a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

シンチャオ! ベトナム 3日目

2009-02-28 23:37:01 | 旅公演
2月28日 第3日目

今日は同行している演劇ジャーナリストの山本さんの提案で、
ハノイ平和村を訪問することにする。
今回の公演の通訳をしてくれているティちゃんが、
前日ボランティアをしてきたばかりで、
彼女を通じてお願いしてみる。
土曜日ということもあり、
今日は学校は休み。
家が近い子達は家に帰っているので、
残っている子どもたちがいるだけ。

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ハノイ平和村とは、
1991年12月にドイツ人のボランティア財アンにより設立された施設で、
枯葉剤の後遺症によって生まれた子どもたちを受け入れる、
学校と病院の機能を兼ねた場所だ。
職員は、医者と教師と職業指導員がそれぞれ所属している。
当時はドイモイ政策がスタートしたばかりで、
ベトナムはまだまだ貧しく、
戦争の後遺症もまだまだたくさん残っていた。
現在枯葉剤を浴びた人たちの孫の代になっており、
その中にも、世代を超えた後遺症を抱えて生まれてくる子どもたちが多くいる。
2歳から18歳までの子どもたち120人くらいが在籍し、
スタッフが50人体制で対応している。
120人のうち80%の子どもたちが、
枯葉剤の影響による障害のある子どもたちだ。

これまでの17年間で3000人が卒業し、
知的障害から運動障害まで含めて、
どの症状の子も、それぞれの段階から回復していったという。
たとえば、病気の治療と学校教育だけでなく、
自立した生活のための職業の訓練も行っている。
2001年から、少しだが政府から援助が出るようになった。
1日の食事代が一人当たり9000ドン(=450円程度)、
1日4回の食事をするようになっている。

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↑弟子入り志願中


“平和村”という名前は、
特徴的なこの施設の建設時の思いが、
そのまま表現されているのだ。

とにかく直面している問題は、経済。
ドイツのボランティア団体からの寄付は激減し、
志があっても、低賃金重労働のため、
職員の確保が難しい。
海外からの訪問客は日本人が圧倒的に多く、
日本ベトナム友好協会からは多大な寄付や援助をしてもらっているとのこと。
医療技術の提供もその大きな貢献のひとつだ。

女性の院長のフンさんの言葉は、
だからと言って寄付を募るわけでもなく、
何かを求めているといったものでもなかった。
ただ訪れてくる人たちが、
実際に目で見て、触れて、考えることだと、
その視線が語っているように思えた。

そのあとに、校庭や教室の見学をしながら、
そこらへんにいる子どもたちと遊んだ。
ハノイ大学の18歳の学生たちもボランティアに来ていて、
全体的にやたらに明るく元気な雰囲気が漂っていた。
この施設の特徴を知らなければ、
日本で言う養護学校との違いが、
そんなわからない気がした。
ひとつの現実に触れることができて、
本当に良かったと思った。

ハノイの観光は一切できなかったけど、
ここを訪問できたことで、
すべてチャラにできるな、と思った。



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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

さて、
がラット雰囲気が変わって、
お昼ごはんは青年劇場の代表のフンさんの家にご招待。
車で着くとそこは・・・6階建ての豪邸。
中に入ると数匹の犬がお出迎え、
大型犬も檻にいる。
家の中を通り過ぎると裏には鳥小屋があり、
ガチョウやら何やらが、大騒ぎ。
何だ、ココ。

家の中にエレベーターがあって、
まぁ、どの部屋も豪華。
演出家って、そんなに儲かるのか・・・。
劇団の代表としては公務員なので、
そこの給料よりも、
売れっ子演出家としてのギャラがすごい、とか何とか。
いかにもベトナムの手料理を振舞ってもらい、
やたらに若い・・・きれいな奥さんにもてなされ、
うらやましい限りです。
フンさん、すげーおっさんなのに、
嫁は23歳ですから・・・。
劇団の女優さんだそうな。
う~ん、勉強になりました!

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さて、劇場に入ってみるとアクシデントが・・・。
まず、財布を落とした劇団員が一人。
ま、それはしょうがないんだけど、
小道具がなくなっています!!
青年劇場の持ち小屋なので、
大丈夫かと思いきや、あれよあれよ。

調べてみると、ペンライトも3つなくなっている。
はぁぁぁ。
これまでの仕事で、
すごく信頼していたのに、ちょっと残念。

そのことはきちんとコーディネーターを通じて伝えると、
公演中に代わりのものを買ってきてくれた。
どうやら、劇団の人ではなく、
午前中にほかの用事で使った外部の人たちではないだろうか、とのことだった。
でもまぁ、きっとそうだろうなぁ。
だって、ここのスタッフ、
本当に良く働くし、
信頼できる。

公演のほうは、
雨が降ったりして、ベトナムタイム的に10分押して開演。
7割弱の入りかなぁ。
日本の駐ベトナム大使も観に来てくれて、
楽しんでくれたようだった。

印象的だったはロビーにいた日本語を勉強している学生たち。
なんだか、やたらに喜んでいた。
昨日同様に暖かい雰囲気での公演。
終演後の拍手を聞くと、
暖かさに、手ごたえを感じました。

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そして、バラシ。
打ち上げも兼ねたパーティーもあって、
大歓迎。

僕は主演の俳優たちと、一足早くこちらに来て、
いろいろ交流した。
思いのほか日本人の参加者も多く、
とにかく楽しんでくれたとの感想を多くいただいた。
平和村で通訳してくれた先生も来てくれて、
短い滞在ながらも、
すぐにでも再会したい人たちが多かった。

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使わなかった看板。


副支配人のビンさんの、
一弦琴の演奏もすばらしかった。
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歌謡曲が歌われたり、
ダンスタイムになったり、
バラシ組の仕事が終わって合流。

だんだんヒートアップしてきました。
記念品をいただいたり、
ハノイでの公演の大成功を祝うことができました。
なんだかすごい楽しいパーティ。
在ハノイの日本人の方から、
事前にもっと情報がくれれば・・・というお話も聞き、
それはうれしい誤算でした。

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文字通り、本当にあっという間でしたが、
ハノイでの公演2日目、
無事、終了。



お国柄とはいえ、
携帯電話とカメラの撮影は、
やはりなくしたほうが良いかな。
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シンチャオ! ベトナム 2日目

2009-02-27 23:18:47 | 旅公演
不安な照明がばっちりいったので、
9時に劇場入りは衣裳班と字幕スライド。
スライドは英語と違って、
まったく異国の言葉なので、
現地の反応なども見て、
日々変えていくしかない。

お昼は近所の定食屋さんで、
肉を食す。
これまた安くて、うまい。
海外公演では、
食が合うというのは、
何よりの好条件。

予定通り15時からのゲネプロも、
特に問題なく、
スライドだけが、不慣れな部分が出たりしたが、
そのへんは修正できそう。


開場時間になると、
ぞろぞろとやってくる。
事前の情報では、チケットはとにかく全部はけている。
招待公演なので、
あとは海のものとも山のものとも言えない。
なかなか出だしが悪く、不安になったけど、
開演直前には7割程度埋まり、ほっと一安心。

今回は、
各自一言をベトナム語で披露。
一番ウケタ(?)のは、失業者の元太。
かなり発音が良いらしい。
ベトナム語って、母音が多くて、
結構難しいんだよね。
「水~」を、ベトナム語で言ってるんだけど、
発音がちょっと違うと、
「おしっこ~」になっちゃうんだって。

2時間を越える芝居にもかかわらず、
客席は帰る人もいなく、
かなり集中して芝居を観ていた。
反応もまずまずで、
ラストでは、無責任な神様が、
拍手喝采(?)を浴びていました。

公演初日、
大成功でしょう。
ホッと一息。

たくさんの花束をいただき、
カーテンコールでは、水売り役の浅ちゃんが、
「日本のことわざに、二度あることは三度あると言いまして・・・、
次は青年劇場との共同製作でハノイに来ます!」
だって・・・。
聞いてねぇよ!

てな、感じで、
演ったほうも、
客席の暖かい雰囲気を感じて、
つい、口走ったようです。
何はともあれ、公演初日、終了。

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シンチャオ! ベトナム 1日目

2009-02-26 23:17:46 | 旅公演
すでに4日前に先発第1陣が出発し、
2日目に第2陣が出発している。

基本舞台は現地製作。
なかなかの出来で、順調のようす。

9時に成田集合。
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11時成田発のベトナム航空。
時間とおりのフライト。
ハノイ空港に着くと、
荷物がなかなか出てこないけど、
特に問題なく、
無事ハノイ到着。
先発の志賀ちゃん、荒木さん(VTR撮影)、
コーディネーターのルーンさん、通訳のティンちゃんがお出迎え。

暑い!
とにかく、暑い!
雨のせいか、湿気が多く、日本の夏のよう。
空港から市内への道は、
田園風景と、民家が入り混じった、
絵に描いたようなベトナムの風景で、
道路には、雑多なバイクと車がクラクションを鳴らして行きかう、
まさに異国に来て“歓迎”を受けている感じ。
先発組から、
空港に迎えに来る間に、すでに2回事故った、と聞き、
そりゃそうだよな、と妙に納得した。

市内は、それに輪をかけて人と自転車が加わり、
まさに喧騒。

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おなじみ「水曜どうでしょう」のベトナムの旅のスタート地点も、
DVDで観たとおりの複雑な交差点だった。
ホテルに荷物を置き、タクシーにて移動。
7人乗れるタクシーで、
料金は約2万ドン。日本円で100円。ばか安。

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劇場は3階席までありながら、
こじんまりとした雰囲気で、良さげな空間。
舞台装置はほぼ仕上がって、
照明の仕込み。
照明班以外は、夕食へ。
劇場近くのフォー屋さん。
フォーボーを食べた。
さっぱり系で香草もきつくなく、
春巻きとフレッシュジュースなんかもらった。
14人で8000円くらいだから、1人あたり600円くらい。
量的には少し足りないかなぁ・・・と思うけど。
仕込みも予定よりも早く進んで、
22時には終了。

移動して、仕込みして、翌日公演、
という多忙な海外公演は初めてだけど、
先発の準備の良さと、
日本から持ち込んだ照明卓も問題なく、
ベストの状態。
翌日の入り時間も予定より1時間遅らせられました。
と言っても、字幕班と衣裳班は予定とおり9時入りですが。

ホテルにタクシーで戻り、
ホテルの目の前の小じゃれた呑み屋へ。
ビールが小瓶なのだが、冷やせる量があるらしく、
何本か頼むと、途中からぬるいのが・・・。
銘柄を変えるとまた冷えたものが、
で、ぬるくなったら銘柄を変える、
の繰り返しで何とか冷たいビールを確保。
僕は美容と健康のため赤ワインを。
フルボトルのフランスワインが800円くらい。
とにかく安い!!
軽く焼きそばなんかつまみにとって、
1人400円!!

う~ん、ビバベトナム。
そんな感じで、初日は終了。

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恐ろしく順調で、
明日からが、こわいなぁ。
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終演しましたぁ。

2009-02-24 01:58:04 | 東京公演
ようやく公演が終了しました。
ご報告が遅れまして、
申し訳ありませんでした。

最終日まで、
連日たくさんのお客さんに足をお運びいただき、
本当にありがとうございました。

私個人としましては、
お嬢の出演にはとても助けられ、
親類一同観に来てくれまして、
嬉しい限りでした。
ありがとうございました。

携帯の待ち受け画面も舞台装置の絵にして、
毎日戒めとして、
チケットを売らなければ…、
そう言い聞かせました。

いやぁ、
ほんとに、
来てくれたみなさま、何度でも言います、
ありがとうございました。
おかげさまで、千秋楽は満席となり、
担当制作としては、自己満足。

次の4月の公演も担当になってしまったので、
まだ、多忙さが続きそうです。
あさってからは、ベトナム公演です。

すでに劇団は切り替えて、
先発隊は無事ハノイに到着しております。

また面白い出会いがありますように・・・。
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いよいよ、『アンティゴネ』!!

2009-02-02 02:06:34 | 東京公演
ブログの更新が遅れてしまい、
申し訳ありませんでした。

あっという間に、1月が終わり、
いよいよ5日からの公演が、
迫った来ました。

先日は、
早稲田にあるアバコスタジオで、
音楽録音でした。







今回は四人編成にて。
光さん、さすが!
今までとはまた、
雰囲気が違う、
ステキな仕上がり。
マリンバと、ティンパニが良い!

きっと、力強く舞台を支えてくれるはず!

http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/antigone/antigone.html
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