a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

スタッフさんのこと。 その2

2014-03-29 14:58:48 | 東京公演


いよいよ残すところ千穐楽。
あと1回です。
最終日になりましたが、
スタッフのみなさんへのお礼を込めて……。
演出家による紹介です。



音楽 かとうかなこ



年末に、今回の舞台に初めてひとつのカラーが生まれた。
それが、クロマチックアコーディオンのかとうかなこさんによるソング。
初めての歌ものということで、悩みに悩んで書いてくださった。
「麦わら隊のマーチ」
「肉屋さんのCMソング」
「パンはいつでも(ソロ)」
「お金持ちのモーラーさん」
「AKBソング」
「ゆたかな人に」
という6曲ものソングと、群舞のアコーディオンソロ。(曲名はすべて仮名)
舞台全体にメロディを、旋律を、色を、動きを与えてくれたのだ。



ちょっと哀しくて切なくて洒落ている。
ベタなノスタルジーじゃない。
ドラマチックだけど乾いている。
大人のやさしさ、シャンソン。
空気の振動で生まれる風の音がたまらなく体をくすぐる。
蛇腹を動かす力、そのさまざまなテクニックが、同じ楽器とは思えないような多様な音色とリズムと力を生み出す。
風の音。
(ああ、うまく言い表せなくて、カタコトになっちゃう…)



どのように舞台に存在してもらおうか、とても迷ったけれど、
このドラマの時空間とは異なる存在、語り手、観察者として、かっこよく存在してくれている。さすがミュージシャン!!!
生演奏は全曲新作。
全国のかとうかなこファン必見のたまらない舞台のはずですよ!!

心から尊敬し、感謝してます!!!!!



衣裳 稲村朋子


(昨年の『忘却のキス』の稽古場にて)

今回の舞台でも大絶賛を浴びている衣裳・稲村朋子さんは、『忘却のキス』で公家が出会ったスタッフ。
名門ネザーランド・ダンス・シアターに留学し、ダンスの衣裳をメインに活躍中。
つい先日も、イスラエルのコンペで優勝したダンス・カンパニーの衣裳を手掛けた。
演劇では三浦基や、1月には松尾貴史『マープル』などの衣裳を担当。
オリジナルブランドももつ、若手のぐんぐん成長株である。

最初、今回の衣裳は、無しor裸、かもしれなかった。
あまりにも予算がない。
しかし、おそるおそる稲村さんに相談した。できる? って。
出演者はこどもまで入れると40人。早替えもあり、一人何役もありもあり、結局50点以上の衣裳が必要になる。
それで予算は『忘却のキス』の半分。
唸る稲村。願う小森。

で、背広を集めようということになった。不要のスーツをお持ちの方はぜひご寄附ください!! と。
ありがたや、早速反応が。
で、どうするかというと――ペイント。
杉彩orタイヤ跡を、各業種ごとに丹念にペイント。
舞台稽古のその日まで、直しは続いた。
労働者の汚しは自分たちの手で。
劇団の在庫も総動員。(さすが60年の劇団!!)
桑原睦を筆頭に衣裳班が結成され、原口久美子まで呼び出して手伝ってもらって、直し、つくり、直し。



そんななか、まっ赤っかのモーラーのスーツは仕立て。
(あの生地にもペイントが入っていることがわかるだろうか?) 
ヨハンナと麦わら隊はお揃いの清楚な“仕掛けあり”制服。

稲村さんは、やるとなったら妥協しない超こだわりの人なのだ。
すご~いおもしろい発想と集中力、そして身軽さ。
多分スタッフのなかで一番劇団にいた時間が長い人じゃないかしら。



「この芝居は登場人物がびっくりするほど多い。この大人数を視覚的に描きわける衣装にも驚かされた。」
「当のモーラーはワインレッドのタキシード・スーツを身にまとい、
ネクタイ代わりに牛のマスコットを首からぶら下げていて、実に可笑しい。
そして、麦わら隊のユニフォームを脱いだヨハンナは、
ジャンヌ・ダルクの伝統的記号を思い起こさせる白い、粗末なワンピースに衣装を変える。
気づいてみればヨハンナは、芝居の最初と最後とではまるで別人と思わせるほどの変貌を遂げている。」
「新しい感覚を生み出している音楽 (かとうかなこ)と、芸術作品のように現われる衣装 (稲村朋子)が、
多様性の方向を助けていることは確かである。」



とにかく稲村ジェーンは素敵なの!!


効果 勝見友里

『荷 チム』の時の島さんのオペレーターで、
その人柄で、劇団員から信頼される勝見さんが、初のプランナーを引き受けてくれた。
最初はリアルな音を多数用意してくれていたのだが、
だんだん、わたしのベタな効果音欲しさを理解してくれて、どんどんおもしろくなっていった。
マックの音や、渋谷の交差点の音、パソコンの音、テレビでよく使う効果音などなど……
しかし、今回一番好きなのは、シーソーのところのME。



これだけのためにスピーカーを借りようかと考えたぐらい。
アコーディオンと同様、空気の振動のME。
それから、裏で鳴っているサイレンは、勝見さんが貸してくれたもの。
やはり生音は迫力がある。
いろんなことを試したがるわたしにつきあってくれて、
結局はずいぶんカットになったけれど、
厭わずにいろんな音を出して試してくれて、ほんとにありがとうございました!!!
かつ、オペレーターをやる熊谷、篠原への指導もしてもらっちゃって。
ありがとうございました。




照明 真壁智恵子

本公演初のプランナーとなるTEEの劇団員、真壁智恵子。
今回の芝居、うちには珍しくピンスポットなんぞを使っている。



これは、あまりにベタなわたしの演出に、ちーこが提案してくれたもの。
照明の仕込み・シーンづくりのさなかに降板劇があった。
そこから3晩、稽古後から深々夜まで、朝まで、わたしのたくさんのわがままを聞き入れてくれた。
イメージを伝えても、見るまではわからない。だから一つ一つ出していって直す、また直す。
ベタなヨコの芝居の中に印象的にタテの奥行を加える、って、ああ難しい。
暗闇までは作れなかったろうか。
毎日見ながら、未だ、ベストがわからない。
どうやって芝居を始め、どうやって終わるのかもわからないわたしに、
ちーこは根気よくつきあってくれている。



ありがとう、ちーこ。



プランナーじゃないけれど、スライドチーム
三木・本多・篠澤と演出助手たち
今回は、高橋啓祐さんには映像を頼めない…… だからベタに、アナログでいこう、とは決めていた。
けれども、文字情報とコマーシャルは必要。



ということで、大活躍してくれたのが、若い演出助手班(本多・雨宮・永野・正木・山・渡邉・和田)。
新聞記事や電光ニュースの内容、広告デザイン、キャラクター作り、などなどを担当。
「ダンピング」という言葉も知らないという彼らの世代とのギャップからスタートし、
何が必要なのかを詰めていった。結局はずいぶん絞り込んだけれど。
それからラストの時事ネタは、今も毎日篠澤、本多と検討している。
そしてそのネタを完成させてくれるのが三木元太。
挿入の場所も含めて検討して、アドバイスもくれて、今も時事ネタは何日かで更新してもらっている。
シーソーの画像や麦わら隊のピカピカ、かつ照明のフォローまで元太!!
うるさくならない加減、塩梅、って、難しいですね……。みんなに感謝。




もうひとりの裏方
うちの子、くんぺい。
久我あゆみの娘ふうかが読み稽古の佳境でインフルエンザ。
熱が下がっても登園できないふうかを、くんぺいが家で世話してくれた。
さらに子役としてラストに登場するために、待機してなくちゃならないふうか。
劇団員総出の舞台では、ふうかの面倒をみる人もいない。
かじゅ出演の日以外(かじゅ出演の日は、やはりうちの三由寛子が娘を待機させていてくれている。
ありがとう、ひん!!!!!)は、
ロビーで開演から終演間際まで、ふうかの相手をしてくれているのはくんぺい。
谷川先生には「こうなったら総出で乗り切るしかないよ!!」とエールももらい、
くんぺいを巻き込むことを、「もう、仕方ないごめんなさい、母を助けて」と割り切った次第。
こんな仕事をしていて子育てするのはほんとに至難の業。
だけど、くんぺいはなんとか育って、次の子の面倒をみてくれているわけだ。
(あ、このめんどくさいわたしの面倒も、超みてくれているわ!!!!!)

大学の春休み中でよかった。
バイトもしないでうちでゴロゴロしててよかった。
やさしい子でよかった。
ありがたやありがたや……


あと、本番5日前の降板劇から、この稽古場全部を救ってくれた公家、ありがとう。




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TEE東京演劇アンサンブル公演 創立60周年記念公演Ⅰ
屠畜場の聖ヨハンナ

作 ベルトルト・ブレヒト
訳 加藤衛訳
演出 小森明子
構成 庭山由佳・小森明子
音楽 かとうかなこ
装置 池田ともゆき
衣裳 稲村朋子
舞踊 明樹由佳
照明 真壁智恵子
効果 勝見友理
歌唱指導 菊池大成
舞台監督 入江龍太
宣伝美術 スズキコージ・奥秋圭
制作 太田昭

2014年
3/20(木)19:00 終了
3/21(金)14:00 終了
3/22(土)19:00 終了
3/23(日)14:00 終了
3/24(月)19:00☆ 終了
3/25(火)休演
3/26(水)19:00☆ 終了
3/27(木)19:00 終了
3/28(金)19:00 終了
3/29(土)14:00 終了
3/30(日)14:00 ※当日券のみ 13時から整理券配布

前売(一般)=3,800円
前売(学生)=3,000円
☆=Low Price Day = 2,500円
当日=4,500円

全席自由 申込順に整理番号を発行

ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線 武蔵関徒歩7分)  


東京演劇アンサンブル TOKYO ENGEKI ENSEMBLE
〒177-0051 東京都練馬区関町北4-35-17
TEL:03-3920-5232 FAX:03-3920-4433

作品詳細

東京演劇アンサンブル webチケット

スタッフさんのこと。 その1

2014-03-29 02:22:02 | 東京公演
残すところ、
あと2ステージ。
いまさらながら、ですが、
心強きスタッフたちの紹介(by 小森明子)です。



振付 明樹由佳さん
『はらっぱのおはなし』で初めてお会いした明樹さん。
劇団四季出身の女優、ダンサー、振付、そして子育て真っ盛りの母。
明樹さんにお願いしようと思ったのは、きっと、母だから、女だから。
やさしくて凛としてしなやかで、つよい。
わたしより一つ上のお姉さんで、やっぱりお姉さん。
ずいぶん甘えたり頼ったりした。
明樹さんにお願いしたのは、ソングのダンスと群舞。
麦わら隊のアイドルダンスは前に書いたとおり。
肉屋さんのCMソングは、屋台の上だから、とにかく落ちないように。
で、上手じゃなくていいから、おもしろく楽しく、一生懸命商品を売り込もう。
(この曲もかなこさんの傑作!!!!!)
9場は上と下、モーラーの時間とヨハンナの時間が交錯しながらa~jまでの10シーンが連続する。
その最初が a「ヨハンナの夢」。
かなこさんのソロは、暗く切なく、次第に動きが生まれ、その中に希望が兆す……
明樹さんは34人(多分)の動きを作ってくれた。
人がつくりだす、人の希望、人しか創り出せない希望。
「人間がいるところでは人間だけが助けになる」
明樹さんの「母」と久我あゆみの「母」が、素敵なシーンを生んだ。







ソング指導 菊池大成さん
ほんとに指導してもらった。
とてもとても通ってもらった。
ほんとにいいのか? ってぐらい通いつめてくれた。
ハモリは無理かと思われた麦わらちゃんたちが、それぞれの声の良さを生かした発声をし、自分の弱点を克服し、聖歌隊(?)になれたのは、まったく菊池さんの献身のおかげであります。
キーの変更のことでは、かなこさんにすっかりご迷惑をかけてしまったけれど(ごめんなさい)、
とにかく歌えるようになって、
いま人気のアイドルになれたのは、
菊池さんのレッスンのおかげ。
菊池さんはほんとはピアニストで、今月もあっちこっちでコンサート活動してんだよ。
『はらっぱのおはなし』の音楽担当で、彼の魔法の力をつぶさに見てきてお願いした次第。
やっぱり魔法、つかってくれた!!!






装置 池田ともゆきさん
「池ともさん池ともさん、予算ないけど、こういうの作りたいんだけど、やってくれる?」
で始まりました。
何枚もプラン持ってきてくれて、
特に回廊のプランはかっこよくてなかなか捨てがたかったんだけれど、
どうしてもどうしても上と下をいっぺんに、いちばん前で見せたくて、
こうなりました。
(前の席のひと、首が痛くてすみません……)
読み稽古では、池ともさんの模型をみんなに見せながら、
ここは上でここは下でここにははしごが必要でここで初めて上にのぼって……
と、かなり具体的なイメージを掴んでもらうことができた。
けど、白かと思ったら白じゃなかった。
おお、これは白じゃない。
またまたこれはいいぞ。
おまけに凹凸があるから奥行が出る。
さすが!!!
で、最初厚すぎると思ってた屋台の桟が、ちょうどよい電光掲示板になった。
白いフレコンは、龍太に言ってみたら出てきた。
台車や脚立もそのまんまでいいよ、と池ともさんのOK出た。
ベタとナマとかっこよさが混在する空間。
ありがとう池ともさん。






つづく。

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TEE東京演劇アンサンブル公演 創立60周年記念公演Ⅰ
屠畜場の聖ヨハンナ

作 ベルトルト・ブレヒト
訳 加藤衛訳
演出 小森明子
構成 庭山由佳・小森明子
音楽 かとうかなこ
装置 池田ともゆき
衣裳 稲村朋子
舞踊 明樹由佳
照明 真壁智恵子
効果 勝見友理
歌唱指導 菊池大成
舞台監督 入江龍太
宣伝美術 スズキコージ・奥秋圭
制作 太田昭

2014年
3/20(木)19:00 終了
3/21(金)14:00 終了
3/22(土)19:00 終了
3/23(日)14:00 終了
3/24(月)19:00☆ 終了
3/25(火)休演
3/26(水)19:00☆ 終了
3/27(木)19:00 終了
3/28(金)19:00 終了
3/29(土)14:00
3/30(日)14:00 満席 ※当日券のみ

前売(一般)=3,800円
前売(学生)=3,000円
☆=Low Price Day = 2,500円
当日=4,500円

全席自由 申込順に整理番号を発行

ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線 武蔵関徒歩7分)  


東京演劇アンサンブル TOKYO ENGEKI ENSEMBLE
〒177-0051 東京都練馬区関町北4-35-17
TEL:03-3920-5232 FAX:03-3920-4433

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アイドルグループの誕生

2014-03-27 02:48:20 | 東京公演


うちの劇団でこんなことをしてもいいんだろうか…
と、ビビりつつ、麦わら隊をアイドルグループにしたい、とスタッフに相談した。
無宗教のわたしにとって、多分多くの日本人にとって、
この作品で描かれる宗教のかわりに人びとの不満を吸収し、
麻痺させ、考えないようにするシステムとは何か?
わたしの世代ではそれはテレビと大衆文化。
自民党の長期政権とフジテレビを筆頭にしたマスコミが、
全力で作り上げてきた「99%のヒツジ培養システム」。
その象徴がアイドルであり、お笑いだった。
(GHQは3S=スポーツ、スクリーン、セックス)
たどり着いたのがアイドルだったんだけれど。

ちょうど『あまちゃん』で宮藤官九郎がアイドル金儲け秋元某批判を心地よく展開していたし、
ずっと『ワンピース』は流行っているし、
麦わら隊がアイドル、ってのはウケるとも思った。



その妄想を実体化してくれたのが、
まずはなにより、かとうかなこさん。
クロマチックアコーディオンのミュージシャン、若いけれど、もう7枚もアルバム出してる凄い人、に、
ちょっとダークな、百恵や明菜みたいな曲、をおねだりした。(ごめんなさい)



かっこいい曲ができてきて、その歌の指導をしてくれたのが、菊池大成さん。
ほんとうはピアニストの彼が、粘り強くソングの指導をしてくれて、ハモリも完成。
読み稽古の初めでとりかかれてよかった!!!!!



そして振付は明樹由佳さん。
ほんとは女優さんでダンサー、素敵なお姉さん。
他のシーンでも、刻々と変わっていく状況に対応してくれて、とても助けてくれた。
そして、いろっぽくてベタなアイドルダンスが完成!!!!!



そしてもうひとつ、最後まで悩ませてしまった衣裳の稲村朋子さん。
変身させたい!! というわたしの願いを聞き入れてくれて、
モーラーの衣裳と同じ生地で作った赤いスカートを制服の下に忍ばせ、
前奏で変身!!



しかし、それを可能にしたのは、うちの若い若い女優陣。
かわいい彼女たち。
こんなに若くてかわいい女優たちが揃っているって、素敵なこと!!
毎日ソングのレッスン、ダンスのレッスンに励み、ちゃんとショーを見せてくれている。

そしていま、矛盾のなかに放り出されるラストの自分たちに、戸惑っているらしい。
ボスのスナイダーは彼女らをアイドル化させて自分は上に行っちゃうし、
目の前でヨハンナは死にそうだし、
そのくせヨハンナには教訓を垂れなきゃならないし、
役者としても、この役割に消費されて居どころをなくして立ち尽くす彼女たち。
ごめん。
けれども、いまを生きるわたしたちにもっとも近いのは、麦わら隊なのかもしれないのだ。
善意はあり、ボランティアもしたい、人の役に立ちたい、
だけど深入りはしたくない、どこか醒めて世の中を見通していて、けれどもすべてがグレイで不安で…

そういう今をわたしたちは生きているのだと思うのです。
だからどうか、がんばってください!!!!!

小森明子



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TEE東京演劇アンサンブル公演 創立60周年記念公演Ⅰ
屠畜場の聖ヨハンナ

作 ベルトルト・ブレヒト
訳 加藤衛訳
演出 小森明子
構成 庭山由佳・小森明子
音楽 かとうかなこ
装置 池田ともゆき
衣裳 稲村朋子
舞踊 明樹由佳
照明 真壁智恵子
効果 勝見友理
歌唱指導 菊池大成
舞台監督 入江龍太
宣伝美術 スズキコージ・奥秋圭
制作 太田昭

2014年
3/20(木)19:00 終了
3/21(金)14:00 終了
3/22(土)19:00 終了
3/23(日)14:00 終了
3/24(月)19:00☆ 終了
3/25(火)休演
3/26(水)19:00☆ 終了
3/27(木)19:00
3/28(金)19:00
3/29(土)14:00
3/30(日)14:00 まもなく満席

前売(一般)=3,800円
前売(学生)=3,000円
☆=Low Price Day = 2,500円
当日=4,500円

全席自由 申込順に整理番号を発行

ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線 武蔵関徒歩7分)  


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〒177-0051 東京都練馬区関町北4-35-17
TEL:03-3920-5232 FAX:03-3920-4433

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下の人たち

2014-03-21 10:16:19 | 東京公演


本日、無事公演初日を迎えることが出来ました。
客席の入りも上々で、
終演後の反応も悪くない、ようです。
千穐楽まで、走ります!!

劇団創立60周年記念のトップを飾る作品は、
まさに劇団の総力戦。
新人からベテランまで、
俳優もスタッフも入り乱れて、
創り上げました。

いろんな年齢層の俳優がいることが、
やはり劇団の厚みになっていると感じることができるような、
そんな劇団になりつつあるな、と近頃思うのです。


本来ならば、
劇団の2人の代表がそろい踏み、
というシーンもあったのですが、
残念ながら、今回は志賀澤子のみ。
でも、さすがの存在感。
ダンスタイムに注目、だとか……。



舞台狭しと動き回る、
新聞売り子の少年には、
三木元太と水流梨津美。
元太は、今回の映像を担当。
とにかく何でもできちゃう男だ。
水流ちゃんは、昨年に続いてのかなこさんの出演で、
たぶん、一番喜んでたんだろうな。
半追っかけ、みたいなー。





新聞記者には雨宮大夢と、和田響き。
衣裳選びに苦労していた大夢と、
某照明家から“ちくわ”と称され、愛されているとか。
この年代が、ぐいぐい押し上げてくると、
きっと劇団はもっと、もっと、高く飛べる。





ラッカーニッドルのおかみさん役の奈須弘子、
グルーム役の坂本勇樹。
貧しき人の際限なき欲望という部分で、
まさにその象徴的なシーンに登場する。
前半の印象深い、なんともやりきれないシーンだ。
そういう意味でも、
2人は良いアクセントで、時々目が離せない存在だったりする。





本多弘典と篠原祐哉は、
いくつかの役を担っている。
なにしろ、上の人の役もやっているし、
下の人の役もやっている。
それはこの2人だけだ。
本多くんの印象的なのは、
後半のストの連絡をしようとする場面。
なんだか……あやしい。
祐哉は、前半のボーイ姿が印象的。
なんだか……冷たい。
そういう一瞬を、楽しんでほしいーです。





組合の指導者として、熊谷宏平。
世が世なら、
ホント組合でこういう役につきそうな男である。
先輩からも、
後輩からも、
信頼の厚い男。
個人的に注目してほしいのは、
バチッとした7:3分けを見逃すな、という感じ。
2:8という噂もある。






2月の研究生公演を終えて稽古に合流した研究生も、
総力戦の公演を支えている。
これは演出の力も大きいのだが。
どうぞみなさん、顔と名前を覚えていただければと思います。

志賀優寛 研究生の兄貴分。


星野瑠莉 ダメは「きれいすぎる」でした…


大橋隆一郎 研究生公演の主演で、自信をつけたか


仙石貴久江 麦わら隊研究生でもあります。


上原和幸 稽古場のマスコット男子


小田勇輔 武蔵関のフォレストガンプ


鳥居圭介 遅刻。



そして最後に、竹口範顕。
今回の労働者たち、というグループでいえば、
彼の存在が大きく支えている。
この辺もキャスティングの妙。
このポジションに竹ちゃんがいることで、
下の人たちの存在に奥行きというか、深みといったものが増している。
比較的若い劇団員が多い下の人たち。
ぜひ、竹ちゃんの稽古場にいる姿勢から、
舞台にいる姿、
たくさん見てほしいなーと思うのである。


あ、ラストに。
かわいい女の子が二人、日替わりで。
これは、まぁ、隠し玉。
ふうかと、かじゅ。
がんばってね!




まさに劇団総力戦。
みーんな稽古場で、若干事務所がさみしい日々でした。
それぞれが、それぞれの仕事をし、
初日を迎えました。
お客様の評判は上々。
なかなか再演の難しい公演です。
どうぞ劇団創立60周年記念公演、
ご来場くださいませ。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


TEE東京演劇アンサンブル公演 創立60周年記念公演Ⅰ
屠畜場の聖ヨハンナ

作 ベルトルト・ブレヒト
訳 加藤衛訳
演出 小森明子
構成 庭山由佳・小森明子
音楽 かとうかなこ
装置 池田ともゆき
衣裳 稲村朋子
舞踊 明樹由佳
照明 真壁智恵子
効果 勝見友理
歌唱指導 菊池大成
舞台監督 入江龍太
宣伝美術 スズキコージ・奥秋圭
制作 太田昭

2014年
3/20(木)19:00 終了
3/21(金)14:00 終了
3/22(土)19:00
3/23(日)14:00
3/24(月)19:00☆まもなく満席
3/25(火)休演
3/26(水)19:00☆まもなく満席
3/27(木)19:00
3/28(金)19:00
3/29(土)14:00
3/30(日)14:00

前売(一般)=3,800円
前売(学生)=3,000円
☆=Low Price Day = 2,500円
当日=4,500円

全席自由 申込順に整理番号を発行

ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線 武蔵関徒歩7分)  


東京演劇アンサンブル TOKYO ENGEKI ENSEMBLE
〒177-0051 東京都練馬区関町北4-35-17
TEL:03-3920-5232 FAX:03-3920-4433

作品詳細

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救世軍黒麦藁隊

2014-03-19 02:34:15 | 東京公演


武蔵関にアイドルあらわる。
MSS48か、
SekimachiクローバーZかわかりませんが……。

資本家がその手に入れた既得権益を維持するために、
ありとあらゆる方策を取りますが、
宗教もまたその一つ。
貧しき人たちに施しをし、
権力者への反骨心を骨抜きにする。
世の中が良くならないのは、
祈りが足りないからであり、
決して、邪な人間が何か企んでるわけではない。
貧しさから抜け出せないのは、
お布施が足りないからであり、
どこかの誰かが、搾取しているせいではない。



そしてまた、
アイドルがもてはやされることで、
物事の核心は遠ざけられていく。
国際会議のオープニングで、
ナントカ48や、
ナントカザイルが歌い、
それがニュースで流れている。
この国はすでに骨抜きにされている。

神の兵と呼ばれる黒麦藁隊。
はたして時代の救世主たりえるのだろうか……?




そんな黒麦藁隊のヨハンナに次ぐナンバー2。
天利早智。
選挙で決まったわけではありません。
なんだか、わりと暗い表情の役が多く、
そんな写真が多いのだが、
普段は笑顔が多いんですけどね。




永野愛理は、
このチームのソングを支える一人。
彼女の歌声は、好き。
公演前のアップなんかの声を聴いてると、
いいー。
要注目。




山智子は、
『忘却のキス』での主演が記憶に新しい。
彼女はとにかく馬力がある。
しっかり地面を踏みしめて、
キッチリそこに存在している。
若いのに頼りがいがあるんだよね。




渡邉みゆきは、
稽古場のマスコットガール、みたいな。
今回芝居で使われる広告は彼女のデザインが多い。
絵心もあり、昨年夏の『はらっぱのおはなし』のイラストも彼女。
好奇心旺盛に、これまで以上にどんどん飛び込んで、
いろんな経験をしてほしい。




正木ひかりは、
ムードメーカー。
何かと声が聞こえてくる。
ダンスタイムには張り切っている姿が目に浮かぶ。
ただ、お腹がすくと、
すぐ不機嫌なるとか、ならないとか……。




時間の流れとともに、
変わっていく彼女たちの姿も、見逃さないでください。




そして、
この麦藁ちゃんたちを率いるのは、
ポーラス・スナイダー少佐=公家義徳。
予期せぬ出来事で急遽の参加。
とにかくがんばっています!!
おそらく本人、ご案内を出せずにいます。
どうか公家ファンのみなさん!!
公家が不安なみなさん!!
とにかく応援に来て下さいまし―。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


TEE東京演劇アンサンブル公演 創立60周年記念公演Ⅰ
屠畜場の聖ヨハンナ

作 ベルトルト・ブレヒト
訳 加藤衛訳
演出 小森明子
構成 庭山由佳・小森明子
音楽 かとうかなこ
装置 池田ともゆき
衣裳 稲村朋子
舞踊 明樹由佳
照明 真壁智恵子
効果 勝見友理
歌唱指導 菊池大成
舞台監督 入江龍太
宣伝美術 スズキコージ・奥秋圭
制作 太田昭

2014年
3/20(木)19:00
3/21(金)14:00
3/22(土)19:00
3/23(日)14:00
3/24(月)19:00☆
3/25(火)休演
3/26(水)19:00☆
3/27(木)19:00
3/28(金)19:00
3/29(土)14:00
3/30(日)14:00

前売(一般)=3,800円
前売(学生)=3,000円
☆=Low Price Day = 2,500円
当日=4,500円

全席自由 申込順に整理番号を発行

ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線 武蔵関徒歩7分)  


東京演劇アンサンブル TOKYO ENGEKI ENSEMBLE
〒177-0051 東京都練馬区関町北4-35-17
TEL:03-3920-5232 FAX:03-3920-4433

作品詳細

東京演劇アンサンブル webチケット

上の人たち

2014-03-16 03:14:47 | 東京公演


ブレヒトは、
シカゴの食肉工場とそれをとりまく状況を利用して、
資本主義の階級社会を図式化している。
簡単にいえば、
持つ者と、持たざる者。
資本家と労働者、ということだ。



そして舞台装置もまた、
そのことを意識した構造となっている。
今日はこの上にいる人たちのご紹介を。
まずは食肉業者の人たち。

モーラーの相棒ともいうべき人物クライドルには冨山小枝。
まぁ、ほんと、とにかく見て。
こんな、小枝、見たことない、って言うのを見てもらえます!!
もう、ファン必見!!
幕開けは重さんと小枝のふたり。
アンバランスなのに、バランスのとれた二人。
小さな身体を伸び伸びーと、
舞台いっぱいにはじける小枝を見たいなー。




同じく食肉業者のグレアム役には、尾崎太郎。
今回の太郎は、まぶしい!!
そう、まぶしいのだ。
見せ場ももちろんあるけど、
そうでなくても、輝いて見えちゃう。
でも、稽古場を覗くとほんと、楽しそう。




マイヤーズ役の上條珠理も、
なかなかこれまでにないキャスティング。
同じく、という桑原睦、洪美玉も食肉業者役。
脇を固める配役に、
中堅の女優陣が、勇ましく構えているのは、
実に頼もしい。
劇団という集団の強みを実感する。






そして、同じ食肉業者でも、
途中から下に落ちてしまうレノックスには篠澤寿樹。
稽古場ではブレインとして活躍。
劇団員に知性を与えてくれた。




家畜業者役には浅井純彦と小山えみ。
このコンビもアンバランスでおもしろい。
時々、“下”に降りてきたりしているところを見ると、
どうやら、“上”にしがみつくのに必死、というだけではなさそう。
心揺れる家畜業者、といったところだろうか。






業者とはまた違った立ち位置で“上”にいる仲買人には、
大多和民樹。
若手というのはもう失礼か。
着実に経験を積んできている。
まさに“上”にしがみつく人間のエゴが見え隠れする役。
適役、かなー?




そして、その“上”側の人間。
ミニスカポリスか、公安警察か。
町田聡子と清水優華が、
華麗に怪しく?! やっとります。
2人とも、妙な存在感。
これもまた経験のなせる業か、はたまたもって生まれたるものか。
ご覧になる皆さんは、ぜひ楽しんでください。




今回は、まさに劇団総力戦。
こんな感じで、出演者のみんな、紹介していこうと思うけど、
最後まで……いけるのかしらん。

初日まで、あと4日。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


TEE東京演劇アンサンブル公演 創立60周年記念公演Ⅰ
屠畜場の聖ヨハンナ

作 ベルトルト・ブレヒト
訳 加藤衛訳
演出 小森明子
構成 庭山由佳・小森明子
音楽 かとうかなこ
装置 池田ともゆき
衣裳 稲村朋子
舞踊 明樹由佳
照明 真壁智恵子
効果 勝見友理
歌唱指導 菊池大成
舞台監督 入江龍太
宣伝美術 スズキコージ・奥秋圭
制作 太田昭

2014年
3/20(木)19:00
3/21(金)14:00
3/22(土)19:00
3/23(日)14:00
3/24(月)19:00☆
3/25(火)休演
3/26(水)19:00☆
3/27(木)19:00
3/28(金)19:00
3/29(土)14:00
3/30(日)14:00

前売(一般)=3,800円
前売(学生)=3,000円
☆=Low Price Day = 2,500円
当日=4,500円

全席自由 申込順に整理番号を発行

ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線 武蔵関徒歩7分)  


東京演劇アンサンブル TOKYO ENGEKI ENSEMBLE
〒177-0051 東京都練馬区関町北4-35-17
TEL:03-3920-5232 FAX:03-3920-4433

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キャスト変更のお知らせ

2014-03-15 12:56:51 | 東京公演


スナイダー役で出演予定の入江洋佑ですが、
体調不良のため公家義徳に変更となりました。

ご了承ください。

なお、上演時間は2時間(休憩なし)の予定です。


※写真は稽古風景です。

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TEE東京演劇アンサンブル公演 創立60周年記念公演Ⅰ
屠畜場の聖ヨハンナ

作 ベルトルト・ブレヒト
訳 加藤衛訳
演出 小森明子
構成 庭山由佳・小森明子
音楽 かとうかなこ
装置 池田ともゆき
衣裳 稲村朋子
舞踊 明樹由佳
照明 真壁智恵子
効果 勝見友理
歌唱指導 菊池大成
舞台監督 入江龍太
宣伝美術 スズキコージ・奥秋圭
制作 太田昭

2014年
3/20(木)19:00
3/21(金)14:00
3/22(土)19:00
3/23(日)14:00
3/24(月)19:00☆
3/25(火)休演
3/26(水)19:00☆
3/27(木)19:00
3/28(金)19:00
3/29(土)14:00
3/30(日)14:00

前売(一般)=3,800円
前売(学生)=3,000円
☆=Low Price Day = 2,500円
当日=4,500円

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風が吹いてくるみたい

2014-03-08 14:21:13 | 東京公演


2010年、木下順二作『山脈(やまなみ)』以来、
久々の出演となる久我あゆみ。
稽古初日には、緊張感漂うオーラを発していた。
そりゃそうだろう。
けれども、稽古が進むにつれ、
だんだん落ち着いてきて、
久しぶりに聞くあゆみの言葉は、
やっぱりいいなー、と思ったりしている。
『屠畜場の聖ヨハンナ』のヨハンナとして、
どう舞台に存在するか。
楽しみである。


聖なるヨハンナ。
ブレヒトが描いた時代のジャンヌダルクである。



今回はかとうかなこさん書き下ろしのソングもある。
あゆみの歌を聴けるのも久しぶりだ。
彼女が劇団の本公演デビューしたのは、
やはりブレヒト作・広渡常敏演出『セチュアンの善人』だった。
あの時の鮮烈な印象は忘れられない。
一瞬にして魅了された。
その空間の空気が変わった。
ヨハンナも、きっとそうに違いない。
そんな一瞬を見たい。
ヨハンナに心動かされたモーラーもまた、
その一瞬にした空気が変わる、
そんな風を受けたからに違いない。


さて、一方、
搾取を続け、
私腹を肥やす食肉王ピーヤモント・モーラーには、
松下重人。
『走れメロス』のメロス、
『ワーニャ伯父さん』のワーニャ、
『シャイロック』のシャイロック、
と数々のタイトルロールを担ってきた。


さすがに今回は“ヨハンナ”というわけにはいかないが、
並んでの主役。
ブレヒトの描く人間は、いつでも1面的ではなく、
とても立体的だ。
モーラーもまた、1人の人間として描かれている。
見る立場によっては、冷酷無比な人間でもあり、小ずるい人間でもある。
また一方では、気弱で、優しい一面も垣間見える。
松下モーラーは、そんなどこか憎めない男であり、
ときにユーモアたっぷりに演じられている。



小ずるいことをしながら、
金を儲けることを悪いとも思わない世界で生きてきたモーラーが、
ヨハンナに出会うことで、これまでの価値観を根底から揺さぶられる。
そう、ヨハンナからの風を受けて、新たな空気を吸い込む。
新しい演出家との出会いを、
最も喜んでいるのは松下ではないだろうか?
稽古場にいる姿を見ているとそんな気がする。
小森演出という新しい風を受けて、
これまでの価値観が揺さぶられ、
新たな発見を繰り返す稽古場で、
大きな牽引力となっている。



まぁ、普段の重さんが、
小ずるいとか、そういうことではありません……。




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TEE東京演劇アンサンブル公演 創立60周年記念公演Ⅰ
屠畜場の聖ヨハンナ

作 ベルトルト・ブレヒト
訳 加藤衛訳
演出 小森明子
構成 庭山由佳・小森明子
音楽 かとうかなこ
装置 池田ともゆき
衣裳 稲村朋子
舞踊 明樹由佳
照明 真壁智恵子
効果 勝見友理
歌唱指導 菊池大成
舞台監督 入江龍太
宣伝美術 スズキコージ・奥秋圭
制作 太田昭


3/20(木)19:00
3/21(金)14:00
3/22(土)19:00
3/23(日)14:00
3/24(月)19:00☆
3/25(火)休演
3/26(水)19:00☆
3/27(木)19:00
3/28(金)19:00
3/29(土)14:00
3/30(日)14:00

前売(一般)=3,800円
前売(学生)=3,000円
☆=Low Price Day = 2,500円
当日=4,500円

全席自由 申込順に整理番号を発行

ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線 武蔵関徒歩7分)  


東京演劇アンサンブル TOKYO ENGEKI ENSEMBLE
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新たな・・・・・・

2014-03-03 01:43:57 | 東京公演


いつもの席に、いつもいるべき人がいない。
考えてみたら、ぼくが劇団に入ってから、
ずっと隣の席にいたのだが、
今回、はじめてその席を離れることとなった。
演劇制作になった僕に、
ほんとにたくさんのことを教えてくれた人が、
今、新しい一歩を踏み出そうとしている。

小森明子、初演出。



最後までタリさんの側で創造をともにした一人。
タリさんがとっても信頼していた制作者だ。
劇団の60周年記念に1作目に、
やはり僕たちはブレヒトの作品を選んだ。
しかも、
これまで上演しようとしながら、
上演できなかった作品。

ブレヒトが1920年代後半のシカゴを舞台に、
資本主義社会に傾きつつある世界の経済のからくりを、
食肉市場を取り巻く状況を描くことで、
世界で何が起きているのかを提示しようとした。
戦争前夜。
小森演出は、まさにそこに切り込もうとしている。
ブレヒトのテキストを読めば、読むほど、
今の世界とリンクしてしまう。
資本家が私服を肥やし、
労働者が失業し、街にあふれだす。
トップが代わっても、
新たなトップが生まれるだけで、
貧しいものは、貧しいままである。
ドイツは、ナチス党が政権を取り、
ヒトラーが大統領となる。
どうだろう?
今のこの国は、どうだろう?
戦争前夜でないと、言えるだろうか。

初演出ということは、
当然ながら、何もかもが初めてだ。
それでも、稽古場での小森は堂々としたものである。
作品を読み込む力は、充分鍛えられてきているし、
自分自身が観たい舞台を要求していく。
そして、疑問に思うことは、すぐに稽古場にぶつけていく。
向かうは、38人の出演者と、多くのスタッフ。
これほど心強い相談相手はいない。
稽古場のいたるところで、
いろんな人たちと話をしている小森の姿を見かける。
何度もテキストを読み込み、
資料を読み込み、
どんなに準備しても足りない。
けれど、全部体当たりで向かっている。
その情熱は、稽古場に熱気をもたらしている。



小森演出は、
軽快なテンポと、遊び心をまじえつつ、
純で無垢なヨハンナを、
心が震えるほど美しく描き出そうとしている。

劇団1年目の研究生から、
創立メンバーの入江洋佑まで、
ほとんど劇団員総出演。
劇団の60周年記念であり、
さらなる新たな一歩となる節目の年に、
これからの劇団の姿を予感させることが出来る作品になる。

いろんな新たなる挑戦を、
絶対に見逃してほしくないのである!!


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


TEE東京演劇アンサンブル公演 創立60周年記念公演Ⅰ
屠畜場の聖ヨハンナ

作 ベルトルト・ブレヒト
訳 加藤衛訳
演出 小森明子
構成 庭山由佳・小森明子
音楽 かとうかなこ
装置 池田ともゆき
衣裳 稲村朋子
舞踊 明樹由佳
照明 真壁智恵子
効果 勝見友理
歌唱指導 菊池大成
舞台監督 入江龍太
宣伝美術 スズキコージ・奥秋圭
制作 太田昭


3/20(木)19:00
3/21(金)14:00
3/22(土)19:00
3/23(日)14:00
3/24(月)19:00☆
3/25(火)休演
3/26(水)19:00☆
3/27(木)19:00
3/28(金)19:00
3/29(土)14:00
3/30(日)14:00

前売(一般)=3,800円
前売(学生)=3,000円
☆=Low Price Day = 2,500円
当日=4,500円

全席自由 申込順に整理番号を発行

ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線 武蔵関徒歩7分)  


東京演劇アンサンブル TOKYO ENGEKI ENSEMBLE
〒177-0051 東京都練馬区関町北4-35-17
TEL:03-3920-5232 FAX:03-3920-4433

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