夢見るタンポポおばさん

富士山麓の風景、花の写真。エッセイ。

槿(むくげ)

2012-07-21 22:12:54 | 日記・エッセイ・コラム

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槿

純白の槿の花。

我が家の庭の片隅で小さく刈り込まれていましたが、庭の天地返しの時に思い切って山の畑に移植しました。

私の心配をよそに、伸び伸びと育って今年は素晴らしい花を咲かせています。

純白の衣装を着けた花嫁さんのようです。

上品で儚くて私のお気に入りの花の一つです。

花言葉は『信念』です。

古典文学にも沢山登場する美しい花です。

          雨はれて心すがしくなりにけり

          窓より見ゆる白木槿(しろむくげ)の花

                               斎藤茂吉 第二歌集    あらたま


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それがしもその日暮らしぞ花木槿

               小林一茶


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道のべの木槿(もくきん)は馬にくはれけり

                松尾芭蕉  野ざらし紀行      貞亨元年   (1684)


歓迎されないもの

2012-07-21 00:06:00 | 日記・エッセイ・コラム

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電線に止まっているのはヒヨ鳥の家族。

我が家の樋と屋根の間が実家の十何代目かの由緒ある一族です。

初めて巣作りをしたのは、息子達がまだ小学生の頃でした。

その後に起きる諸々の大変な事態も考えずに、単純に

「可愛いね」などと言って喜んでいたのです。

子供の頃、実家の中座敷の梁に燕が巣を作ると畳の上に新聞紙を敷いて、障子を開け放して、燕の巣作りを歓迎していましたので、外なら構わないと楽観視していました。

ところが、燕とヒヨ鳥とは全然違っていました。

鳴き声はうるさいだけの雑音で、性格はとても意地悪で他の小鳥たちの餌を横取りしてしまいます。

植物の実は勿論、花も蕾もやっと生えた芽や蒔いた種迄ほじくり返して食べ尽くす傍若無人のやりたい放題。

糞で家の外壁だけで無くカーポートの屋根、車、洗濯物迄汚れる始末。

ゴミを漁る都会のカラスの群れのようです。

プロに頼んで、鳥除けのネットも張って貰いましたが、たいした効果はありませんでした。

親鳥は以前は近くの林の中に潜んでいましたが、

最近は図々しく電線に止まって巣の中の小鳥を見守っています。

トマトや木の実がもうチョットで食べ頃と言う時に汚らしくつついてあります。

本当に歓迎されないものです。

退治方法等良い知恵を教えて頂けませんでしょうか?

宜しくお願い致します。


夏に見たもの

2012-07-19 21:34:29 | 日記・エッセイ・コラム

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五十年以上前の小学校の夏休み。

故郷の家にもダリアの花が咲いていました。

散歩道で見つけた夏の景色。

揚羽蝶。山百合の蕾。青空とトウモロコシ畑。栗の実。

(当時は貴重だったカメラで撮影しました。)

庭でも向日葵、鳳仙花、白粉花、朝顔、等の懐かしい花々を育てています。

カボチャ、茄子、トマト等の古くからの野菜も毎年育てます。

成長して花が咲き、実がなるのが楽しみなのです。

典型的な植物が子供の頃と変わらないと安心します。

10才の小学生の私は半世紀を経て、六人の孫のお婆さんになりました。

昔のことを思い出して懐かしく思うのは、年を取った証でしょうか?


廃屋の庭に咲く花

2012-07-18 21:37:53 | 日記・エッセイ・コラム

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暑さを避けてホンの少し辺鄙な場所をセニアカーで散歩しました。

以前は住人の居た廃屋の庭先にクチナシの花が私に存在を知らせるかのように香っていました。

純白の花はこの家が家族の笑い声で賑やかだった時を経てこんなに美しく花開きましたが、文字通り何も語りません。

老夫婦が相次いで亡くなったお宅の夏椿もお爺ちゃんの新盆を前に見事な花を咲かせていました。

主を失った花が何時も以上に綺麗に咲くのは、世話をしてくれる人がいなくなったから、しっかりしなくちゃいけないと言う花の気持ちの現れかしら??