墓地にある。生前、井上本人がこの地を墓所に選んだのは、死後も鉄道を見守っていたいという意向からだという。

 幕末、横浜港から英国へ密出国した長州の5人の若者を描いた『長州ファイブ』(06)では、野村弥吉(後の井上勝)を山下徹大が演じた。

朝倉彫塑館
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/7a6fb5d853f82937300b43f37b5330a6

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