a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

ブレヒトカフェ Vol.5 『浜下り外伝』&『水滴』 2

2017-05-09 18:05:51 | 東京公演
from 『浜下り外伝』


【登場人物】
『浜下り外伝』のお話しは、《始原1854》《永劫1997》《創生2017》、三つの時代が交錯しながら進みます。
各時代の登場人物を紹介します。
まず、1854年《始原》から。



女……町田聡子(まちだ・さとこ)
1854年、那覇。停泊中の黒船船団をみつめているところを、
薩摩藩士に見つかり逃げる女。
沖縄の未来をみつめ、見透かすような不思議な女。
日常会話は上手な町田さんですが、
時空をぶっ飛んでいるようなこんな不思議な女を演じるのは、
はじめてではないでしょうか。
また、沖縄言葉にも挑戦しています。



男……和田響き(わだ・ひびき)
18歳の薩摩藩士です。
このままでは開国を迫る西洋列強に踏み潰される、
「そのためには強くならなければ」と意気込みます。
未知のモノへの恐怖と、「守らなければ」と強がる姿勢は裏表。
新しい時代への高揚、憧れ。
畏怖と恐怖。
若いみずみずしさと危うさ、
そして「人でなくなる」役柄に、毎日苦闘しています。


スタッフの紹介も順次していきます。まず、舞台美術


舞台美術……入江龍太(いりえ・りゅうた)
岡本太郎氏の工房でずっと製作をしていた龍太さん。
いまやアンサンブルの舞台装置の、縁の下の超・超・力持ちです。

龍太さんを中心に、ゴールデンウィークまっただなか、『浜下り』『水滴』舞台装置の水実験をしました。



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東京演劇アンサンブル ブレヒトカフェ Vol.5  
2017.3『沖縄ミルクプラントの最后』に続く ”オキナワ”

2017年
6月17日(土)14:00/19:00 
6月18日(日)14:00 
●お申込みTEL:03-3920-5232 FAX03-3920-4433
●前売り2800円 (当日3300円) ケンタウルスの会1500円 


朗読劇『水滴』 
作=目取真俊 
演出=三木元太 
照明=真壁知恵子

出演
浅井純彦/雨宮大夢/大橋隆一郎/仙石貴久江/竹口範顕/冨山小枝/洪美玉 


浜下り外伝
――そして目覚めると、わたしはこのイノーの海にいた。


作=宮城康博
演出=三由寛子 
舞踊=鷲田実土里
照明=真壁知恵子

出演
町田聡子/和田響き/志賀澤子/松下重人/奈須弘子/永濱渉


お問合せ・お申込
東京演劇アンサンブル劇団事務所
tel:03-3920-5232


公演詳細
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4 コメント

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三つの時代 ()
2017-05-10 06:44:02
1854,1997,2017、沖縄を見つめ考えることは、今、これからの日本と東アジアを考えることだと思います。
基地被害が「沖縄でよかった」とだけは言わせてはならないと思ってます。
返信する
「沖縄」 (浅田邦生)
2017-07-17 02:02:14
『浜下り外伝』を観ました。出演者は大変だったでしょうが、水につつまれた舞台に、沖縄への視点を問われるような、息をのむ思い。意欲的な舞台でした。「現在」の政治的情況だけにとらわれがちな我々に、ペリーから始まるストーリー(?)は多くを問いかける。しかし「始原」はペリー艦隊(アメリカ)だけでよいのか? ヤマトによる沖縄(琉球)侵略は? 沖縄の歴史をしっかりと提示し、「現在」を告発する舞台を見たいと切に思いました。宮城さんにもそんな本をぜひ書いてほしい。
返信する
始原 (宮城康博)
2017-09-04 15:23:10
浅田さん、コメントをありがとうございます。このコメントをみていただけるかわからないのですが、少しだけ応答。「始原」の男は薩摩藩士であり、属性で言えば琉球を侵略し支配しているヤマトそのものです。ペリー来琉・来日から、日本が明治維新・近代国民国家を目指していくなかで、沖縄はその中に深く組み込まれていきますが、そこの端緒「始原」を琉球の女を守ると言いつつ蔑み凌辱する出来事で描きました。あそこにみえるパターナリズムと暴力とセクシズム、現在でも連綿と続く問題ですよね。拙い戯曲ですが、アンサンブルの演出と俳優たち、スタッフがよい仕事をしてくれたと感謝しています。
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「沖縄」 (浅田邦生)
2020-02-19 13:33:41
『浜下り外伝』の舞台を観せていただいてから2年半あまりの歳月が過ぎて、ようやく沖縄を訪ねることができました。新しい目であの舞台を思い出しています。沖縄戦にせよ、基地問題にせよ、沖縄と本土で、その受け止め方の温度差のちがいを痛感しました。私がいかに沖縄のことを知らなかったかということも。宮城康博さんが戯曲で象徴的に(?)書かれた「始原」「永劫」「創生」という三つの時代を流れる歴史がまさに「沖縄」そのものであることを実感し、同時に、今帰仁の城址を歩きながら、中山、南山、北山という三つの王国があった頃からの琉球の歴史をもっと知らねばという思いに駆られました。沖縄の旅を終えて、少しずつ琉球語や琉球文学について書かれた本を読み始めています。東京演劇アンサンブルで広渡さんが取り上げてきた「沖縄」の意味を、もう一度しっかりと考えなければ。今度の旅では辺野古にも普天間にも行きました。大きな課題が少しずつ見えてきた気がします。遅ればせながら、宮城さんと東京演劇アンサンブルの皆さんに感謝します。
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