a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

2013年11月29日 周南市立櫛浜小学校

2013-11-30 09:52:01 | 旅公演


島での公演を終え、フェリーで徳山港。
そのまま櫛浜小学校に移動。
マイクロバス、バン、
4tトラックに、7tトラック。
なんだか大劇団の大移動ツアーみたい。

テックス体育館なので、イントレ仕込。
なんというか、
島での公演の効果か、
ミーティングの効果か、
若手が一生懸命動いている。

担当の先生たちが手伝ってくれて、
しばらく仕込の様子を見ていると、
「この仕込も芸術ですねー。
誰も指示出していないのに、
見事に調和の取れた動きで、無駄がない。
変更に対しても臨機応変で、対応が早い」
と言ってくれて、
これは、結構うれしいなー、と。



小学校にしては、割と大きめなのだが、
児童数も400人を越すので、けっこういっぱい。
会場に入ってくるなりちょっとした興奮状態。
いつもの体育館が、いつもの体育館じゃない。
イントレでの仕込は、さらにその要素が増す感じ。
もう、明るく、元気な子どもたちは
リハーサルから大きな声で歌っている。

開演すると、
なんと言うか、
いかにも小学生らしい反応。
いや、ほんと暗くなって喜ぶし、
何より、影たちが怖い低学年の子たちは、
から元気を発揮する。
必要以上に笑って、怖さを紛らしているよう。
だから、どんな動きにも反応する。
先生たちが、ちょっと騒ぎすぎて気にしていたようだが、
なになに、
舞台を観ての反応だから、
これはこれで、おもしろい。
俳優は少し客席を意識して、
セリフを押し出すようにしたり、
間を取ったりして、
そこに、また、LIVEな面白さが生まれてくる。



ジョバンニやカンパネルラが、
客席の後ろに向かって、
「あれは?」とか、
「ほら!」とか言うと、
すぐ、振りむいて、目でその先を追う。
何もないのに、
どうやら、何かを発見したようだ。
口々に、その大発見を呟きだす。
圧巻は、プリオシン海岸で、
2人が砂が光っているのを発見するところ。
舞台前でしゃがんで下を見るのだが、
なんと、
前の方の席の子たちは、全員立ち上がって、
同じように覗き込んでいる。
彼らには、光る砂は見えたろうか?



休憩時に、校長先生が、
もう少し静かに見るように、
と話をして、
2幕は少しおさまった感じ。
ま、ほんの少しだけ、ね。



カーテンコールで、語り手役の重さんが、
「1幕と2幕、雰囲気が変わったよね。
何が違ったか、考えてみてね」
というような話をしたけど、
彼らは、それぞれの年齢で、
どう感じ、どう考えただろうか。
そんな興味も、尽きることはない。



とにかく、担当の先生がとっても感じよく、
一番無邪気に喜んでくれて、
それが子どもたちに浸透している感じ。
学校全体の雰囲気が明るくて、
気持ちの良い公演となりました。

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東京演劇アンサンブル 第31回クリスマス公演
銀河鉄道の夜

作=宮沢賢治 脚本・演出=広渡常敏 音楽=林光

12月
23日(月・休) 15時
24日(火) 11時貸切/15時
25日(水) 19時
26日(木) 19時

前売一般=3800円
前売学生=3000円
当日=4500円

ブレヒトの芝居小屋
全席自由

チケットのお申し込みはこちらから
http://www.tee.co.jp/ticket-web.html

2013年11月28日 周南市立大津島小・中学校

2013-11-29 10:23:20 | 旅公演


困難を乗り切って、島の公演に臨みます。

フェリーでの移動に、
まずは、こちらの必要な時間は、
清掃車が乗るため、ダメ、だとのこと。
再三お願いして、何とか清掃車の時間を動かしていただく。
が、一難去って、また一難。
フェリーには、うちの7tトラックは乗らない!!
長さが足りない。
そのため、長門の仕込みの日に周南まで移動して4tトラックを借りる。
長門のバラシで、4tに積めるだけ、積んで。
あとは、手持ちでフェリーに載せる。
前日仕込の日、朝7時過ぎにフェリー乗り場へ。
いや、ほんと、4tにけっこう積むことができて、
おかげで、思っていたよりもスムーズに出発。



体育館はギャラリーがなく、
仕込に多少手こずるが、
急遽増員したため、何とか帰りのフェリーに間に合うことができました。



さて、さて、
リハーサル。
小・中学生に、幼稚園生が加わっての参加。
くぁわいいーー!!
今回はスペシャルバージョン。
子どもたち全員舞台に乗ります。
ラスト1週間みっちりやったそうな。
その成果、出てました。



いよいよ島での公演。
ぞろぞろと、島の人たちも集まってくれました。
開演前には、子どもたち大人たちばらばらと、
70人くらいの客席になったろうか。
満席とはいかないけど、
とてもあたたかな空間となる。
そして、開演。



客席は、静か。
静かに観ている。
小さな子どもから、島のおじいさん、おばあさんまで。
久しぶりのこの感覚。
言葉が等身大で届いていく。
演劇はLIVEだ。
そこに生きている人がいてこそ、生まれる芸術だ。
そのことを噛みしめることのできる、贅沢な時間だ。



子どもたちは、出番も精いっぱい。
歌も難しいし、
振り付きだし、
それでも幼稚園の子だってがんばっている。
中学生は、中学生なりに、
完璧な振り。
島の異年齢小集団の子どもたちが、
仲が良く、互いに影響し合っていることを感じる。





1幕のラストの先生方が歌うサプライズと、
キャンドルサービス。
終わると客席から拍手が。
嬉しい反応だ。



2幕は参加はなく、
芝居をじっくり鑑賞してもらう。
難しい言葉が多いだろうに、
懸命に、食い入るように観ている。

ちょっとこちら側にアクシデントがありましたが、
ま、まぁ、ご容赦ください。
幼稚園生や、小学1年生には、
少し難しいと思うのだが、
飽きることなく、しっかり公演を観ていた。



終演後のあいさつで、
「僕たちは、こんなに本格的な演劇を見るのは初めてです。」
といった言葉は印象的。
うん。
そういう仕事をしているよな。

トラックの乗るフェリーまで2時間近くあったので、
教室を借りて旅ミーティング。
秋の旅のことを話す。
帰りのフェリーに乗り込み、
同じ島の次の港に寄ると、
そこに、今日観てくれた小さな3人姉弟が見送りに来てくれました。
わざわざー!!
本当に、これは、すっごく嬉しかったー!!
文化庁公演でなければ、実現しなかった公演。
本当に、ありがたいことです。


2013年11月26日 長門市立深川中学校

2013-11-28 09:28:29 | 旅公演



出雲から移動して、山口県入り。
思ったより移動に時間がかかった。
到着すると、たくさんの先生たち!!
2階の体育館ということで、憂鬱だったけど、
こういう出迎えで、テンションは上がる。

体育館のサイズも大きめ、
生徒も400人を越える。
そして、このシリーズ初のテックス。
工事用の足場を使っての仕込みとなる。
移動と、2階と、大きいなどなど、
前日仕込は23時近くまで……。

今回は試験とのバッティングもあり、
仕込やバラシも含め、
あまり生徒たちと触れ合う機会がなくて、
その点はちょっとさみしかったかな。

それでも、今シリーズでは、
人数の多い学校。
大きな体育館のおかげで、
窮屈な感じもなく、
伸び伸びとした劇場空間となる。



この作品の体育館公演は、
舞台との一体感と距離感がとてもおもしろい。
いつものぼくらのホームであるブレヒトの芝居小屋が、
密着した濃密な空間であるのに対して、
体育館での公演は、
広々とした奥行きのある空間を感じさせてくれる。
特に照明のラインの美しさは秀逸で、
体育館を劇場に!
というこだわりを、堪能してもらえると思う。



純朴な中学生たちは、
振りはちょっと控えめでしたが、
一生懸命歌ってくれました。
やはり、体育館中で声が響くのは、
なかなか良い。
一般のお客さんがいなかったので、
ちょっともったいないくらいでした。
生徒たちは、どう見てくれたかなー。

バラシも先生方がたくさん手伝ってくれて、
2階体育館までの往復という、
まるで部活のサーキットトレーニングのような時間も、
短縮することができました。



余談ですが、
現地で頼んだイントレ業者の方が、
東京で昔芝居していたとのこと。
しかも、うちにいた俳優とやっていたとか。
いや、狭いな、この国は。

2013年11月25日 島根県立出雲養護学校

2013-11-26 15:50:38 | 旅公演



前日には、先生方が待ってくれていて、
荷下ろしを手伝ってくれる。
しかし、残念ながら、今回で一番小さな体育館。
荷物を置く場所もなく、
あっという間に終わってしまった。
まだまだ手伝ってくれるようだったけど、
ここからは、専門的になるので、ご遠慮願ったが、
ちょっとかえって申し訳なかったかな。

ワークショップが楽しかったみたいで、
その後も、良く取り組み、
今日の日を待ち望んでくれていたとか。
普段はけっこうシャイな子たちが、
思い切って歌って、振付をやっていたのに、
先生方が驚いていました。

体育館が小ぶりなため、
狭い客席にいっぱいの観客。
リハーサルでは、みんな緊張気味。
客席で一緒に参加する研究生たちも緊張気味。



開演すると、客席が集中している。
この作品で養護学校で公演するのは初めて。
賢治の魅力があたたかく伝わっていくといいな、と思う。
汽車が出発の瞬間客席から、
「進行―!」と声があがる。
絶妙のタイミング。
彼は、いわゆる鉄男くん。
そんなかれが、抽象的な回り舞台で表現されている汽車の出発を的確にとらえ、
声を発したことに、妙な嬉しさがこみ上げる。



うたの参加も精いっぱい。
振り付きということもあり、
同時にいくつかのことをしなければならない。
そして、いつもと違う、晴れの舞台。
その緊張感が空間を埋めていく。
劇団が長く、愛してきたレパートリー、
こうやって新たな1ページを刻めたことも、
嬉しい。



こちらにきて交流した松江おやこ劇場の方も来てくれて、
楽しんでくれたみたい。
こうやって新しい出会いを重ねて、
また、次の仕事で出会い直しができるといいなー、と思う。
演劇は出会いの芸術。
その感動なくして、演劇とは言えないと思う。
そんなことを考えた公演となった。

2013年11月22日 府中市立旭小学校

2013-11-23 13:37:39 | 旅公演



小学校の体育にしては、まあまあのサイズ。
子どもたちが入ってちょうど良い感じ。

前日の荷降ろしは、
多くの先生と、PTAの方もいて、
あっという間に終わりました。
ありがたや、ありがたやー。

小学校1年生から入るので、
まぁ、かわいいー。
一生懸命歌も練習してくれました。
子どもたちが参加するのは、2曲あるのですが、
芝居の中では、ほんの一瞬。
出遅れちゃうと、あっという間に終わっちゃう。
緊張感。



リハーサルではそう思ったけど、
始まると、我を忘れて楽しんでいて、
それもまた、なんだかうれしい。

開演して、体育館が真っ暗になっては喜び、
スライドが出ては喜び、
俳優が歌っては喜ぶ。
ほんとに、生の演劇を見る機会が、なかなかないのだなー、と思った。



自分たちの出番もしっかり歌って、
後半も、十分楽しんでいた。
鳥捕りはもちろん、
信号手のシーンで、照明がいきなり赤くなったときには、
歓声のような声が。

サプライズの先生は、
緊張して、ろうそくの火をもらいに行けなかったとか。
いろんな意味で、良い空間になっていた。
バラシもたくさん手伝ってくれて、
助かりました。
文化庁公演ならではの喜びだな、小学生とこうやって楽しめるのは。



2013年11月21日 福山市立駅家南中学校

2013-11-22 22:22:27 | 旅公演


1年ぶりの文化庁公演。
今年は、広島、島根、山口県を回ります。
この地域はお久しぶり。
まずスタートは福山から。

公演前々日は長い移動の後、
福山おやこ劇場の方々と交流会などしました。
いやー、写真を忘れた。
来年度の『はらっぱのおはなし』で出会うことになっています。



前日の仕込から、
わりと陽気な先生たと、生徒たちがお手伝い。
おかげで荷下ろしがあっという間でした。
中学生たちは気さくに挨拶してくれて、
いい雰囲気。
公演に期待する。

リハーサルでは、
まぁ、大きい声が出ていて、
ほっとする。
開演すると、ちょっと幼い反応。
いちいち反応してくれるのはいいのだが、
なんというか、その内容が幼い気がする。
ここ数年感じることだが、
そういう意味でも子どもの様子が変わってきているのだろうか。



ま、それはさておき、
反応そのものは、芝居へのリアクションである。
それは大切なことで、
ちゃんと舞台に気持ちが向かっているんだと思う。
そのことがわかれば、
俳優たちは、ノッテくる。
いい空間。



選抜隊の子どもたちも、照れつつも頑張った。
終演後に、すごくおもしろかった、と、
話した子みんなが言ってくれたので、
ほっ。
文化庁公演初日滑り出しは、上々。
バラシも、屈強な先生たちが手伝ってくれて、
助かりました。

見に来てくれた、福山おやこ劇場の皆さんも、
喜んでくれたようで、
それもうれしかったなー。