
毎年8月第1土曜日は「錦川水の祭典」、通称は名勝・錦帯橋の花火大会で今年は52回目という。錦川は錦帯橋の架かる川で、市内北部中国山脈の麓から100㌔余下って瀬戸内海へ注ぐ。市民生活には欠かせない錦川に感謝をする一日になる。その締めは花火、日暮れから始まるが、昼間は子供向けのイベントや郷土芸能の披露がある。この日のために帰省する家族も多いとか。
「6千発の花火が夏の夜空を彩ります。ぜひ遊びに来てください」と呼びかけている。そんなこともあり場所取りには苦労されている。2、3日前からブルーシートがあちこちに登場する。錦帯橋下流に掛かる長さ200㍍の臥龍橋の歩道には写真の様に隙間なく場所取りを示すブルーシートが巻き付けてある。打上げ場所は橋のすぐ上流の川原、遠景には錦帯橋が見える。でも、歩道を占拠してもいいのだろうか。
そんなことを家内と話していて、現役のころの懐かしい話になった。当時は別のところに住んでいた。花火の日、職場の女子社員など10名近く夕方やって来る。全員がわが家で浴衣に着替えて花火見物にいく。終わると家内が準備した冷たい飲み物や食べ物を気持ちよさそうに口に運ぶ。そんなことが何年か続いたが、娘のいない我が家の楽しみだった。
いま住んでいるの所に引っ越した頃は庭から打ちあがった花火が見え、家にいながらの見物だった。ひと息遅れの打ち上げや炸裂音が一味違う趣だと勝手に決めていた。最近は近くに新築が増えわが家からは見えなくなりもっぱら有線TVで見物している。こちらも音はひと息遅れが楽しい。猛暑の川原で準備した花火師の結晶がもうすぐ夜空を飾る。