a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

アフタートークのご案内

2020-02-28 17:06:20 | 稽古場ブログ
東京演劇アンサンブル公演
『揺れる』
アフタートーク決定!!
安田純平さん (聞き手/公家義徳)
3月26日(木)19時開演の回終演後30分ほど

安田純平 Yasuda Jumpei (撮影:阿久津和宏)
1974年、埼玉県出身。一橋大学社会学部卒業後、信濃毎日新聞に入社。03年に退社しフリーに。イラク、シリア、アフガニスタン、東南アジアなどの取材を行う。04年、イラクを取材中、現地人にスパイ容疑で拘束されるが何も要求なく3日で解放。07-08年、民間人が戦争を支えている実態を取材するため、イラク軍関連施設などで料理人として働き「ルポ 戦場出稼ぎ労働者」(集英社新書)を著す。12年、シリア内戦取材を報道番組で発表。15年、シリアで武装勢力に拘束され、18年、40カ月ぶりに解放。近著に「シリア拘束 安田純平の40か月」(ハーバー・ビジネス・オンライン)、共著「自己検証・危険地報道」(集英社新書)、共著「戦争取材と自己責任」(dZERO)


稽古場より

2020-02-26 21:18:18 | 稽古場ブログ


ドイツ演劇に取り組んでいて良くある事が日常の中に戯曲の言葉がポーンと飛び込んでくる事だ。それもごく自然に。当たり前のように。

三連勤の帰り道だとか、夜眠れなくて何度も寝返りをうっているときだとか、最近飼い始めたハムスターをぼけーっと眺めているときだとか。その瞬間、ふと「ああ、俺の話だ」と思う。




揺れるのは立場か、心か、環境か、夢か、現実か。いいや、全部揺れている気がする。









揺れている中で僕らは歩いている。

ああ、生きるのはしんどい。でも1番しんどいのは自分が世界のどこにも繋がっていないとき。情報は溺れるほど溢れてるけど、目に入るだけで手が届くものが1つもない。『すっぱい葡萄』なんてお話があったっけ。いっそのこと目を塞ぎたくなる。だけど心のどこかで分かっている、目を塞ぐともっとしんどくなるって事が。だから、なんとか食いしばって目を開きつづける。









目を開いて生きるのは大変。でもまだ目を開く気力のあるうちは開きつづけよう。本当に必要な何かを見つけるために。

頑張れ!おれ、きみ、あなた、ぼく、わたし!






以上、和田響きでした。

揺れるについて

2020-02-22 12:23:04 | 稽古場ブログ
稽古場からです。

こんにちは、小田勇輔です。

今、いろんな事を試しながら稽古を進めている状態です。
毎回ドイツの作品は、独特だなぁ!と肌で感じます。
今回の「揺れる」もその独特だなぁと感じてしまう作品のひとつです。

この作品のすごく面白い所は、役が無い所。というよりは、役名がない。と言った方が正しいのかもしれません。
ある意味、自由に作って良い作品だと思います。
毎回稽古では、前に進んだり、かと思えばまたまた振り出しに戻ったりと、まるで迷路に迷い込んだような気持ちにいつもなってしまいます。

物語にYouTubeやゲームにスマートホンが出てきます。
YouTubeやスマートホンが世の中に出てきてから、世界がガラッと変わった気がします。わからない事を調べたり、聴きたい音楽も聴ける。観たい映像や映画がみんなスマホで観られるなんて…ある意味世界を震撼させてるなぁスマホとYouTubeは。と思うのは僕だけでしょうか?


「揺れる」をドイツ語で言うとBebenと言います。「揺れる」と言う意味もありますが、元々は「震動」という意味だそうです。その意味を知ってから、この「揺れる」という作品の見方が変わりました。

これからどんな風な劇になっていくのか、楽しみであります。

3月25日から3月29日の舞台。

ご期待ください。


夢と現実

2020-02-18 10:14:03 | 稽古場ブログ

こんにちは、今回のブログ担当は奈須弘子です。

今年の稽古はこの『揺れる』から始まりました。

新しく作品に取り組む時、特に今回は、今まで過去の作品の中でできなかったことを取り戻すかのように、あの時のこれができなかったなーとか、あれはああだったのかなーとか、今の自分にはこれが足りないのかなーとか、

なんだかごちゃごちゃ感慨に耽りながら始めましたが、そんなものバンバン捨てられないと、始められないように感じる今日この頃(初日1ヶ月と1週間前)。

私は役者として経験したことはありませんが、きっと『走れメロス』をやっているような感覚-なりふりかまわずとにかく走る、全速力で、残りの体力考えず(笑)。
そこから生まれてくる真実の感情。
ただ言葉がそこにある。

俳優が演技することを拒否するような、“らしさ”を表現して見せようとしてしまう気持ちが少しでも混じってしまうと、嘘だろう、オイ!と脚本から突っ込まれそうな…


そして『揺れる』は、いつまでも謎だらけの脚本です。

夢なのか、現実なのか、
ゲームなのか、空想なのか、
現実はどれ? これはいつ?
そして誰?…

誰にもあてはまることで、誰にでもありうること、おこりうること。

でも読んでいて沸き上がってくる自分の感情が、嘘だろう、ソレ!と突き放されてしまう。
人びとは何を見るのか。


眼に飛び込んでくる活字からのイメージの強さ。

稽古の中で、ひとつの単語のイメージが日々変化していく。

ほんの短い会話のやり取りが急に色を変える。

昨日やったことは、もう今日には通用しないような。
もちろん、人間そんなに簡単に変化できるわけではないけれど、
しかし、誰かのたった一言の変化でガラリと流れが変わる可能性の高い言葉の並び。
なんともスリリングでライブな脚本。


先日、翻訳者である高橋文子さんが稽古場にいらっしゃって下さいました。

高橋さんに台詞の一部分をドイツ語で読んで頂きました。
私の中ではドイツ語は強い響きというイメージがありましたが、なんとも柔らかな響きでポエジーでした。美しかった。

私たち15人で奏でるハーモニーはどうなるでしょう?
劇場で一緒に体感して揺らして下さい!

「生きるとは、息をすること。存在すること、考えること。深く考えること。自分のこと、他人のことを。」

人類の夢と現実ー。
何故だか元気になる作品です。




揺らす

2020-02-14 18:17:41 | 稽古場ブログ

皆さんどうもこんにちは。今回のブログ担当は私、山﨑智子です。
今日は2月14日…そう、バレンタインデーですね皆さん。
女の子も男の子も恋心がそわそわと揺れる…そんな日ですね。
甘酸っぱい世界から少し身を引いて……絶賛稽古中の「揺れる」について私の思っていることや感じていることをぽつぽつ書いていこうかなと思います。



揺れる。
と聞いて、または目にして、思い浮かぶことは人それぞれ色々あるかなあと思います。風に揺れる木々だったり、波紋の揺れる水面だったり、恋心であったり…
揺れる。揺られる。揺さぶられる。揺らす。
これは自分一人ではどうにも発生しないことなのではないかなぁと思います。人であれ、無機物であれ、己以外の存在があって初めて揺れることが出来、揺らすことが出来るのではないかと。
今の稽古場は役者それぞれが揺れているように私には思います。変化しようと揺れている。心が揺れている。相手からの声や想いを受け取り揺さぶられようと。そうやってもがきながらその一言も聞き逃すことのないように。
感情を動かし、動かされることはとても疲れることだしとても大変なことだと思っています。怒ることも泣くことも笑うことも。そしてこれには誰かがいないと、もしくは何かが無いといけない。
他者との関係。
この本を読んでじわじわと感じること。
失くしてしまったもの、或いは欲しくて仕方のないものを手繰り寄せるような感覚。
それは漠然とした愛であったり、他者の存在であったり、過去であったり、そして未来であったり。
自分の世界に閉じこもって耳を塞いでいたら傷付くことはないのかもしれない。
でもそれではだめなんだよ、と包み込んでくるような本だと感じています。
外に出よう。
怖がらなくていい。
前に進もう。
手を繋ごう。
誰かと一緒に。
そんな声が聞こえるような気がします。
訳もなく涙が出ます。きっと訳はあるのだけど。
揺らされるままに心を揺らして、もっともっと。
お母さんのお腹の中にいた時のことは覚えていませんが、きっともしかしたらこんな安心感があったのかな、と。
愛の詰まった羊水の中でゆらゆらと。
慈しみ。
大丈夫。
一緒に生きていこう。
早く。
早く。
早く、生まれておいで。
そんな声が聞こえてくるような…




みんなで、探す

2020-02-10 18:59:44 | 稽古場ブログ
稽古場ブログ、今回はブログ係の私、雨宮大夢が書かせて頂きます!


さて、この『揺れる』という作品ですが、稽古期間はまもなく1ヶ月を越えます。



ト書も台詞の振り分けもなく、登場人物は何人でもいいという戯曲。
うちは15人でやるので、誰がどの台詞を言うかを全員で話しながら稽古してます。


台詞を割ってみて、読み稽古をして、仮立をして、また読み稽古に戻って、台詞を割り直して・・・の組み合わせ。


「ここはこの4人で割ってみて」「後半は皆で話し合って割ってみて」等、俳優がディスカッションして演出家・稽古場に提示することもしばしば。


少し違うけど、『ミラー』でやったデバイジングの稽古を思い出します。


共通してるのは、ほとんど皆出っぱなしだから毎日心身ともに疲れること。笑


先日劇団外の俳優・演出家の方と会う機会があり、今書いたこと等を話しました。

そうするとどの人も「面白そうだね、そして大変そうだね。でもそういう作品を本公演でやるっていうのは凄い。」と楽しみにしてる様子。


試してはやり直し、の繰り返しですが、段々とこの作品の大事なところや、今の自分たちにとって大事なところが見えてきました。


きっと俳優も演出家も、この作品に関わる人は全て「今の自分たち以上のもの」を獲得しないと掴めない、ということが分かっているんだと思います。


だから、稽古場で一人一人の一挙手一投足に集中してます。



僕のことで言えば、役の感情や動機、関係性を探っていく中で「じゃあお前はどうなんだ」と問いかけられているのを常に感じながら稽古しています。


あと1000字くらい書けそうなので、続きはパンフレットの文章に載せようと思います。笑


本番まではあと1ヶ月以上ありますが、どのような作品になるのか!

お楽しみを‼️




↑写真は出演者が持ち回りで行っているウォーミングアップ兼ワークショップ。


先週外部のワークショップに1週間参加させて頂いて、それを自分の劇団で試してみるとまた新たな発見がありました。





第19回 戯曲を読む会のご案内

2020-02-08 20:59:40 | 芝居小屋企画



東京演劇アンサンブルでは、昨年から月一回のペースで、「戯曲を読む会」を開催しています。

劇団員若手の提案による、いろんな戯曲を皆で声に出して読んでみようという会です。

ワークショップという形式ではないので、俳優ではない方でも気軽に参加出来ます。


第19回はエドワード・オールビー作『動物園物語』とハロルド・ピンター作『料理昇降機』を読みます。

どちらも登場人物が2人の、中編作品です。




そして・・・・・・


今回も・・・・・・



「学生無料」になります!!!!


若い方が戯曲に触れる機会を増やせたらと思ってのことです。



この会では長時間の作品や難解な作品はあまり取り上げません。
読んだときの率直な気持ちを大事にする場ですので、あまりハードルを上げすぎず、お気軽に参加してくれればと思います。



もちろん、戯曲に興味がある方や作品について話し合ってみたい方、「少しだけ演劇やってみたい・・・」と思っている方等も、是非ご参加下さい!


日時 2月15日(土) 18時30分~21時30分
場所 西東京市・田無公民館第二学習室
参加費 500円(会場費等・学生無料)


参加希望の方は2日前までに048-423-2521、もしくはteeyomukai@gmail.comご連絡ください。
ご質問等もお気軽にお待ちしています。


第18回はフェルディナント・フォン・シーラッハ作『テロ』を読みました。


実際の公演と同じく投票して、この結果に。

海外では無罪の公演が多いなか、日本では4回とも有罪公演だったとのパンフレットを持ってきてくれた方もいました。

「日本だと死刑がある、海外(特にヨーロッパ)は無いところが多く、そこを考えるかでだいぶ違う」
「ホントにどっちに書くか何回も考えた」
「日本だともっと板挟みになるんじゃないか」

など、相変わらず読後の時間は足りませんでした。




これまでに取り上げた作家(敬称略)
アーノルド・ウェスカー、小沢正、アーサー・ミラー、ニール・サイモン、安部公房、篠原久美子、李ボラム、レジナルド・ローズ、坂手洋二、オスカー・ワイルド、岸田國士、J・B・プリーストリー...等


チラシデザインは劇団員の山﨑智子です!



東京演劇アンサンブルHP
http://www.tee.co.jp





東京演劇アンサンブル
1954年4月,俳優座養成所を卒業した3期生の有志が結成。初めは劇団三期会を名のったが,67年 12月現名称に改称した。早くからブレヒト作品に取組み,80年元映画スタジオを改装して設けた劇場「ブレヒトの芝居小屋」を開場,活動の拠点とする。広渡常敏演出によるブレヒト作『セチュアンの善人』,『ガリレイの生涯』,チェーホフ作『かもめ』などが代表作。岸田国士作品の連続上演も行なった
2019年、40年間続いたブレヒトの芝居小屋を閉じ、埼玉県新座市へ移転する

ダンスレッスン生募集!

2020-02-08 18:59:20 | 劇団員リレートーク



武蔵関のブレヒトの芝居小屋で昨年まで不定期に開催していた「ワンコイン★ダンスレッスン」を、新稽古場「野火止Raum」にて定期的に開催することになりました。



インストラクターは引き続き、洪美玉です。

当面の間は毎週日曜日の午前中の開催となります。



詳しくは下記をご覧ください。


日程
・2月9日
・2月16日
・2月23日
・3月1日
・3月8日
・3月15日


開催時間
10:00~12:30

場所:野火止Raum(東京演劇アンサンブル稽古場)

料金:一回500円

レッスン内容
・踊るためにも、日々の動作をスムーズにするためにも必要な体幹トレーニング
・柔軟に踊るためのストレッチ
・バーレッスン
・音楽に合わせて短い振り付けで踊る。


インストラクター:洪 美玉(ほん みお)
経歴:日本大学芸術学部演劇学科を卒業
2000年 東京演劇アンサンブル入団
バレエ、ジャズダンス、日舞を経験


いきなり大スタジオにいくのに戸惑われている方、美しく体を動かしたい方、大歓迎です!
東京演劇アンサンブルの若手俳優達とのレッスンになります。
回数を重ねると上達が実感できます♪
一回だけの参加も大歓迎!
希望者は年一回の発表会にも参加できます♪

週末の午前中を有効に使って一緒にダンスを経験してみませんか?

お問い合わせ、申し込みは048-423-2521(劇団)またはteeyomukai@gmail.comまで、お願いします。

『揺れる』プレ企画のご案内

2020-02-07 13:59:22 | 稽古場ブログ
野火止RAUM初の学習会のご案内です。

*シェア拡散希望!!!

3月公演『揺れる』プレ企画
「現代ドイツ演劇事情」
講 師 萩原健(明治大学教授)
日 時 2月18日(火)18時~20時
会 場 野火止RAUM (東京演劇アンサンブル稽古場)
アクセス 新座市野火止3-16-24 武蔵野線「新座駅」/西武池袋線「ひばりが丘駅」「東久留米駅」/東武東上線「朝霞台駅」よりバス
参加費 交流会(終了後1時間ほど)費含め500円
要申込 電話・メール等でご連絡ください。
 TEL:048-423-2521 ticket@tee.co.jp

3月公演『揺れる』日本初演に先立ち、現代ドイツ演劇/ドキュメンタリー演劇を研究していらっしゃる萩原健さんに、「現代ドイツ演劇事情」と題して、最新の映像も交えながらお話いただきます。いまドイツの演劇人たちが何に興味を持ち、どのような舞台をつくって観客に提示しているのか? ――『揺れる』のキャストたちとともに、ドイツ演劇を垣間見ることのできる絶好の機会です。ぜひご参加ください。

講師:萩原 健 Ken Hagiwara
明治大学国際日本学部教授
1972年東京都生まれ。研究テーマは20世紀以降のパフォーミング・アーツ、その歴史と異文化間交流(主に日本とドイツ)。著書に『演出家ピスカートアの仕事』、『村山知義 劇的尖端』(共著)、訳書にフィッシャー‐リヒテ『パフォーマンスの美学』(共訳)ほか。これまでフェスティバル/トーキョー(F/T)が招聘したリミニ・プロトコルの作品群を中心に、戯曲翻訳、通訳、字幕翻訳・制作・操作も手がける(萩原ヴァレントヴィッツ健。『資本論 第一巻』(F/T09春)には出演)。
東京演劇アンサンブルでは、2017年度研究生公演 イーゴル・バウアージーマ作『ノルウェイ.トゥデイ』翻訳・ドラマトゥルクとしてご協力いただいたほか、2016年『ミラー』アフタートークに出演、ドキュメンタリー演劇についてお話いただいています。






揺らされる

2020-02-06 11:51:09 | 稽古場ブログ
今回の担当は私、仙石貴久江です!


あっという間に2月!しかも前半も終わろうとしています………恐ろしい………


2月の稽古はもう一度いちから意味を読み解いていくことからスタートでした。

割り振った台詞を読んでいく、立っていろんなことを考えながらの稽古よりも相手の台詞が耳にどんどん入ってくる感じがして、お!なるほど~って私はしてます。(しかしめちゃくちゃ難しい)

そして台詞を聞くこと、口に出すこと、空気を感じることで、心臓をザクザクえぐられる感覚もより強くなっています。
跳ね返りがすごくて言葉の強さに優しさに泣いてしまいそう………。
なんだろうな…自然といろんなことを振り替えってしまうみたいな?
不思議です。


今皆でゆっくり進んで中盤まで行ったので、後半もう一度整理して、また前半に戻っての繰り返しです。だけどどんどん世界が大きくなるのはたまらないですね。



そしていち早く動き出した舞台装置!!
池田ともゆきさんの絵を元にこの大きさかなー?と木材で仮組をしました。
仮組でもワクワクしますね……不安もプラスでしたけど……(笑)

装置のことあまり言えないのが残念!



心をぐらぐら揺らされる体験を是非一緒に!
楽しみにしていてくださいね(*^^*)