どれだけ真面目に仕事をしていて、
どれだけ真剣に仕事に取り組んでいたとしても、
必ずトラブルは発生します。
その理由は、仕事はチームで行うからです。
自分は完璧に仕事をしていたとしても、
メンバーがミスすることもあれば、
お客様がミスをしてしまい、
そのお客様のフォローのために動かなくてはならないこともあるでしょう。
とにかく、圧倒的な仕事の量をこなしていれば、
トラブルに巻き込まれることは定期的に起こります。
その時に重要なのは、交渉力です。
トラブルが発生した時に、よくあるケースとして、
「お金、払わないぞ!」
「支払、とめるぞ!」
というものがあります。
住宅会社さんがお施主様に言われる。
販売店様が工務店様に言われる。
メーカーが販売店様や工務店様に言われる。
私、メーカーの営業マン時代に、転勤して間もなく、
北海道のある町の町営住宅の物件で、
前任担当者が納材した建具でクレームが発生したとのことで、
とりあえず現場に急いで行って欲しい、と販売店様に依頼され、
朝、6時に家を出て、3時間かけて現場に向かいました。
現場に着くと、たちの悪そうな工務店さんの監督と経営者が既に居て、
一方的に商品に対する文句と、これではお金を払えないということ、
更にはすぐに商品を交換しろ、ということを大声で主張してきました。
その言い方があまりに品が無く、威圧的だったので、
私、死んだ魚の目をしながら、聞き流していました。
先方いわく、商品を無償交換しろ、ということでした。
ただ、現場で枠の対角を測ったりしたところ、
工務店さん側の施工が悪いので建具がしっかりと閉まらないと
私自身、すぐに分かりました。
ただ、相手が感情的なので、正論を言ったところで納得しないと判断し、
次のような交渉をしました。
1.あなたたちが言っていることは理解できました。
2.ただ、原因が商品にあるのか、施工精度にあるのか、現時点では分からない
3.後日、精密に寸法を測れる機械を持って、アフター担当者が検査をします。
そして、当社の商品に問題がある場合、無償で交換させていただきます、
ただ、施工に問題がある場合は、新たに商品を購入していただかなくてはならない。
その旨をご理解いただけないと、私としても動けない。
ということを伝え、納得していただきました。
相手に条件を納得していただいた上で、
しかも後日、相手が冷静になったところで、客観的な事実をお伝えしたところ、
相手も納得してくれた上で、こちらも誠心誠意、対応させていただき、
無事、解決し、販売店様からも評価をしていただけました。
もちろん、相手が納得してくれなければ、
裁判を起こしてでも正義を貫くつもりでしたが・・・。
トラブルが起こった時、まずは相手が感情的になっていると、
正論や正しい現実すら、もめごとの要因になります。
なので、
「こういう場合だったら、こうなります。
こういうケースなら、このような対応をさせていただきます。
よろしいですか?」
というような交渉力が必要になるのです。
そもそも、仕事を真剣にやっていれば、トラブルはつきもの。
それは、人間は自分の物差しで判断するからです。
トラブルの時こそ、交渉が大事なのです。
皆さんは交渉力がありますか?