夏に咲き、冬は枯れて姿を消す。その夏に鮮やかな色合いで楽しませてくれる花にケイトウがある。祖母が手入れし、花畑に咲かせていたことを覚えている。それは、ニワトリのトサカ(鶏冠)に似ていて、濃い赤黒いような色合いだったように記憶している。朝顔やホウズキなどと競い合っていたようにも思う。
何年か前になるが小さなケイトウの苗を買って育てた。それからのちは、枯れて地に落ちた種から翌春にのぞく芽を鉢に移して楽しんでいる。今年も同じことを繰り返しているが、芽が2㌢くらい伸びたくらいから小さな小さな花がつき始めた。当初は別物かと観察していたが、心配をよそに立派なケイトウに成長しそうだ。
今は10㌢ほどの背丈となり、ほかの20本ほどと初夏の日を受けている。花好きの家内もこんなに早く花をつけるとはとよろこんでいる。購入したケイトウの花穂は鶏冠状ではなく筆状で、鶏冠に比べると優しい姿をしている。今年の夏にはどんなに賑わいを見せてくれるだろう。
ケイトウは熱帯アジア原産で、日本へは奈良時代に中国を経て渡来した1年草。「おしゃれ、気取り屋、個性」は、堂々とした雄鶏を連想してつけられた花言葉。「風変り」は花言葉の個性から生まれた風変わりな形に由来した花言葉。「色あせぬ恋」、これはドライフラワーにしても色あせない特徴からの花言葉。咲きつつある花穂にはどれが似合うか、花が終わるまでお預けとしよう。
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