a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

『ぼくはエルサレムのことを話しているのだ』最終日、公演千穐楽

2012-09-17 13:03:09 | 東京公演
東京演劇アンサンブル 本日の公演

14時開演 『ぼくはエルサレムのことを話しているのだ』 上演​時間2時間20分(休憩なし)

ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線・武蔵関)

当日券あります。(14時は若干数)
TEL:03-3920-5232

毎日新聞でも、紹介していただいてます。
記者が選ぶ今週はコレ!:東京演劇アンサンブル
http://mainichi.jp/feature/news/20120910dde012040087000c.html

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ウェスカー連続上演

アーノルド・ウェスカー/作 木村光一/訳

大麦入りのチキンスープ  入江洋佑/演出 
ぼくはエルサレムのことを話しているのだ 志賀澤子/演出

2012年9/6~17
◆=大麦入りのチキンスープ
●=ぼくはエルサレムのことを話しているのだ 
*=Low Price Day
※=アフタートーク
9/6木 19時◆
9/7金 19時●
9/8土 14時◆/※/19時● 
9/9日 14時●/※/19時◆
9/10月 19時◆*
9/11火 19時●*
9/12水 19時●
9/13木 19時◆
9/14金 19時◆
9/15土 14時●/※/19時◆
9/16日 14時◆/※/19時●
9/17月 14時●
開場は開演の30分前

会場:ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線武蔵関より徒歩7分)
全席自由

前売(一般)3800円/前売(学生)3000円
当日(同一料金)4500円
10日(月)と11日(火)はロープライスデー 2500円均一
2作品セット券(2作品セット)=6200円

☆★アフタートーク★☆
9月8日(土)14時・・・終演後
木村光一(演出家・翻訳) × 入江洋佑(TEE)

9月9日(日)14時・・・終演後
七字英輔(演劇評論家) × 志賀澤子(TEE)

9月15日(土)14時・・・終演後
川成洋(大学教授) × 入江洋佑(TEE)

9月16日(日)14時・・・終演後
山本健一(元朝日新聞記者) × 志賀澤子(TEE)


公演の詳細はHPへ
http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/wesker/wesker.html
webチケットの申し込みはこちらへ
http://www.tee.co.jp/ticket-web.html

『大麦入りのチキンスープ』最終日

2012-09-16 08:57:14 | 東京公演
東京演劇アンサンブル 本日の公演

14時開演 『大麦入りのチキンスープ』 上演時間2時間25分​(休憩あり)
 アフタートーク 山本健一(演劇評論家) × 志賀澤子 (東​京演劇アンサンブル)
19時開演 『ぼくはエルサレムのことを話しているのだ』 上演​時間2時間20分(休憩なし)


ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線・武蔵関)

当日券あります。(14時は若干数)
TEL:03-3920-5232

劇評でも、紹介していただいてます。
『大麦入りのチキンスープ』、本日が公演最終日です。
http://enbukuro.exblog.jp/​18967151/

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ウェスカー連続上演

アーノルド・ウェスカー/作 木村光一/訳

大麦入りのチキンスープ  入江洋佑/演出 
ぼくはエルサレムのことを話しているのだ 志賀澤子/演出

2012年9/6~17
◆=大麦入りのチキンスープ
●=ぼくはエルサレムのことを話しているのだ 
*=Low Price Day
※=アフタートーク
9/6木 19時◆
9/7金 19時●
9/8土 14時◆/※/19時● 
9/9日 14時●/※/19時◆
9/10月 19時◆*
9/11火 19時●*
9/12水 19時●
9/13木 19時◆
9/14金 19時◆
9/15土 14時●/※/19時◆
9/16日 14時◆/※/19時●
9/17月 14時●
開場は開演の30分前

会場:ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線武蔵関より徒歩7分)
全席自由

前売(一般)3800円/前売(学生)3000円
当日(同一料金)4500円
10日(月)と11日(火)はロープライスデー 2500円均一
2作品セット券(2作品セット)=6200円

☆★アフタートーク★☆
9月8日(土)14時・・・終演後
木村光一(演出家・翻訳) × 入江洋佑(TEE)

9月9日(日)14時・・・終演後
七字英輔(演劇評論家) × 志賀澤子(TEE)

9月15日(土)14時・・・終演後
川成洋(大学教授) × 入江洋佑(TEE)

9月16日(日)14時・・・終演後
山本健一(元朝日新聞記者) × 志賀澤子(TEE)


公演の詳細はHPへ
http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/wesker/wesker.html

webチケットの申し込みはこちらへ
http://www.tee.co.jp/ticket-web.html

こっちも、あと4公演です。

2012-09-13 10:55:31 | 東京公演
出演者紹介もラスト。
『大麦入りのチキンスープ』の俳優たちを紹介します。

まずは、ここまで紹介しなかったのが申し訳ないくらい。
この作品のもう一人の主人公。
ハリイ・カーン。
もうこれ、つらいんだよね。
演劇人の末路なんて、こんな感じじゃなかろうかと、
勝手な感情移入をしてしまう。
さっそうと登場した最初のシーンと、
物語の進行とともにラストに向かって変わっていくハリイの姿は、
なんとも痛い。
演じるは竹口範顕。

昨年の『シャイロック』に続き、
ウェスカー作品連続の大役。
堅実かつ、リアリティーあふれる彼の姿が、
まさにこの作品の大黒柱として、大きな存在感を示している。


サラとハリイの活動の同志モンティ・ブラット。
屈託なく、ムードメーカー的な彼を演じるのは尾崎太郎。

ディテールにこだわりつつ、
あるところでは大胆にかき回す。
やはり、稽古場でのムードメーカーでもある。
そのディテールから生み出されるリアリティに期待したい。


そして、同じく同士の一人プリンス・シルヴァーは熊谷宏平。

写真を見ると、年齢不詳だな、この男。
派手さはないが、堅実さが魅力。
本公演では、ずいぶん続けて出演しているのではないだろうか。
まだまだ、のびしろがある男のはず。


後半に出てくるモンティの恋人ベッシィ・神成美忍。

北海道から単身東京へ芝居をしに来た彼女。
『パパおはなしして』では主演のカナリアのリリ役に大抜擢。
『ラリー ぼくは言わずにいたこと』では、ヒロインベス役と着実にキャリアを積んでいる。
本公演でも、『荷(チム)』に続いての出演。
時に“天然”的なにおいがしないでもありませんが…それも愛嬌。
タブン、ゼンブ、ケイサンナンダトオモウ。


ということで、
遅ればせながら、何とか公演中盤までに出演者の紹介ができました。
後半は駆け足でしたが。

この公演を通じて、劇団の若い力が増えてきたことを感じていただいております。
どうぞ、これからの東京演劇アンサンブルにご注目ください。
次の作品も、その次の作品も、
新しい出会いを重ねて行こうと思います。

どうぞ、今度の作品での新しい出会いを見逃さずにしていただければと思います。

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ウェスカー連続上演

アーノルド・ウェスカー/作 木村光一/訳

大麦入りのチキンスープ  入江洋佑/演出 
ぼくはエルサレムのことを話しているのだ 志賀澤子/演出

2012年9/6~17
◆=大麦入りのチキンスープ
●=ぼくはエルサレムのことを話しているのだ 
*=Low Price Day
※=アフタートーク
9/6木 19時◆
9/7金 19時●
9/8土 14時◆/※/19時● 
9/9日 14時●/※/19時◆
9/10月 19時◆*
9/11火 19時●*
9/12水 19時●
9/13木 19時◆
9/14金 19時◆
9/15土 14時●/※/19時◆
9/16日 14時◆/※/19時●
9/17月 14時●
開場は開演の30分前

会場:ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線武蔵関より徒歩7分)
全席自由

前売(一般)3800円/前売(学生)3000円
当日(同一料金)4500円
10日(月)と11日(火)はロープライスデー 2500円均一
2作品セット券(2作品セット)=6200円

☆★アフタートーク★☆
9月8日(土)14時・・・終演後
木村光一(演出家・翻訳) × 入江洋佑(TEE)

9月9日(日)14時・・・終演後
七字英輔(演劇評論家) × 志賀澤子(TEE)

9月15日(土)14時・・・終演後
川成洋(大学教授) × 入江洋佑(TEE)

9月16日(日)14時・・・終演後
山本健一(元朝日新聞記者) × 志賀澤子(TEE)


公演の詳細はHPへ
http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/wesker/wesker.html

webチケットの申し込みはこちらへ
http://www.tee.co.jp/ticket-web.html

折り返し、残り半分。

2012-09-12 15:28:55 | 東京公演
今日で公演全日程の折り返しとなります。
再スタートというわけではないのですが、
今日の上演は、『ぼくはエルサレムのことを話しているのだ』となります。
時系列的には、『大麦…』→『ぼくは…』となるのですが、
稽古場をのぞきながら思ったのは、
案外、『ぼくは…』→『大麦…』の順に観てもおもしろいぞ、
ということ。
『大麦…』の冒頭から、アダとロニイという子どもたちの話題が出てきます。
その彼らの未来を知ってから観ると、
結構ほくそ笑んじゃうというか、
なるほど、そういうことか、
なんて思って観てしまいます。
もちろん、それぞれ独立した作品ですので、
どちらか一作品でも充分お楽しみいただけます。
ただ、
せっかくの機会ですので、
ぜひぜひ、日本を何とかしてご覧いただくのがベストです。

15日(土)14時と、
16日(日)14時の公演がそろそろ満席に近くなっております。
予定している方は、今すぐにお申し込みください!!


そして、出演者紹介ですが、
今日は『ぼくはエルサレムのことを話しているのだ』チームを、
紹介しきってしまおうと思います。

まずは、元劇団員で客演していただいている長畑豊。

デイブが軍隊で知り合った友人リビイ・ドブソン。
理想を語りあった親友だと思っていたのだが…。
最近では『林檎園日記』でも客演していただいたが、
劇団を離れて、久しぶりの稽古場ということが、
リビイが語るその後の時間の変化にリンクして、
なんとも…せつないなぁ、と。


そして、田舎暮らしを始めるデイブの雇い主デューハースト大佐。
いま、最も劇団の成長株といえる大多和民樹が演じます。

今回はいつもよりちょっと年上の役。
田舎の大地主の典型であり、
小生意気な若い夫婦を、何とか受け入れるが…。
こういったちょっと癖のある役が、
またさらに彼を一歩進めてくれるだろうと思います。


後半デイブが独立して家具職人を始める。
その若い雇われ職人サミイ役には本多弘典。

考えてみれば、入団以来、
ほとんどの本公演についている。
遅咲きの俳優ですが、
好奇心旺盛に稽古場に向かう姿勢や、
思い切りの良さは、好感が持てる。
一歩ずつ、あせらず進んでほしい俳優である。


作品の序盤に登場する運送屋その1、三木元太。

今年はスープ劇場で初演出も経験し、
劇団の中堅のかなめになりつつあります。
俳優としても、ぜひそうなるような、
アグレッシブな挑戦を見てみたい一人です。

運送屋その2、篠澤寿樹。

今回は稽古場で、演出助手として仕切る姿が印象的。
若い後輩たちも増えて、
もう、新人ではない彼も、さらなる挑戦を期待したい。
劇団一の長身は、どこにいても目立つ。
それもまた武器にしてほしい。
後半も、一瞬でてきますよ~。

そして、実はカーン家の血を引く最後の一人ダニイ・シモンズ。
声だけの出演山智子

声だけという噂ですが、
一瞬…、本当に一瞬。
彼女の姿を見ることができます。
お見逃しなく。
彼女も今年から劇団員になった一人。
語り口は朴訥ながら、
稽古場に一番乗りしている彼女の勤勉さは、
芝居に向かう情熱は人一倍。
今回は一瞬ですが、
きっと彼女の姿を見る機会は増えてくるのでは???


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ウェスカー連続上演

アーノルド・ウェスカー/作 木村光一/訳

大麦入りのチキンスープ  入江洋佑/演出 
ぼくはエルサレムのことを話しているのだ 志賀澤子/演出

2012年9/6~17
◆=大麦入りのチキンスープ
●=ぼくはエルサレムのことを話しているのだ 
*=Low Price Day
※=アフタートーク
9/6木 19時◆
9/7金 19時●
9/8土 14時◆/※/19時● 
9/9日 14時●/※/19時◆
9/10月 19時◆*
9/11火 19時●*
9/12水 19時●
9/13木 19時◆
9/14金 19時◆
9/15土 14時●/※/19時◆
9/16日 14時◆/※/19時●
9/17月 14時●
開場は開演の30分前

会場:ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線武蔵関より徒歩7分)
全席自由

前売(一般)3800円/前売(学生)3000円
当日(同一料金)4500円
10日(月)と11日(火)はロープライスデー 2500円均一
2作品セット券(2作品セット)=6200円

☆★アフタートーク★☆
9月8日(土)14時・・・終演後
木村光一(演出家・翻訳) × 入江洋佑(TEE)

9月9日(日)14時・・・終演後
七字英輔(演劇評論家) × 志賀澤子(TEE)

9月15日(土)14時・・・終演後
川成洋(大学教授) × 入江洋佑(TEE)

9月16日(日)14時・・・終演後
山本健一(元朝日新聞記者) × 志賀澤子(TEE)


公演の詳細はHPへ
http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/wesker/wesker.html

webチケットの申し込みはこちらへ
http://www.tee.co.jp/ticket-web.html

カーン一族たち。

2012-09-10 20:52:45 | 東京公演
この芝居は、イギリスの労働者階級・カーン一家を中心にした物語。
この一家、とにかくおしゃべりばかり。
いやいや、一家というより、一族かな。

まずは今回上演の2作品両方に登場する最後の人物シシイ・カーン。
ハリイの妹、アダとロニイの叔母さんにあたる。
『大麦…』では、労働組合で働き、
優秀なオルガナイザーとして活動している。
おしゃべり好きはまぁ、当然として、
サラとはまた違ったタイプの女性である。
活動家を引退した後は、
親戚の間を転々としているとか。
生涯独身(?)で、
そういう意味では、思うままに生きている。

そんなシシイ・カーンを演じるのは、
『大麦…』では、町田聡子。

この作品の彼女ももう劇団では中堅の女優となり、
稽古場には後輩が増えている。
学校公演の“先乗り”の牽引車である彼女は、
日常的に学校の先生に会いに行き、芝居の話をする。
そういうところは、
優秀なオルガナイザーとしてのシシイが重なる。
芝居小屋の本公演は久しぶりだとか。

同じく『ぼくは…』でのシシイ・カーンは、奈須弘子。

こちらは、後述するエステル・カーンとのコンビ。
掛け合いが面白く、
エステル役の冨山とのイキのあった芝居が、
舞台を和ませている。
彼女は、舞台上に、
ふわっとした時間を作ってくれる。


『ぼくは…』に登場するアダとロニイもう一人の叔母エステル・カーン。
冨山小枝が演じる。

『マイという女』の老け役いらい、
彼女の老け役は評判が良い。
今回は知識でもなく、
徹底した底辺にいる労働者階級の女。
コメディであり、
また、悲劇でもある。
奈須と2人、客席を沸かせてくれることを期待している。


そしておまけ。
カーン家の一員ではないが、サラの兄。
その縁でカーン家に出入りしている。
演じるのは浅井純彦。

この夏は、『目をさませトラゴロウ』のちょっとしたツアーがあった。
そこでは子どものトラ役、
『風の又三郎』の5年生の少年……、
年齢不詳で、不思議に幅のある俳優。
今回は実年齢に近い配役か。
浅ちゃんの新たな引き出しをのぞいてみたい。


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ウェスカー連続上演

アーノルド・ウェスカー/作 木村光一/訳

大麦入りのチキンスープ  入江洋佑/演出 
ぼくはエルサレムのことを話しているのだ 志賀澤子/演出

2012年9/6~17
◆=大麦入りのチキンスープ
●=ぼくはエルサレムのことを話しているのだ 
*=Low Price Day
※=アフタートーク
9/6木 19時◆
9/7金 19時●
9/8土 14時◆/※/19時● 
9/9日 14時●/※/19時◆
9/10月 19時◆*
9/11火 19時●*
9/12水 19時●
9/13木 19時◆
9/14金 19時◆
9/15土 14時●/※/19時◆
9/16日 14時◆/※/19時●
9/17月 14時●
開場は開演の30分前

会場:ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線武蔵関より徒歩7分)
全席自由

前売(一般)3800円/前売(学生)3000円
当日(同一料金)4500円
10日(月)と11日(火)はロープライスデー 2500円均一
2作品セット券(2作品セット)=6200円

☆★アフタートーク★☆
9月8日(土)14時・・・終演後
木村光一(演出家・翻訳) × 入江洋佑(TEE)

9月9日(日)14時・・・終演後
七字英輔(演劇評論家) × 志賀澤子(TEE)

9月15日(土)14時・・・終演後
川成洋(大学教授) × 入江洋佑(TEE)

9月16日(日)14時・・・終演後
山本健一(元朝日新聞記者) × 志賀澤子(TEE)


公演の詳細はHPへ
http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/wesker/wesker.html

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命をかけた言葉

2012-09-07 14:57:42 | 東京公演
「いのちをかけた言葉は、いのちをかけた行為を生む」
アーノルド・ウェスカーが『彼ら自身の黄金の都市』で、
主人公のアンドリューコバムの言葉として、書きつけたものである。

『大麦…』では、カーン家の一員ではない人間であり、
『ぼくは…』では、カーン家の一員となっている。
娘アダの夫デイブ・シモンズのこと。
まだまだアダが少女だったころ、
デイブは党活動の中心にいた。
そして、スペイン戦争に志願兵として参加していく。
スペインでの時間が彼をどう変えたのか。
そして、彼を待ち続けたアダがどう変わったのか。
2つの作品を通して見えてくる。

とくに『ぼくは…』は、デイブとアダの夫婦の物語。
社会主義は遠くにあるものではなく、
自分たちの手に届くであることを実践しようとした。
ロンドンから離れた郊外の田舎暮らし。
デイブの仕事場からは自分たちの住む家が見えていて、
アダや、子どもたちの姿を身近に感じながらはたくことができる。
働くということが生きるということである。
そのことは、ぼく自身もずっと考えてきたことだ。
演劇をして生きていくということと、
同じだと思う。

そしてこの家族の物語の結末が、
もちろん終わりではなく、
新たな一歩であるということが、
いま、この時代でこそ、
実感として迫ってくる思いである。


そんな、理論と知性、行動力を持った男デイブを演じるのは、
『大麦…』では、坂本勇樹。
全国の中高生から大きな支持を得ている
『ラリー ぼくが言わずにいたこと』の主演として抜擢されて以来、
着実に経験を重ねている。
旅公演の主演というものは、本当に大きなものを背負っていかなければならない。
まだまだ新人の彼は、少しずつ、その重さを実感している。
経験が少ないことが、旅ごとに彼の飛躍的な成長となって帰ってくる。
だから、今度も、彼には期待してしまうのだ。
さぁ、遠慮なく先輩たちに肉迫してほしい。

そして、なんといっても、今や劇団の中心で大車輪の活躍をしている公家義徳。

『ぼくは…』では、まさに自分の役割を自覚して、
稽古場を牽引している。
彼の原点が、俳優教室で上演した
『彼ら自身の黄金の都市』のアンドリュー・コバムだったというのは、
自ら公言している。
ウェスカーの書きつけた言葉の重みを感じ、
しっかりと根を張った覚悟でいる。
どうか、彼の生きざまを見逃さないでほしい。

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ウェスカー連続上演

アーノルド・ウェスカー/作 木村光一/訳

大麦入りのチキンスープ  入江洋佑/演出 
ぼくはエルサレムのことを話しているのだ 志賀澤子/演出

2012年9/6~17
◆=大麦入りのチキンスープ
●=ぼくはエルサレムのことを話しているのだ 
*=Low Price Day
※=アフタートーク
9/6木 19時◆
9/7金 19時●
9/8土 14時◆/※/19時● 
9/9日 14時●/※/19時◆
9/10月 19時◆*
9/11火 19時●*
9/12水 19時●
9/13木 19時◆
9/14金 19時◆
9/15土 14時●/※/19時◆
9/16日 14時◆/※/19時●
9/17月 14時●
開場は開演の30分前

会場:ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線武蔵関より徒歩7分)
全席自由

前売(一般)3800円/前売(学生)3000円
当日(同一料金)4500円
10日(月)と11日(火)はロープライスデー 2500円均一
2作品セット券(2作品セット)=6200円

☆★アフタートーク★☆
9月8日(土)14時・・・終演後
木村光一(演出家・翻訳) × 入江洋佑(TEE)

9月9日(日)14時・・・終演後
七字英輔(演劇評論家) × 志賀澤子(TEE)

9月15日(土)14時・・・終演後
川成洋(大学教授) × 入江洋佑(TEE)

9月16日(日)14時・・・終演後
山本健一(元朝日新聞記者) × 志賀澤子(TEE)


公演の詳細はHPへ
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絶対に泣いたりしちゃいけないんだ、ぼくたちは!

2012-09-05 16:16:28 | 東京公演
この家族の息子。ロニイ。
道化役でもあり、『ぼくは…』ではもう一人の主役とも言える。
理想主義に生きようと都落ちをした姉夫婦を、
冷やかし半分、照れ半分でからかいつつも、
実は最も希望を寄せ、信じ、
応援しているのだ。
『大麦…』の頭のシーンでは、まだ赤ちゃんだったりする彼は、
カーン家の血筋とも言えるのか、
資本主義社会に移ろうとする世界に、
なんとか反旗を翻そうとするのだが…。

1世代前運動である母たちの挫折を感じ、
自分と同世代の運動の実践をしようとした姉たちの挫折を見る。
余談だが、三部作のもう1本『根っこ』では、
このロニイの恋人が主役の物語だったりするし、
日本では翻訳の木村光一さんの演出で知られている『キッチン』(調理場)は、
ロニイが働く調理場の物語だったりする。

そんな彼は、ムードメーカーでもあり、
皮肉屋。
まじめすぎるとつい照れてしまう。
だからいつも、家族を茶化して、
本音をなかなか見せてくれない。
その割に、けっこう家族を見ていたりもする。
ロニイが叫ぶ。
たとえ、挫折や敗北を繰り返しても、
絶対に泣いたりしちゃいけないんだ、ぼくたちは…!!

どちらの芝居でも、
キーポイントプレイヤーといえるロニイ・カーン。
難しい役どころを、
今年劇団員に昇格した2人の新人が競演する。
『大麦…』では、篠原祐哉。

『目をさませトラゴロウ』ではみつばち役で、
身軽でアクロバティックな一面を見せてくれた。
そんな彼が、動きではなく、
言葉に込められた重さや、軽さ、
どんなロニイを見せてくれるのか。

そして『ぼくは…』では、雨宮大夢。

『ラリー ぼくが言わずにいたこと』や、
『目をさませトラゴロウ』にすでに出演しており、
学校公演やおやこ劇場公演など、
新人とは思えないような活躍を見せている。
周りがすべてが先輩という稽古場でもまれながら、
日々奮闘している。
純粋で、まっすぐな彼だが、
その殻をどう打ち破ってロニイを見せてくれるのかが楽しみだ。

2人には、
もっともっと、
高く高く、飛躍してほしいと願ってやまない。


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ウェスカー連続上演

アーノルド・ウェスカー/作 木村光一/訳

大麦入りのチキンスープ  入江洋佑/演出 
ぼくはエルサレムのことを話しているのだ 志賀澤子/演出

2012年9/6~17
◆=大麦入りのチキンスープ
●=ぼくはエルサレムのことを話しているのだ 
*=Low Price Day
※=アフタートーク
9/6木 19時◆
9/7金 19時●
9/8土 14時◆/※/19時● 
9/9日 14時●/※/19時◆
9/10月 19時◆*
9/11火 19時●*
9/12水 19時●
9/13木 19時◆
9/14金 19時◆
9/15土 14時●/※/19時◆
9/16日 14時◆/※/19時●
9/17月 14時●
開場は開演の30分前

会場:ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線武蔵関より徒歩7分)
全席自由

前売(一般)3800円/前売(学生)3000円
当日(同一料金)4500円
10日(月)と11日(火)はロープライスデー 2500円均一
2作品セット券(2作品セット)=6200円

☆★アフタートーク★☆
9月8日(土)14時・・・終演後
木村光一(演出家・翻訳) × 入江洋佑(TEE)

9月9日(日)14時・・・終演後
七字英輔(演劇評論家) × 志賀澤子(TEE)

9月15日(土)14時・・・終演後
川成洋(大学教授) × 入江洋佑(TEE)

9月16日(日)14時・・・終演後
山本健一(元朝日新聞記者) × 志賀澤子(TEE)


公演の詳細はHPへ
http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/wesker/wesker.html

webチケットの申し込みはこちらへ
http://www.tee.co.jp/ticket-web.html

理想主義を生きるということ。

2012-09-04 08:40:18 | 東京公演
誰もが生きることに希望を持ち、
自らの理想とする生活をしてみたいと思うだろう。
しかし、なかなかそうはいかないのが現実。

『大麦入りのチキンスープ』が母サラの物語とすると、
『ぼくはエルサレムのことを話しているのだ』は娘アダの物語だ。
子どもの頃からサラたち“活動家”の日常の中で育てられ、
人が人として生きること、
そのことを彼女なりに考え続けてきた。
その中で出会ったデイブとの恋。
同じ夢を描ける恋人との生活。
『大麦…』では、好奇心旺盛に大人たちにくっついていただけの少女が、
『ぼくは…』では、理想を生きるために都会を離れ、
郊外で暮らすことを実践する。

そんなアダを演じるのは、『大麦…』では永野愛理。

昨年研究生時代から『銀河鉄道の夜』の今年から劇団員となり、
男の子役に大抜擢され、今回の公演でもこの大役。
好奇心旺盛で、まだまだ知らないことばかり。
稽古場で飛び交う言葉に食いついていくのは、
まさに若いアダそのもの。
期待がかかっている。

そして『ぼくは…』で、アダを演じるのは桑原睦。

2月公演の『荷(チム)』では、
切なさと美しさの中ではかなく散った、
敗戦直後の日本に残された朝鮮慰安婦という難しい役柄を、
演出の坂手洋二さんの熱い期待に応えることができた。
これまでの殻を破り、大きく飛躍したと言える。
希望と挫折と、新たな出発という強さが要求される。
今度もまた、さらに飛躍していく彼女を見てみたい。


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

ウェスカー連続上演

アーノルド・ウェスカー/作 木村光一/訳

大麦入りのチキンスープ  入江洋佑/演出 
ぼくはエルサレムのことを話しているのだ 志賀澤子/演出

2012年9/6~17
◆=大麦入りのチキンスープ
●=ぼくはエルサレムのことを話しているのだ 
*=Low Price Day
※=アフタートーク
9/6木 19時◆
9/7金 19時●
9/8土 14時◆/※/19時● 
9/9日 14時●/※/19時◆
9/10月 19時◆*
9/11火 19時●*
9/12水 19時●
9/13木 19時◆
9/14金 19時◆
9/15土 14時●/※/19時◆
9/16日 14時◆/※/19時●
9/17月 14時●
開場は開演の30分前

会場:ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線武蔵関より徒歩7分)
全席自由

前売(一般)3800円/前売(学生)3000円
当日(同一料金)4500円
10日(月)と11日(火)はロープライスデー 2500円均一
2作品セット券(2作品セット)=6200円

☆★アフタートーク★☆
9月8日(土)14時・・・終演後
木村光一(演出家・翻訳) × 入江洋佑(TEE)

9月9日(日)14時・・・終演後
七字英輔(演劇評論家) × 志賀澤子(TEE)

9月15日(土)14時・・・終演後
川成洋(大学教授) × 入江洋佑(TEE)

9月16日(日)14時・・・終演後
山本健一(元朝日新聞記者) × 志賀澤子(TEE)


公演の詳細はHPへ
http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/wesker/wesker.html

webチケットの申し込みはこちらへ
http://www.tee.co.jp/ticket-web.html