a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

第10回 戯曲を読む会のご案内

2019-04-23 21:21:49 | 芝居小屋企画

東京演劇アンサンブルでは、昨年から月一回を目処に、「戯曲を読む会」を開催しています。

劇団員若手の提案による、いろんな戯曲を皆で声に出して読んでみようという会です。

ワークショップという形式ではないので、どなたでも気軽に参加出来ます。

第10回は坂手洋二さんの「天皇と接吻」を読みます。

坂手洋二さんと東京演劇アンサンブルは過去
2012年「荷」脚本・演出
2015年「沖縄ミルクプラントの最后」作
で関わらせて頂きました。

5月1日に新天皇即位、新元号への変更と、これ以上ないテーマ、作品です。


戯曲に興味がある方、作品について話し合ってみたい方、「講座に行くほどではないけど演劇ってやってみたい・・・」と思っている方等、お気軽にご参加下さい!

日時 5月4日(土) 18時30分~21時30分 
場所 ブレヒトの芝居小屋
参加費 500円(会場費等)

参加希望の方は2日前までに03-3920-5232、もしくはteeyomukai@gmail.comご連絡ください。
ご質問等もお気軽にお待ちしています。


第9回はレジナルド・ローズ作「12人の怒れる男」でした。

1950年代にアメリカでテレビドラマとして放映されて以来、世界中で上演された作品です。
東京演劇アンサンブルでも1970年に上演しています。

「過去二回、別の劇団の上演を観たが今回はまた全然違う印象だった」
「本当に、現在に通ずるものがあった」
「裁判員制度と陪審員制度そのものが日本とアメリカをよく表している」

等々読書後の感想を言い合あう時間も盛り上がりました。


この日もプロダクションや劇団に所属している俳優の方や、大学生、社会人の方など、沢山の方が来てくださいました。

そして、新参加者3名を含み、過去最多の15人が参加しました!




チラシデザインは劇団員の山﨑智子です!
そちらもご覧ください!!

東京演劇アンサンブルHP
http://www.tee.co.jp



坂手 洋二(さかて ようじ、1962年3月11日~ )
日本の劇作家・演出家。劇団「燐光群」主宰。
1983年燐光群旗揚げ。『神々の国の首都』『屋根裏』等でヨーロッパ・アメリカ公演を行う。岸田國士戯曲賞、鶴屋南北戯曲賞、読売文学賞、紀伊國屋演劇賞、朝日舞台芸術賞、読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞。日本劇作家協会理事。日本演出者協会理事。
社団法人国際演劇協会(ITI/ユネスコ 日本センター)理事。
1991年 『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』(燐光群公演)岸田國士戯曲賞

1999年 『天皇と接吻』(燐光群公演)読売演劇大賞最優秀演出家賞

2002年 紀伊國屋演劇賞個人賞

2002年 『屋根裏』(燐光群公演)読売文学賞戯曲・シナリオ賞






東京演劇アンサンブル
1954年4月,俳優座養成所を卒業した3期生の有志が結成。初めは劇団三期会を名のったが,67年 12月現名称に改称した。早くからブレヒト作品に取組み,80年元映画スタジオを改装して設けた劇場「ブレヒトの芝居小屋」を開場,活動の拠点とする。広渡常敏演出によるブレヒト作『セチュアンの善人』,『ガリレイの生涯』,チェーホフ作『かもめ』などが代表作。岸田国士作品の連続上演も行なった

TEEリレートークVol.28 『芝居小屋と共に、私の舞台人生』 真野季節

2019-04-14 11:20:45 | 劇団員リレートーク


私が入団した1976年は俳優座の三期生が創立した劇団三期会は、
東京演劇アンサンブルとして22年目で稽古場は中央線の高円寺駅のそばのビルの4階にあった。
所内発表はできるくらいの広さで、
ワンフロア全部使ってあり劇団員も100人を超えていた。

私の初舞台は77年の関町の真映スタジオ(現ブレヒトの芝居小屋)で、
劇団のレパートリーである『ガリレイの生涯』で貴婦人役(セリフは一言)、
ガリレオの付き人である。
翌年『コミューンの日々』に姫と貴婦人で出演した。
映画の撮影スタジオなので床はなく土だったと記憶している。
それから1980年に真映スタジオ(ブレヒトの芝居小屋)に拠点を移し劇団員が床をはりすべて手づくりで今の芝居小屋が誕生した。



「今日の世界は演劇によって表現できるか」
というブレヒトの問いに同じように演劇状況を憂える創立メンバーであり
演出家の広渡常敏が都心から離れた東京の練馬の席町を辺境の地ととらえこの芝居小屋に巣ごもりにして
「生命の空間」と呼び様々なイベント作品を発信していった。
私の舞台活動は1983年のブレヒトの初期の作品『都会のジャングル』の主人公の妹役からで、
女優になることを夢みて広島から上京した私にとっては、
何もかもがすばらしい時間だった。
脚本の勉強会から始まり、
読み稽古、立ち稽古、
すべてが新鮮で役に挑むことの喜びと困難さに毎回悩み、苦しみ、
半信半疑で何が良いことかもよくわからず夢中になって演じたことが今でもありありと思い出される(あまりに何もできなかった)。



そして84年に『櫻の森の満開の下』の女、
この作品はニューヨーク、ソウル、ウラン・ウデ(ブリヤートモンゴル)ロンドンと
海外公演を含め全国各地で1999年まで演じた。



あと私にとって印象深い作品、思い出深い作品は、
チェーホフの『かもめ』、

D.フリード『アルフレッドとヴィクトリア』、
岸田國士『古い玩具』、

ベケット『芝居』、
キャリル・チャーチル『沼―FEN』、

デーア・ローア『無実』、etc.…。
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』、
W.ギブソン『奇蹟の人』、
ジャネット・タージン『ラリー』etc.…。
ブレヒトの『ガリレイの生涯』から最終公演のチャペックの『クラカチット』まで
約40年に及ぶ芝居小屋の歩みは、私の舞台人生そのものである。

実は私は、『クラカチット』の本番3日目の朝、
心筋梗塞で倒れ舞台を降板してみんなに迷惑をかけた(皆様、ごめんなさい)
処置が早かったので一命を取り留め、
今、自宅療養中である。
新天地でまた再び舞台人生が続けられたらうれしい限りである。


TEEリレートークVol.27 『ありがとうブレヒトの芝居小屋』 真壁知恵子

2019-04-05 18:58:41 | 劇団員リレートーク


東京演劇アンサンブルの照明を担当してます
チーコこと真壁知恵子です。

前回ブログ担当の祐哉とは『銀河鉄道の夜』で旅班が一緒でした。
『クラカチット』では音響オペレーターとして毎回練習している祐哉は
真面目だなぁ。と感心。
私は練習が足りない?
と不安にもなりました。

さてさて
ブレヒトの芝居小屋最終公演
『クラカチット』も終わり
4月1日には舞台、客席のバラシがありました。



40年間たくさんの芝居、集会、映画会、コンサートなど
人が集まる場となってきた芝居小屋。

バラシをするのも最後かと思うと
少し寂しい気持ちと
この荷物と器材をどこまで次の移転先に持って行けるのか
などといろんな事を考えてしまいます。

私も芝居小屋と出会って20年になります。
タリさんがいた頃は
無理難題を言われても

例えば
ブラインドに水を伝わせてキラキラさせたいとか



焚き火から煙をモクモクと出したい
しかも3ヵ所から
ゲネプロで言うかなぁ…とか

4分かかる大転換を
1分でやる稽古をずーとやったり

舞台がラストシーンで飛び出して
動かしたい
これも立て込み終わって言うかなぁ…とか

それでも
頼もしい先輩たちが知恵をしぼり
徹夜をして舞台を作っていました。

私は頼まれた仕事の内容もよくわからずに
とにかく迷惑かけないようにと
掃除や片付けくらいしか出来ませんでした。

20年前の芝居小屋は
キャットウォークに這っている約80回路のマルチコードの名称がボロボロでした。

パーライトの球やコードも雑然としていました。

劇団に入って初めての照明の仕事はこれだ!
ひらめきました!

専門学校の時
器材などを色分けしてたなぁ。
よし! やるぞ!
初めて自主的に仕事に取り組みました。

器材やコードを種類ごとにテープで色分けをする事でした。

今ではあたりまえに色分けされたコードや器材を使っていますが
ちょっとした工夫で仕込みがスムーズにいくものです。

そして、みなさんもご存知のとおり
アンサンブルは俳優も舞台の仕込みをやります。
それぞれ舞台、音響、照明、衣裳、小道具に分かれます。

旅班の1年目と4年目では格段に仕事が早くなっています。
みんなの工夫が各所に見えて
それぞれのシステムに
開発者の名前がつけられることもあります。

例えば『はらっぱのおはなし』では
9尺脚立にパイプを取り付けて照明器材を吊ります。
開発者は坂本さんなので
「坂本システム」
となりました。
坂本システムは
脚立とパイプを固定する事で
安定感? 一体感?
とシュート(明かり合わせ)がスムーズになりました。
荷物も大幅に減りました。



荷物が減って使いやすくなる事は
旅班にとって切実です。

仕込みを工夫することは
きっと芝居の向き合い方にも繋がっていると私は思います。

言われた仕事をただやるよりも
自分で工夫してより使いやすくするのはステキな事です。
創造的な事です。

これから私たちは新たな場所で
一から空間を作っていきます。
一人ひとりの創造的な仕事が積み重なって
みんなに愛される場所になればと思っています。

ブレヒトの芝居小屋はみんなの思いがつまった場所です。

改修工事、補修を劇団員みんなでやってきて
40年頑張ってきた芝居小屋。
本当にお疲れさまでした。

次回のブログ担当は大先輩の真野季節さんです。
真野さんの可愛らしいところ
力強い言葉はいつも稽古場を盛り上げてくれます。
では真野さん。よろしくお願いします。


佐々木章夫お別れの会のご案内

2019-04-01 12:08:25 | 劇団員リレートーク
向春の候 皆様におかれましてお変わりなくお過ごしのことと存じます。
すでにご存知のことと存じますが 劇団員の佐々木章夫は、去る1⽉23 ⽇、
慢性閉塞性肺疾患により82歳で永眠いたしました。



この度佐々木章夫を偲び「お別れの会」を下記の通り執り行うこととなりました。
ご多忙中誠におそれいりますが、ご出席くださいますようお願い申しあげます。



2019年4月14日(日) 14時~16時
ブレヒトの芝居小屋にて
会費 2,000円

※会費制としておりますので、ご香典・ご供花・ご供物はご辞退申し上げます。
※ご出席いただけます場合は、電話もしくはFAXにて4月7日までに劇団までご連絡をお願いいたします。






東京演劇アンサンブル
〒177-0051 東京都練馬区関町北4-35-17 
TEL:03-3920-5232 FAX:03-3920-4433