a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

3月3日の「演劇・映画・芸能界のセクハラ・パワハラをなくす会」による「馬奈木厳太郎弁護士による性暴力の告発」と、3月1日付の馬奈木厳太郎弁護士の「ご報告と謝罪」を受けて

2023-03-08 09:40:30 | Weblog
東京演劇アンサンブルは馬奈木厳太郎弁護士と一切の関係を断ち、
被害者の方の「弁護士会からの除名」「今後弁護士として活動しないこと」という訴えに賛同することをここに表明いたします。

馬奈木厳太郎弁護士は、現在の稽古場「野火止RAUM」に移転する際、建物賃貸借契約の連帯保証人でした。
わたしたちは、速やかに馬奈木厳太郎弁護士への連帯保証人の依頼を解除します。

馬奈木厳太郎弁護士とは、同氏が弁護団事務局長を務めていた「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟を通じて出会いました。
学習会やアフタートークを依頼したこともあります。
その後、馬奈木厳太郎弁護士は演劇界のセクハラ訴訟の弁護人となり、ハラスメントについても各地で講習を行い始めました。
わたしたちも馬奈木厳太郎弁護士のハラスメント講習を受けました。
その馬奈木厳太郎弁護士が、性暴力の加害者であるなど、考えてもみないことでした。
今回の告発によって明らかになった事実は、力によって弱い立場にいる者を踏みにじる卑劣な行為であり、決して許されるものではありません。
劇団内に被害者がいないかどうかも慎重に確認しました。
わたしたちは、このような人物に信を置いてしまったことを心から悔やみます。
また、わたしたちが気づかずに交流を続けたことによって、更なる加害に加担していたのかもしれないという事を悔やみます。
劇団を信頼し、公演だけでなく学習会やアフタートーク等に積極的に参加してくださったみなさまにも、
大きな失望とショックを与えてしまったことを、心からお詫び申し上げます。

今回、被害者の方が怒りと勇気をもって告発してくださったおかげで、わたしたちは事実を知ることができました。
被害者の方の傷やトラウマは計り知れません。
わたしたちは被害者の方の「弁護士会からの除名」「今後弁護士として活動しないこと」という訴えに賛同します。

わたしたちはあらためて、このような「力による支配」に抗い、事実から目を背けず、ハラスメントを許容しない立場をもって演劇活動を続けていきます。


2023年3月8日
東京演劇アンサンブル劇団員一同

稽古場にて、ハラスメント講習会を実施しました。

2023-02-03 13:10:11 | Weblog
2月1日、東京演劇アンサンブルでは、
3月公演『送りの夏』の稽古に合間を縫って、
今年もハラスメント講習会を実施しました。



1年ぶり2回目の講習となります。
僕たちの劇団は2022年5月18日に
『ハラスメントと差別に対するステートメント及びそのための防止対策』
を発表しました。
その中に『定期的なハラスメント講習を実施する』とあるように、
日頃から考え、アップデートを続けていくため、
今後も定期的に行なっていく予定です。

講師にはフリーランスの舞台制作者であり、
劇団協議会や他団体でも勉強会を実施している古元道広さんにお願いし、
「安全・安心で自由な稽古場のために」
という勉強会を開きました。



休憩を挟んだ前後半で、
前半では一般的なハラスメントに対する理解、
後半では劇団という創造団体のケースに寄り添ったお話を伺いました。
その中でも印象深いのが
「ハラスメントについて学ぶことが自分たちの行動を制限してしまうものではなく、
今後どういう創作現場を作っていきたいのかという前向きな話になったら」
という部分です。
次の日から全てとはいきませんが、
自分たちの理想につながる一歩や半歩を実践していくことが、
より良い創作現場に繋がっていくのかなと思いました。
そして、それは今後生まれる作品自体にも影響していくことだと思います。
改めてまして、古元さんありがとうございました。



文責
和田響き

訃報 荘司美代子

2020-04-20 11:44:27 | Weblog
訃報



東京演劇アンサンブル所属の俳優・荘司美代子が、
2020年4月7日、脳出血のため亡くなりました。
83歳でした。葬儀は4月12日に近親者のみで執り行われました。
お別れの会などにつきましては現時点では予定がたてられず、後日ご連絡いたします。

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荘司美代子 しょうじ みよこ(本名:田中美代子)1936年7月12日生
俳優座養成所7期を経て1958年劇団三期会(現在の東京演劇アンサンブル)入団。
以後、舞台俳優として活動するかたわら、声優としても活躍してきた。
ジャックインプロダクションに所属し、ナレーション、吹き替えのほか、
講師として若い人の育成にも力を注いだ。
最後の舞台は2019年9月『出雲のオクニ』(シアターX)となった。
2020年4月7日、東京都杉並区の自宅にて死亡。
死因は脳出血。年齢83才。

尚、時節柄生花は御辞退させて頂いております。
また、死因は新型コロナ等に起因するものでは無い事をあらためて追記いたします。
併せて、お別れの会などは世間の自粛が解かれた頃合いを見計らって行う予定。
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東京演劇アンサンブルでの代表作は、
宮沢賢治/作 広渡常敏/脚本・演出『銀河鉄道の夜』女の子 1987年
キャリル・チャーチル/作 志賀澤子・堀真理子/演出『沼地-FEN』50才から6才までの4役 1996年
佐野洋子/作 いずみ凜/脚本 広渡常敏/演出『ぼくの鳥あげる』下宿のおかみさん 1993年
エルフリーデ・イェリネック/作 ティルツァ・ブルンケン/演出『ノラが夫を捨てたあと』リンデ夫人 1998年

声優としての出演作品は
テレビアニメ『ムーミン』1969・1972 ミムラ姉さん
劇場アニメ『千年女優』2002 藤原千代子 ※2003年度アニー賞声優賞ノミネート


『リボンの騎士』ヘケート
『けろっこデメタン』雨子
『機動戦士ガンダム F91』モニカ・アノー
など

入江洋佑と伊藤克を送る会

2019-08-19 19:37:58 | Weblog




東京演劇アンサンブル代表・入江洋佑が8月5日に、劇団員の伊藤克が7月7日に亡くなりました。
劇団では、創立メンバーで代表・俳優・演出家だった入江洋佑と、
劇団を代表する俳優として最後まで舞台に立ち続けた伊藤克を送る会を開きます。

日 時  9月14日(土)15時より
会 場  旧・ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線「武蔵関」)
会 費  5,000円

現在劇団は、新座市野火止に移転し、「旧・ブレヒトの芝居小屋」は取り壊し間近と聞いております。
が、二人は新座の稽古場を見ぬまま逝きました。
二人を送るのはやはり「ブレヒトの芝居小屋」がふさわしいと考え、
大家さんと交渉して1日限りの復活です。
エアコンはありませんが、涼しい環境をつくる努力はいたします。

みなさまとともに、60年以上舞台を創りつづけた二人の演劇人を送りたいと思います。
ご出席の方はご一報いただけると幸いです。
(供花はご辞退させていただきます。)

2019年8月19日

TEE東京演劇アンサンブル
〒352-0011埼玉県新座市野火止3-16-24
TEL:048-423-2521 FAX:048-423-8738
e-mail:tee@tee.co.jp

どん底からのことば~番外編~国会前から

2015-09-03 10:26:38 | Weblog
8月30日、
私は安保法案に反対する国会前大行動に行きました。
公演を間近にひかえた『どん底』のメンバーもその日の稽古時間を後にずらして参加し、
他の劇団員も何人か、それぞれの思いで参加しました。



思えば私が初めてデモに行ったのは今から十数年前、
新ガイドライン関連法案に反対する運動でした。
その時から今まで様々なデモなどに行きましたが、
いつも警察にがっつり規制をしかれ、
歩道を2列ぐらいでチマチマと進むようなものでした。
なぜ外国の運動のようにならないのか……それを裏付けるこの国の政治や世の中の動きへの関心の低さ、
声をあげることをためらう空気感を、
とてももどかしく思っていました。
しかしこの日は、
私の経験の中では未曾有の人数が集まり、
その勢いは国会前の規制が決壊する事態に繋がりました。
やがてものすごい人々の中でランダムにいくつかの盛り上がり地点が生まれていました。
様々なコール、
カラフルなのぼりやプラカード、
歌、
音楽、
スピーチ、
救護所、
給水所もあったり、
具合の悪くなった人を運ぶ外国人、
途中でおにぎりを食べるおばちゃん、
周囲にお菓子を配るおじさん、
叫び続ける人、
休む人、
などまるでお祭りのようだなと思いました。
劇団員も相変わらずみんな自由行動で、
国会前が解放された瞬間最前線に走った者、
高い所や後ろの方から人々のうねり、熱気を眺めていた者……
次の日、各場所でどんなことが起こり、何を思ったかという話に花が咲きました。
また、劇団に関わっているスタッフの方、
公演を通して知り合ったお客様や友人も数多く参加していて、
その報告を耳にし、公演以外でこういうことを共有できるのは本当に嬉しいなと思いました。



この法案、
アメリカとつるんで大国ぶってるこの国が戦争のできる国になるということは、
諸外国の不信感を煽り、
市井の人々をますます不安に陥れることだと思います。
私がこれまで人生に費やしてきたエネルギーや生き方を、
更なる悲しみを生む力に加えたくない、と強く思います。
でも、この法案は今わき起こっている期待とは裏腹に、
完全に成立してしまうかもしれません。
そしてこの新しい波もこの法案に関してだけの盛り上がりで、
だんだん消えてしまうかもしれないし、
または良くない方向に向かってしまうかもしれない。
でもそうであるならば私はまた声をあげ、
行動することを続けようと思います。
運動の有効性ばかり考えたり、
自分の小心に身を委ねている間にも誰かを踏みにじっているという恐ろしさを、
忘れることが私は恐ろしいのです。
この劇団のレパートリー『目をさませトラゴロウ』という芝居にあるように、
大好物の肉まんじゅうがコロコロ転がってくるのを待つトラではなく、
夢のオルゴールを飲みこんだトラでありたい……理想を持って生きることを自ら手放さないように、
これからも自分に働きかけていきたいです。

文責:町田聡子


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東京演劇アンサンブル公演
どん底

2015年9月10日~20日
ブレヒトの芝居小屋

作……M・ゴーリキイ
訳……神西清
演出……三由寛子
音楽……池辺晋一郎

装置……三木元太
照明……真壁知恵子
効果……大場神
衣裳協力……竹内陽子
宣伝美術……本多敬
舞台監督……三木元太
効果オペレーター…篠原祐哉
制作……小森明子・太田昭・辻尾隆子
制作チーム……TEE運営委員会
演出助手 ……奈須弘子・永濱渉
舞台監督助手……入江龍太・雨宮大夢・大橋隆一郎


料金
前売一般=3800円 前売学生=3000円 Low Price Day=2500円

全席自由

■キャスト
ミハイル・イワーノヴィッチ・コストゥイリョフ=竹口範顕
ワシリーサ・カールポヴナ=折林悠
ナターシャ=星野瑠莉
アブラーム・メドヴェージェフ=尾崎太郎
ワーシカ・ペーペル=小田勇輔
アンドレイ・ミートリイチ・クレーシチ=本多弘典
アンナ=冨山小枝
ナースチャ=山崎智子
クワシニャー=名瀬遙子
ブブノーフ=志賀優寛
サーチン=大多和民樹
役者=熊谷宏平
男爵=坂本勇樹
ルカ=浅井純彦
アリョーシカ=上原和幸
クリヴォイ・ゾープ=和田響き
だったん人=三瓶裕史
浮浪人たち=三浦潤子・上條珠理・正木ひかり・永野愛理・雨宮大夢・大橋隆一郎・永濱渉


9/10 Thu 19:00
9/11 Fri 19:00◆1
9/12 Sat 14:00
9/13 Sun 14:00
9/14 Mon ×××
9/15 Tue 19:00★
9/16 Wed 19:00★
9/17 Thu 19:00
9/18 Fri 19:00◆2
9/19 Sat 14:00
9/20 Sun 14:00

◆1=アフタートーク=堀潤さん
◆2=アフタートーク=白井聡さん
★=Low Price Day=2500円均一

TEE-Web ticket

『どん底』HP


blog
どん底からのことば~1
どん底からのことば~2
どん底からのことば~3
どん底からのことば~4
どん底からのことば~5

7.24首相官邸包囲について

2015-07-22 12:53:28 | Weblog
どん底への道=安倍政権NO!

東京演劇アンサンブルは
7.24首相官邸包囲に参加します。





「われらは、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有する」はず!!
しかし、戦争法案の強行採決をはじめ、
原発推進、
沖縄の辺野古・高江への基地建設強行、
学校教育の国家統制、
労働法制・TPP・消費税・社会保障などの分野での暮らしの破壊など、
安倍政権はわたしたちを侮辱しつづけています。


「人間を踏んづけるな」

(マクシム・ゴーリキイ『どん底』より)

民主主義と人間の尊厳をわたしたちの手に!!


7.24首相官邸包囲 http://abe-no.net/

2015年のスタートはスープから。

2015-01-07 09:50:31 | Weblog
2015年スタートしました。
昨年末、
ブログの更新をさぼってしまいました。
反省。

さて、
東京演劇アンサンブル、
最初の公演は、
お久しぶりのスープ劇場です。
年末年始休まず稽古を続け、
追い込みに入っております。
残席僅かとなっておりますので、
お早めにお申し込みください。

東京演劇アンサンブル スープ劇場Ⅶ

『あなたのために』
作=太田あきら
演出=三木元太
出演=渡邉みゆき 和田響き


『ジョンとジョー』
作=アゴタ・クリストフ
訳=堀茂樹
演出=三由寛子
出演=熊谷宏平 坂本勇樹 尾崎太郎


小作品の二本立てです。

◇日時 2015年1月10日(土) 14:00開演
◇会場 ブレヒトの芝居小屋
◇料金 1500円
※終演後にスープを飲みながら、アフタートークがあります。 

ぜひ、足をお運びください。


そして、昨日は、3月公演、
そういつ60年記念公演第三弾となる、
『第三帝国の恐怖と貧困』
稽古がスタートしました。
スタッフの皆様も顔をそろえていただき、
劇団員ほとんどが出演するという公演。
小稽古場にぎっしりで、
期待が膨れ上がります。



こちらの情報も、随時更新していきます。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

2014年、はじまる。

2014-01-16 17:37:59 | Weblog


ということで、
ご挨拶が遅れました。

寒中お見舞い申し上げます。

劇団は新年5日から顔合わせで始まり、
6日には、『屠畜場の聖ヨハンナ』の稽古でスタートしました。

今年は劇団創立60周年。
創立メンバーは、わずかに2名。
しかし、新たな20代からの若者たちが加わっており、
元気に活動しています。

公演としては、
東京演劇アンサンブルらしくドイツ演劇にどっぷり。
タリさんの次世代とも言える3人が演出を担当します。
まずはそのトップを小森明子が、
ブレヒト作品で東京演劇アンサンブル初上演の『屠畜場の聖ヨハンナ』
世界恐慌直後のアメリカを舞台に描かれた作品ですが、
まさに、今の世界とマッチしてしまう物語です。
久々出演の久我あゆみも緊張気味に稽古場に向かっています。
総勢38人プラス1という出演陣。
劇団の総力を挙げて取り組みます。

秋の公演は、
ただいまドイツでは売れっ子作家のデア・ローアー作『無実』
こちらは日本初上演です。
個人の物語が紡がれ、
世界とのつながりを感じるような作品。
『忘却のキス』『修復不能』(紛争地域からの演劇・ITI)の演出で活躍している、
公家義徳が演出。

そして、来年3月。
60周年記念公演の締めくくりとして、
再びブレヒト作品。
『第三帝国の恐怖と貧困』を松下重人が演出します。
保守右翼に急速に旋回を続けるこの国で、
ほとんど同じ思いに駆られるブレヒトの代表作に挑みます。

もちろん、本公演のほかにも、
旅公演などなど、いろいろと上演していきます。
『桜の森の満開の下』
『銀河鉄道の夜』
『ラリー ぼくが言わずにいたこと』
『目をさませトラゴロウ』
『音楽劇 はらっぱのおはなし』
と、忙しくなりそうな予感がします。
2月には研究生たちによる『さるぐつわ』の公演もあります。

すでに、『桜の森の満開の下』の公演班が、
今日から長野演鑑連の旅に行っています。

どうぞこれからの1年も、
昨年同様、よろしくお願いします。
いろんなところで、
たくさんの出会いを求めていきたいと思います。




2013年、終わる。

2013-12-29 17:10:25 | Weblog


2013年、今年の本公演は、
『忘却のキス』、
『はらっぱのおはなし』、
『銀河鉄道の夜』、
旅公演では、
『ラリー ぼくが言わずにいたこと』
『銀河鉄道の夜』
『桜の森の満開の下』
と上演いたしました。

延べ一万人を超すお客様にご覧いただきました。
今年もたくさんの方と出会うことができ、
笑顔の絶えない日々を送ることができました。
本公演では新しいスタッフを迎え、
大きな刺激を与えてくれました。
これまでの心強いスタッフに加え、
今後も末永くお付き合いいただきたいと思います。

2013年、ブレヒトの芝居小屋に通っていただいたお客様、
全国、いろいろな地で作品を見ていただいたお客様、
そして、一緒に呑み、語り合っていただいたお客様、
ほんとうにありがとうございました。

そして、劇団を支え、
供に創造をしてくれたスタッフのみなさま、
多くの方に支えられて一年を終えることができました。
こちもまた、ほんとうにありがとうございました。

2014年は劇団創立60周年。
『桜の森の満開の下』の長野演鑑連の旅公演でスタートし、
小森明子初演出の『屠畜場の聖ヨハンナ』の公演となります。


演劇は、“出会い”の芸術です。
何度も何度も、出会い直したいと思っています。
新たな年も、ぜひブレヒトの芝居小屋に足をお運びいただければと思います。