戸澤萌生(とざわもえみ)さんは劇団の最年少の女優です。
彼女はついこのあいだ、二十歳になったばかりです。
劇団のみんなからは「もえ」と呼ばれています。

二十歳というとすごく若いという感じがするのですが、一緒に仕事をしているとそんなことはほとんど感じることはありませんでした。
彼女は今回、小道具班のサブチーフを任されているのですが、ぼくは劇団に入って初めての小道具係ということで、彼女の指示にしたがいながら毎日作業をしています。
もえさんはとてもしっかりしていて責任感もあります。
それから、もえさんはこの芝居でとても重要な役割を演じています。
それは、チャンゴの演奏です。
チャンゴというのは韓国の伝統的な打楽器(太鼓)です。
彼女は物語のところどころに登場し、太鼓のリズムを奏でます。
チャンゴは大きな鼓のような楽器で、それを首にぶら下げ、両面(両手)を使って太鼓のリズムを奏でます。
かなり難しそうです。
午前中に会議をしていると、下(稽古場)からチャンゴのリズムがかすかに響いてきます。
彼女は朝、小道具の買い出しに行き、その足でみんなより早く稽古場に来てチャンゴを練習していたのだと思います。
じぶんから進んで大変な仕事を引き受け、当たり前のようにひとりで努力をしている彼女の姿はとても輝いて見えます。

それから以前、こんなこともありました。
『消えた海賊』の旅公演の前々日の夜に、出演者から体調不良で出演できないという連絡を受けました。
しかし稽古はあと1日を残すのみでした。
その稽古の終了後には舞台をバラして旅の荷物を準備し、トラックに荷物を積むところまでやらなければいけませんでした。
稽古時間はかなり限られていました。翌日の朝には出発し、仕込みをして昼の本番を迎えなければならないためです。
1名欠員で稽古をし、なんとか本番を迎えるしかない、そう思ったその時、演出のぼくはひらめき、そして決断しました、研究生のもえさんに出演を依頼してみようと。
なぜならば、彼女は演出助手であり、文化庁が主催する観客参加型の『消えた海賊』旅公演にも裏方で参加していたこともあり、歌も芝居もよく知っていたからです。
しかし、彼女はまだ研究生です。
覚える台詞こそ多くはありませんでしたが、舞台上にはずっと居続けなければならない役でした。
ダンスも多くありました。
ぼくが稽古場でそれを発表すると、出演者たちから驚きと不安の声が上がりました。
しかし、彼女は首を縦に振り、そして見事に本番をやってのけたのです。
肝っ玉の座り方もなかなかのようです。

ぼくたちの劇団は、集団のなかで人間が成長していくことを大切にしています。
お互いの変化を共に感じ合い見守りながら共に切磋琢磨し、一つの群れをなしながら、大きな夢をみんなで描いていくのです。
もえさんのようにキラキラ輝く若い劇団員がこれからもどんどん入団し、劇団に新しい風を吹き込んでくるれることを心から祈ります。
戸澤萌生さんのこれからの活躍をどうぞご期待ください。
(公家義徳)
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東京演劇アンサンブル創立70年記念公演Ⅲ
白い輪、あるいは祈り
〜『コーカサスの白墨の輪』(ベルトルト・ブレヒト)より〜
鄭義信/作・演出
2025年
3/19 (水) 19:00
3/20 (木) 14:00/19:00★
3/21 (金) 14:00/19:00
3/22 (土) 14:00/19:00★
3/23 (日) 14:00
※★=Low Price Day
チケット(全席自由)
前売一般/4,300円
前売U30/3,300円
ペア/8,000円
Low Price Day/3,000円
当日/4,800円
お申し込みはこちら
スタッフ
脚本・演出/鄭義信
音楽/久米大作
舞台美術/池田ともゆき
衣裳/木場絵里香
照明/増田隆芳
音響/藤田赤目
振付/広崎うらん
擬闘/栗原直樹
メイク/高村マドカ
歌唱指導/吉村安見子
舞台監督/三木元太
宣伝美術/小田善久 伊波二郎
制作/太田昭 小森明子
出演
アツダク/洪美玉
グルシェ/永野愛理
シモン/雨宮大夢
浅井純彦
菊地柾宏
公家義徳
志賀澤子
鈴木貴絵
竹内茉由架
戸澤萌生
永濱渉
奈須弘子
林亜里子
原口久美子
彦坂紗里奈
福井奏美
細谷巧
町田聡子
真野季節
三木元太
出演予定だった二宮聡ですが、
体調不良のため降板となりました。
公演HP
彼女はついこのあいだ、二十歳になったばかりです。
劇団のみんなからは「もえ」と呼ばれています。

二十歳というとすごく若いという感じがするのですが、一緒に仕事をしているとそんなことはほとんど感じることはありませんでした。
彼女は今回、小道具班のサブチーフを任されているのですが、ぼくは劇団に入って初めての小道具係ということで、彼女の指示にしたがいながら毎日作業をしています。
もえさんはとてもしっかりしていて責任感もあります。
それから、もえさんはこの芝居でとても重要な役割を演じています。
それは、チャンゴの演奏です。
チャンゴというのは韓国の伝統的な打楽器(太鼓)です。
彼女は物語のところどころに登場し、太鼓のリズムを奏でます。
チャンゴは大きな鼓のような楽器で、それを首にぶら下げ、両面(両手)を使って太鼓のリズムを奏でます。
かなり難しそうです。
午前中に会議をしていると、下(稽古場)からチャンゴのリズムがかすかに響いてきます。
彼女は朝、小道具の買い出しに行き、その足でみんなより早く稽古場に来てチャンゴを練習していたのだと思います。
じぶんから進んで大変な仕事を引き受け、当たり前のようにひとりで努力をしている彼女の姿はとても輝いて見えます。

それから以前、こんなこともありました。
『消えた海賊』の旅公演の前々日の夜に、出演者から体調不良で出演できないという連絡を受けました。
しかし稽古はあと1日を残すのみでした。
その稽古の終了後には舞台をバラして旅の荷物を準備し、トラックに荷物を積むところまでやらなければいけませんでした。
稽古時間はかなり限られていました。翌日の朝には出発し、仕込みをして昼の本番を迎えなければならないためです。
1名欠員で稽古をし、なんとか本番を迎えるしかない、そう思ったその時、演出のぼくはひらめき、そして決断しました、研究生のもえさんに出演を依頼してみようと。
なぜならば、彼女は演出助手であり、文化庁が主催する観客参加型の『消えた海賊』旅公演にも裏方で参加していたこともあり、歌も芝居もよく知っていたからです。
しかし、彼女はまだ研究生です。
覚える台詞こそ多くはありませんでしたが、舞台上にはずっと居続けなければならない役でした。
ダンスも多くありました。
ぼくが稽古場でそれを発表すると、出演者たちから驚きと不安の声が上がりました。
しかし、彼女は首を縦に振り、そして見事に本番をやってのけたのです。
肝っ玉の座り方もなかなかのようです。

ぼくたちの劇団は、集団のなかで人間が成長していくことを大切にしています。
お互いの変化を共に感じ合い見守りながら共に切磋琢磨し、一つの群れをなしながら、大きな夢をみんなで描いていくのです。
もえさんのようにキラキラ輝く若い劇団員がこれからもどんどん入団し、劇団に新しい風を吹き込んでくるれることを心から祈ります。
戸澤萌生さんのこれからの活躍をどうぞご期待ください。
(公家義徳)
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東京演劇アンサンブル創立70年記念公演Ⅲ
白い輪、あるいは祈り
〜『コーカサスの白墨の輪』(ベルトルト・ブレヒト)より〜
鄭義信/作・演出
2025年
3/19 (水) 19:00
3/20 (木) 14:00/19:00★
3/21 (金) 14:00/19:00
3/22 (土) 14:00/19:00★
3/23 (日) 14:00
※★=Low Price Day
チケット(全席自由)
前売一般/4,300円
前売U30/3,300円
ペア/8,000円
Low Price Day/3,000円
当日/4,800円
お申し込みはこちら
スタッフ
脚本・演出/鄭義信
音楽/久米大作
舞台美術/池田ともゆき
衣裳/木場絵里香
照明/増田隆芳
音響/藤田赤目
振付/広崎うらん
擬闘/栗原直樹
メイク/高村マドカ
歌唱指導/吉村安見子
舞台監督/三木元太
宣伝美術/小田善久 伊波二郎
制作/太田昭 小森明子
出演
アツダク/洪美玉
グルシェ/永野愛理
シモン/雨宮大夢
浅井純彦
菊地柾宏
公家義徳
志賀澤子
鈴木貴絵
竹内茉由架
戸澤萌生
永濱渉
奈須弘子
林亜里子
原口久美子
彦坂紗里奈
福井奏美
細谷巧
町田聡子
真野季節
三木元太
出演予定だった二宮聡ですが、
体調不良のため降板となりました。
公演HP