
シラサギが10数羽、錦帯橋すぐ下流の瀬にいる。これだけ群れているのは初めて目にする光景。これは絵ならぬ写真になる、と思うがそばに近づくには時間がない。手持ちのカメラを目いっぱアップにして撮る。古い人間でしょうか、撮りながらあの歌が浮かんだ。
「白鷺は 小首かしげて 水の中
わたしと おまえは エー それそれ そじゃないか
アア チイチク パアチク 深い仲」
シラサギが多数集まっての営巣地を見たことがある。そこは市街地と接する小山、見上げれば営巣の様子がはっきりわかり、こんな近場でと驚いた。そんなシラサギだからか、婦人帽の飾り羽として高価に売買されるなどして、絶滅に近い状態になった時代があったという。採集が禁じられ、今は普通に見れるようになってよかった。
ここ錦川にはあの漁協の人もいらつく川鵜がいる。錦帯橋から1キロほど下流にその営巣の竹林がある。アユ魚の最盛期に川鵜の集団が水中にいるのを見た。長い時間の潜りからして、鵜飼のように飲み込を邪魔されることなく食しているのがわかる。鵜飼の鵜は海鵜で違いはあるが。
シラサギは水面下の魚を巧みに捕える。ゆっくろ水面を乱すことなく狙った餌魚に近づき、一瞬の早業で口ばしでくわえあげる。そんな漁獲技を我が家の池で披露され、鯉が全滅したことがある。勿論のこと追い払った。シラサギもどこに登場するかで喜ばれたり好かれたり、はたまた追われたりと、人の世となんとなく似ていると思い苦笑する。