
各地で秋の味覚が特産品として出荷が盛んだ。柿と栗と松茸のニュースが多い。選果場のコンベヤーを流れるそれらは、色も艶も形もいいものが画面からあふれ出る。夏場の暑さで美味しく育ったと説明がついている。
錦川沿の特産品で栗がある。名前を「岸根栗(がんねくり)」という。命名のいわれは地名をそのまま名づけ品種登録されている。この栗は他に類似品のない優良品種として、国の奨励品種とされている。
1180年の頃、平家の落人が岸根の地区に城を築き武術鍛錬をしたと言われる。その一族の中に接木の心得のあるものがおり、隣地の栗谷に1本あった大栗の木から芽を取寄せ添え木して作り始めた、と説いてある。栗谷の大栗の木はその後絶えたという。
この栗は重さ70~80グラム、大きなサイズだと7センチほどもあるという。主として京都や大阪の市場に出荷されるという。「贈答品には最高」と聞いているが、恥ずかしい話し食した事は無い。
食の安全が叫ばれて久しい。「白の次は赤だった」と揶揄されるように現状は老舗を含め寂しい実情だ。輸入食品には気を使っている。自然の中で育った岸根栗にはその心配は要らない。国内に出回る食品が心配なく手に出来るのはいつになるのか。
(写真:美味そうだが造果の柿)