葛の花
甘くて良い香りがします。
延ふ葛の はふくずの
絶えず偲はむ たえずしのはむ
大君の おおきみの
見しし野辺には めししのべには
標結ふべしも しめゆふべしも
大伴家持 万葉集巻二十 4509
歌意
延い広がる葛のように、絶えることなくお慕い申し上げましょう。
我が大君のご覧になられたこの野辺には、しめ縄を張って置かなければならないよ
葛は万葉集の時代から、ずっと同じように野辺に自生して、延々と伸びて、秋にはかぐわしい香りの花を大きな葉の下に咲かせている。
時代を経ても品種改良される訳でもなく、ひっそりと咲く野辺の花です。