「それを何回使いますか」と聞かれて沢山と答えられるものは大したものではないと思う。
着る回数が多いのは普段着の安物。
本当に大切な物は普段は着ない。
例えば花嫁衣装。
何回も白無垢を着る人もいるようですが、本来一生に一度きりしか着ないものです。
留袖も然り。
晴れ着とは良く言ったものです。
現代は晴れ着も下着も区別のつかないような薄っぺらいファッションが流行して、老いも若きもみんな似たような格好をしている。
いわばコンビニファッション。
食べ物もお正月やお祭り、お祝い事などの特別な日にしか食べられなかったお刺身やお寿司なども手軽に食べられるようになった。
具まで自分で煮たチラシ寿司など作る人はめったにいないと思う。
子供の為にセーターを編んだり、晴れ着を縫ったり、
手間暇掛ける人が減ったのは時代の流れ。
母が私の嫁入り用にぽつぽつ縫ってくれた着物を手入れしながら、
まだ一度しか袖を通していないと感慨深い。
使わなくても大切な物はある。
津波の避難ビル。
何回も使うようでは、大変だ。
何回使うかよりも何に使うかだ。