a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

TEEリレートークVol.9 『♪かがやけ冬のー?』 冨山小枝

2018-11-24 09:22:02 | 劇団員リレートーク


愛理からバトンを渡されました〜。
愛理との出会いは愛理が劇団に入る前でしたが、その時はもう少し大人だと思ってました(笑)
その愛理が劇団に入ってきて、思ったより若かったのにびっくりしたのを、覚えています。
私は研究生の係をずっとやってるのですが、
いままで色んな人たちが研究生から劇団員に成長して行くのを見て感動してきましたが、愛理もその1人です。
今ではえりとはくだらないことも(同盟仲間?)真面目な話も一緒にする仲間になりました。
これからの活躍に期待してます!



さて、わたしくは『銀河鉄道の夜』の小道具係の冨山小枝です。
銀河の小道具をやって、21年目になります。
どんどん変態的になってきました。
私がメンテナンスをした小道具たちも私がやり始めて成人を迎えてしまいました。
(実際は初演からの子たちもいるからもっと年上だけど)
ホントに可愛いのです。😆
旅公演では電池もそんなに替えることは出来ないので、
暗くなってきた子から順番で電池を替えるのですが…。
電池を替えると〜!





明るくなる! って当たり前の事ですが、それがかわいい〜のです。
明るく光る子たちをみると、可愛すぎて毎回涙が出そうになる(笑)
以前ある劇団員の先輩に小道具の為に芝居やってるなら辞めろといわれた事があります。
好きな芝居の小道具じゃなければこんなに一生懸命やらねえよ! と今も小道具も芝居も一生懸命やってます。
21年小道具を、やっているということは銀河の芝居について、21年目ということになります。
色々な事を経験してきたなかで、銀河は、共に歩んできた私の芝居人生そのものです。
まだまだ先があると思う『銀河鉄道の夜』、見たこともない世界へ踏み込みたい。
そんな想いと共に歩んでいます。
小道具だけが明るく光ってもダメなのだ。
最後の旅公演からの最後のクリスマス公演。
大好きで大切な芝居小屋での私たちの宝物の『銀河鉄道の夜』の公演。
この命の空間を味わいにきて、芝居も、可愛い小道具たちも、是非見にきてください。





さて、次は私よりもっともっと銀河を長くやっていると思われる竹ちゃんでーす。
竹口さんはとにかく良く働く!
どうしたら仕事が、効率良く進むのか、早く終わるのか?
常にそれを考えていると思われる竹口さん。
よろしくお願いしまーす。


TEEリレートークVol.8 『出発点』 永野愛理

2018-11-17 22:16:20 | 劇団員リレートーク


奈須さんからバトンタッチ!!
こんにちは、永野愛理です。
奈須さんも書いてくれましたが、3年前まで『銀河鉄道の夜』にて、たあちゃんを演じておりました。
銀河の旅で奈須さんとツイン部屋になるとおしゃべりが止まらず、
2人して「わあこんな時間だ、寝よ!」と電気を消してベットに入ったにも関わらずベットの中でもまだおしゃべりが続く、
ということがしばしばあったことを思い出します。笑

思えば、私がブレヒトの芝居小屋で初めて観た東京演劇アンサンブルの公演も『銀河鉄道の夜』でした。
天井から鳥が飛んでくるわ、
人が瞬間移動するわ、
この小屋どうなってんの!?
地下通路とかあるんじゃないの!?
とまんまと魅了されておりました。

2011年に入団した私の劇団での最初のお仕事はなんと大道具倉庫を作ること!
芝居より先に水平器とインパクトの使い方を教わりました!笑
劇場もロビーも先輩方が一枚一枚床板を貼ったんだよ、と言われ、
ひえ~家まで作っちゃうのかこの劇団は!
とびっくりしてはいましたが、
それまで演劇経験のなかった私にとって『自前の劇場を持っている』という贅沢さにいまいちピンと来ていなかったりもしました。
それが今となっては、ここブレヒトの芝居小屋がなくなるという実感が全く持てないほどには、なくてはならない生活の場となっています。
公演するのも、
稽古するのも、
大道具作るのも、
衣裳ちくちく縫うのも、
勉強会開くのも、
憲法集会やるのも、
名物の手描き看板を描くのも、
打ち上げするのも、
旅に出発するのも、
旅から帰ってきて缶ビール片手にぐだくだするのも、
ぜーんぶここなのです。

いろんな団体の方々がこのブレヒトの芝居小屋の最期を惜しんでくださり、
有難いことに移転までにブレヒトの芝居小屋を使って公演がしたいという依頼がたくさん舞い込んできました。
私たちが地方公演で東京にいない間にも、ブレヒトの芝居小屋は毎日フル稼働しています!

そんな中、来年1月のスープ劇場企画『怒りをこめてふり返れ』の稽古も並行して進んでいます。





普段は読み稽古の場合、小稽古場と呼んでいるロビースペースを使うのですが、
貸出中のため稽古をするスペースがない日もあり(スープ劇場はスキマ産業(!)なので)、
そんな時は近くの区民館などを借りたりしています。




普段他所を借りるということをしないもので尚更
「あぁ~いつでも稽古ができる場所があるってなんて贅沢なことだったんだぁ~」
と今更実感したりしています…。

スープ劇場という企画は
「ブレヒトの芝居小屋に行けばいつでも芝居を観られる、そんな空間にしたい」
という想いから軽いフットワークでいろんな芝居ができるようにと発足したものです。
つまりブレヒトの芝居小屋があったからこそ出来た企画なんですね。
『怒りをこめてふり返れ』がブレヒトの芝居小屋でのスープ劇場企画のラストになります。
芝居小屋への敬意と、“今”、“ここで”、“私たち”ができること、やりたいこと、やらねばならないこと、
を詰め込んで一日限りの公演にぶつけます。
願わくば移転先でも規模は違えどこんな企画ができたらいいな…

さて、次にバトンを渡すのは冨山小枝!
『銀河鉄道の夜』カムパネルラ役でもう? 8年ですかね?
たあちゃんが私になる一代前にたあちゃんを演じていたのがさえさんです。
さえさんとはとある同盟仲間といっても過言ではないのですがちょっとここでは言えないな!?笑
さえさんよろしくお願いしまーす!!

TEEリレートークVol.7 「闇に向かって跳べ」(広渡常敏) 奈須弘子

2018-11-10 08:14:57 | 劇団員リレートーク


原口さんからバトンがきました奈須弘子です。
皆さん、こんにちは。

原口さんは現在『消えた海賊』で学校公演巡回中、
私は『銀河鉄道の夜』ですが、以前銀河で、
原口さんが船で沈んでしまう幼い姉弟のお姉さん役、
私が家庭教師の青年役で、共演したことがありました。
原口さんは、包容力と気遣い、姉らしさと子供らしさ、いろんな面がみえる温かいお姉さんでした。

あれから時は流れ、幾度かメンバーを変え繰り返されてきた銀河の学校公演も今年でまた一区切り、
毎年恒例だったブレヒトの芝居小屋でのクリスマス公演は、今年で最後になりました。





以前弟役たあちゃんだった、現在カンパネルラを演じる冨山小枝との最近の会話で、
『私たちクリスマス公演何年やった?』
『79年からだから…』
なわけないか…
『97年からだよ!、21年』
今年で36回目になる芝居小屋でのクリスマス公演。
『半分以上やってる⁉(笑)』
ということについ先日気づきました。

私にとって銀河はアンサンブルに入ってから、
最も多く上演した作品であり、
劇団にいるなかでほとんど、隣り合わせに一緒に歩んできた作品です。

劇団に入って一年目すぐ、同期生が銀河のスライド操作で、旅公演につきました。
緊張する長い初旅から帰ってきた同期生は、胃潰瘍になりすっかり痩せて帰ってきて心配しましたが、
翌年私が彼女のあとにスライドについた時には、私に色々教えてくれる心強い先輩に成長していました。
おかげで私は胃潰瘍にはなりませんでした。

私が野外公演を幾つか経験したのも銀河です。
京都梅小路で本物の機関車を使っての野外公演。
あの機関車の存在と、哀愁ある汽笛の音は、今も心に響いています。
横須賀で豪雨の中でやった野外公演。男の人でも寒さで身体全身ブルブル震えていて、
それを必至に止めようとしながら舞台の盆にじっと座る姿。
私も手が震えて早替えのワイシャツのボタンが一人で止めれず、
同じくびしょ濡れの入江龍太に手伝って貰いました。
そして最後までそこに居合わせ見届けその場を一緒につくってくれた、
恐らく私たちより寒さを体感しただろう観客のみなさま。

本当にたくさんの公演を重ねてきて、話しは尽きないのですが、
一番最近の出来事では、劇団の制作であるA.Oさんがなんとスライドで奮闘しています!(学校公演の数回のみ)
制作の時とかなりモードも違い、
普段は私たちの写真をよく撮ってくれるのですが、逆に今はレアなその姿を皆に撮られています。

生徒さんの純粋な眼差しに見つめられながら、お互い掘り返し掘り返されろ!
銀河はまだまだこんなもんじゃないと、一回一回の学校公演を身体に刻む。
「あの闇の中にほんとうの幸いがつまっているかもしれないんだ」
計り知れない闇と未知の未来に向かって、クリスマス公演まで走ろう。
ブレヒトの芝居小屋と『銀河鉄道の夜』に、ありがとうの感謝と愛を込めて。

芝居小屋ならではの空間で生まれた東京演劇アンサンブルの『銀河鉄道の夜』。
クリスマス公演に一人でも多くの方が御来場して一緒に汽車を走らせてくれるのを、
心よりお待ちしております。



次回のリレートークは、三年前銀河でたあちゃんをやっていた、永野愛理です。
今は『消えた海賊』のマルガリータ役で、新しい言葉を生み出そう! という勇敢な女性海賊です。

最後にもうひとつ、今日は銀河の旅公演がお休みの合間、明日東松島高校での芸術鑑賞教室のため、東松島に向かっています。
演目はB.ブレヒトの『例外と原則』。
公家・浅井・竹口・私、そして今回は照明兼音響の二刀流、真壁の5人のみで行う一回限りのリーディングです。
そして第二部として、2014年に上演したデーア・ローアー作『無実』の時に、
ケルティックハープを演奏して頂いた坂上真清さんによるハープコンサート! 久しぶりの再会、とても楽しみです。



東松島高校では毎年夏に生徒さんと芝居をつくるワークショップもやっていて、
今回のリーディングには4名の生徒さんも出演してくれます!
明日はどんな公演になるのか、ハラハラどきどきワクワクとともに行ってきます!



TEEリレートークVol.6 「旅公演をやり続ける中で」 原口久美子

2018-11-03 23:27:08 | 劇団員リレートーク


皆さまお疲れ様です。
お疲れさまですというのもなんですが
『消えた海賊』の郡山での公演を終え、十和田に移動中のバスの中で
このブログを書いています。



東京演劇アンサンブルは現在『消えた海賊』と『銀河鉄道の夜』2班で秋の旅公演中。
海賊班は今年は北は青森から南は熊本まで。
よく、「どうやって移動してるの」と聞かれますが、
トラックとマイクロバスで日本国中走りまわっております。
私なんかは乗ったらすぐに寝てしまうのですが
本番終わってからのけっこうな長距離移動、運転手さんは本当に大変です。

旅公演、中でも芸術鑑賞教室いわゆる学校公演は
本公演や芝居小屋でのイベントと並ぶ、
私たちの劇団の柱となる大切な仕事の一つです。

未知なるものに向かう真っ直ぐな目を持つ高校生や中学生に
芝居を観せることは、とても神経を使うしナイーヴな仕事ですが、
この上ない楽しさと喜び、様々な経験を与えてくれる場でもあります。

学校公演は市民会館や文化会館などのホールだけでなく、
学校の体育館でも公演します。
体育館の天井の鉄骨から照明を吊るし
幕を吊ってセットを組む。
以前は脚を組んで平台を何十枚も使って舞台を作っていたことも。
体育館という生徒たちにとっては日常の空間が非日常に変わる。
仕込みを覗きに来た生徒さんの
「おおっ。凄~い」
という声を聞くと嬉しくなります。
どんな空間でもベストを尽くす。先輩達から引き継がれている
自慢の空間創りです。

会館での公演とはまた違い、生徒たちとの距離も近く
一人一人の顔がよく見える体育館での公演が
仕込みバラシは何倍も大変ですが
私は好きです。

『コーカサスの白墨の輪』『おんにょろ盛衰記』『ラリー ぼくが言わずにいたこと』
等いろんな作品で全国を旅してきました。それぞれにいろんな思い出があります。
『ラリー』をやっていた7年間の間には、東日本大震災があり
どう言ったらいいだろう。。。
何ができるだろう、何も出来ないんじゃないか。そんな戸惑いや不安の中
私たちを受け入れてくれた学校や生徒たちに背中を押されながら、
より意識的に芝居に向かうことで、ああ良いな、素敵だなと思える瞬間に
たくさん出会わせてくれたような気がします。





生徒たちの反応はもちろん様々です。学校によっても違うし、地域差もある。
時代によっても生徒たちは変化しています。
ヘコむこともたくさんあります。
何年やっても何ステージやっても
毎回毎回緊張するし、毎回毎回真剣勝負です。

正しそうなことをやらないこと。
理想と現実、その矛盾は矛盾のまま提示すること。
解釈を押しつけて、感じる心の邪魔をしないこと。

20数年間の旅公演の中で、精神的にも肉体的にも鍛えられ
おかげでずいぶん強くなりました(笑)

これからも自分自身変化することを恐れず
その一瞬一瞬、いま そして いま として進む旅公演を続けていきたいと思います。

そのためにはなんとしても、稽古場を探さなければなりません。

皆さまにご協力いただければ、本当にありがたいです。
今後ともご支援のほどよろしくお願いいたします。

前回のブログで、洪美玉に「ミシンの名人」と紹介していただきましたが
それほどでもありません。
ただ仕事に入る前に「今日もよろしくね」と声をかけ、
終わったら「どうもありがとう」と糸くずを掃除してあげる。
それでミシンたちはたいてい機嫌良く動いてくれます。
因みに、永野愛理は「なめんなよ」と叱咤しながらミシンに向かっていますが、
それでも動きます。
町田聡子は私がメンテしたミシンを30秒で動かなくします。。。
相性もあるんでしょうね(-.-;)



次回はアンサンブルの癒し系、奈須弘子です。
奈須ちゃん、ヨロシク。