a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

最後の審判の日、まで……vol.4

2016-02-29 00:10:56 | 東京公演
2月も気付けばもう終わりに近づいてきました。
三寒四温、着るものに迷う季節ですね。
舞台監督助手を担当しています、
三木元太です。
稽古場は、
芝居の稽古と舞台製作・小道具や衣装などの作業であっという間に毎日が過ぎております。

今回の舞台美術をしていただいたのは、
香坂奈奈さん。
東京演劇アンサンブルでは初めての仕事。
彼女は昨年、
文化庁在外研修員として1年間ドイツのベルリーナアンサンブルに留学していたそうです。
いいなぁ。
そのせいなのかは判りませんが、
質問や話しをしていると「イエスイエス」が口癖。
多少の天然と舞台へのこだわりが一緒に仕事をして段々わかってきました。
年齢は何度聞いても教えてくれません。
多分僕と同年代と思うんだけれど……
今回も新たな出会いの中でどんな舞台装置がブレヒトの芝居小屋に出現するのかお楽しみに○



↑ これは舞台装置の一部。
全貌をお見せできないのがもどかしいのですが、
今回は久しぶりに外部発注で製作してもらった大きな装置が出てきます。
鉄という存在は芝居の何を象徴しているのか?


↓ 一番のお気に入り。黄金のピアノイス。



↓ それから今回、舞台監督をしているのは冨山小枝です。



劇団員には意外と思っている人もいますが、
彼女は今回が劇団本公演の舞台監督初めて。
劇団のなかで人望が厚く安心してみていられますが、
本人はかなり不安? なのかな? 小柄な体と大きな声で稽古場を動き回っております。
毎日外部スタッフと密に連絡を取りながら、
作業などの仕事も率先してやり、
若い劇団員たちに時には口うるさくしながら全体を見極めて稽古場を作っています。
しかし朝から深夜まで仕事があるので、
毎日食事はカップ麺やコンビニ弁当ばかり。
うまい魚と日本酒が呑みたいとぼやいております。



↑ 舞台監督の席は必ず演出家の隣。
ストップウォッチやら色々なテープやらメジャーやら……。

美術の高坂さんも忙しい方なので、まだ一度も呑みにいっておりません。
舞台スタッフでうまい酒を一緒に呑みに行けるのは、やっぱり幕があけてからかな~。


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『最後の審判の日』公演情報

2016.3.9-21
Brecht Raum
TEE-Ticket Web

最後の審判の日、まで……vol.3

2016-02-23 00:55:38 | 東京公演
初日まで2週間少々、
日常会話の中でも芝居のセリフが飛び交う季節になってまいりました。

衣裳担当、上條珠理です。




今回の衣裳プランナーは、稲村朋子さん。
アンサンブルでは、『忘却のキス』で出会い、
『屠畜場の聖ヨハンナ』、
『無実』を担当して頂いている、
演出・公家の信頼あついデザイナーさんです。
オランダのNetherland Dance Theatreに文化庁在外研修員として1年間留学し、
帰国後は主にダンスの衣裳を手掛けていらっしゃいます。
衣裳と同じくご本人もスタイリッシュ、
美しい男前顔の気さくなお姉様です。
今回、公家からの希望やイメージ、
具体的な提示というのは特になかったとのこと(丸投げ状態?!)。
信頼の厚さが伺えますね。
「俺、よくわかんない」とのたまう演出家に、
「でたーーーー!」と叫びつつ、
聖書を読んだり、
ドイツの事を調べたり、
映画を見たり、
彫刻展に行ったり、
とフットワーク軽く、次々とインプットしているご様子。
そして、自ら着てみる!
美しいワンピース姿に、皆萌え萌えです(なんかちょっとちがう・・・)


ネタバレしない程度の今回のコンセプトを伺いましたところ、

「役、以上に人間であること」

そう、今回の舞台は、ある時代の、
さまざまな職業や立場、考え方の同じ人、違う人が出てきます。
そして皆が何かそれぞれのことににイライラしている。
そんな全員に、今回は新調の○○○○があります!
キャスト全員が作りたてのオリジナル衣裳を着用するというのは、
アンサンブルの舞台では稲村さんにとっても初めてのことだそうです。
稲村さんが1人ずつフィッティングして、各人違う型のデザインとなっているのです。
作業は、まずは劇団に1反の布が届き、型を取って全員分を切り出すところから始まりました。
そして、それを縫うのは、出演する女優たち。
『最後の審判の日』は、The・男の芝居というだけあって、
女性キャストが極端に少ないのです。
稽古が夜遅くまでかかるため、
作業は夜ちまちまと始まります。
ミシン名人たちは、ミシンと会話し、ミシンを気遣いつつ、
サクサクと作業を進めていきます。
私は…どうも仲良くなれそうにありません。
稲村さんはといえば、なんと英語を話しながらすごいスピードで縫ってゆきます。
○○○○は、間もなく全員分完成予定。
ですが、まだ未定の部分、
稽古を経て決まって行くところもあると思うので、
まだまだ作業は続きます。
今後は出演者以外の女優陣の手もお借りして、
進めていくことになるでしょう。
日々の稽古、
そして作業の積み重ねが凝縮された舞台を、どうぞお楽しみに!!




おまけ
女性楽屋に眠っていた古いミシンです。
入団10数年目の私も、稼働するのを初めて見た代物。
名人たちのメンテナンスにより、ある重要な舞台装置が縫われました。
そして現在も活躍中です。


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『最後の審判の日』公演情報

2016.3.9-21
Brecht Raum
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最後の審判の日、まで……vol.2

2016-02-17 16:29:35 | 東京公演
竹口範顕です。
今回の公演の小道具を担当しています。

当たり前のことですが、
ものがたりの時代設定や舞台となる国や地域は、
作品ごとに異なります。
300年前から近未来へ、
東洋から西洋へ、
南国から北国へという具合に。
どういう小道具を揃えるか、
その都度、舞台美術さんや演出家と相談しながら仕事を進めていきます。

劇団にあるものを使う。(手間もお金も省けて大助かり(^.^) )
小道具の会社から借りてくる。(手っ取り早いがお金がかかる(ーдー) ) 
一から作る。(お金もある程度いるし、手間もかかる) 
持ち時間やお金、そして持っている技術と相談しつつ、どれでいくかを決めることになります。

こちらはよくお世話になっている、高津映画装飾というところからお借りした銃剣。




高津さんは専門の業者さんだけあって、
実に様々な小道具を揃えていらっしゃいます。
担当の方と巨大な倉庫を回りながら必要なものを揃えるのですが、
現在放映中のドラマや、
撮影中の映画の名札がついた小道具をたくさん目にすることになります。


こちらは製作中のくす玉。


レンタルや購入は高くつくので自前で作ることにしました。
といっても、そんな経験者は一人もいません。
ごく小さなくす玉の実物やネット上の写真を見て、
考え考え作っています。


こちらもある小道具の製作風景。


買ってきた鉄骨を切断、
溶接して舞台美術さんの希望するものを作っていきます。
劇団には溶接技術を持った者もいるのです。

こんなふうに小道具によって、
その時々で色んな手仕事が要求されます。
それは大道具や衣裳や、
その他全ての仕事も同じ。
劇団員がそれぞれの得技を活かし、
手分けして仕事を進めています。

本番まであと20日ほど。
手仕事の結集した舞台を、どうぞお楽しみに。


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『最後の審判の日』公演情報

2016.3.9-21
Brecht Raum
TEE-Ticket Web

最後の審判の日、まで……vol.1

2016-02-12 16:19:55 | 東京公演
~最後の審判の日の稽古場より~



演出助手の雨宮大夢です。



フェルディナントという役で出演していますが、
今回は演出助手の一員として、稽古場の様子を報告したいと思います。

今回の稽古場では、
演出助手6人が作品と関連したテーマを各自で調べて稽古場で発表しています。

今回の僕のテーマは「ドイツにおけるユダヤ人の状況」と「戯曲の舞台になった町について」でした。
戯曲が書かれたのは1936年なので、1930年代を中心に調べて発表しました。

必ずしもユダヤ人問題(迫害)というのが戯曲につながるわけではありませんが、
当時の時代背景を語る上では外せない出来事だと思います。

ここでは具体的なことは書きませんが、
1年前に上演した作品『第三帝国の恐怖と貧困』(ブレヒト作)が書かれた時代もまさにこの時代でした。

昨年調べたことを、別の角度から、
また、より深く調べることができたことで、
頭の中で散らばっていたピースが繋がった気がしました。


このように演出助手として発表することもあれば、
個々人が気になったトピックを稽古場で話したり、議論したりすることがあります。

例えば、「ドイツにおける難民について」だったり、
「ベッキーやSMAPの報道について」だったり、
「デートDVってどういうこと?」だったりと様々です。
もちろん直接戯曲のどこどこに繋がる、なんて話ではありませんが、
私たちが演じる以上、自分たちの周りのことを知ることは無関係ではないんですね。



今日は読み稽古の最終日でした。
明日から立ち稽古が始まります。

まだ写真は載せられませんが、とてもビックリする、
ワクワクする舞台装置を劇団員たちで作り上げています!

これからのブログではこういったことのほかに、音楽や衣裳のことも報告できると思います。

是非お楽しみに!!




『最後の審判の日』公演案内

最後の審判の日 by Tokyo Engeki Ensemble

2016-02-09 16:48:45 | 東京公演
東京演劇アンサンブル公演
最後の審判の日
Der jüngste Tag


チラシ表PDF

チラシ裏PDF

作 エデン・フォン・ホルヴァート
訳 大塚直
演出 公家義徳

音楽 長久真実子(チェンバロ)
舞台美術 香坂奈奈
照明 大鷲良一
衣裳 稲村朋子
音響 島猛
振付 菊地尚子
宣伝美術 Heather Hermit
舞台監督 冨山小枝
制作 小森明子 太田昭

2016.3.9~21  12st.
Brecht Raum

3/9 Wed 19:00
3/10 Thu 19:00
3/11 Fri 19:00
3/12 Sat 14:00
3/13 Sun 14:00
3/14 Mon ×
3/15 Tue 19:00★
3/16 Wed 14:00★
3/17 Thu 19:00
3/18 Fri 19:00
3/19 Sat 14:00
3/20 Sun 14:00
3/21 Mon 14:00

当日4500円 
前売(一般)3800円
前売(学生)3000円
★=Low Price Day=2500円
全席自由(チケット申込時に整理番号発行)
Web Ticket


ticket@tee.co.jp

■キャスト
トーマス・フーデツ=坂本勇樹
フーデツ夫人=原口久美子
アルフォンス=竹口範顕
「野蛮人」の亭主=松下重人
アンナ=永野愛理
フェルディナント=雨宮大夢
レーニ―=奈須弘子
ライムグル―バー夫人=志賀澤子
森林労働者=篠澤寿樹
化粧品のセールスマン=和田響き
お巡りさん=伊藤克
コーフート=志賀優寛
検察官=浅井純彦
補佐官=大橋隆一郎
犯罪捜査官=上原和幸
保線作業員=篠原祐哉
ポルコニ=三瓶裕史
客=小田勇輔
女歌手=上條珠理
女=仙石貴久江
こども=大野風香(9日・11日・12日・13日・15日・17日・19日・21日)/長久木葉(10日・16日・18日・20日)
 ※
チェンバロ奏者=長久真実子


研究生公演 『赦せない行為』

2016-02-04 15:16:53 | 芝居小屋企画


2015年度東京演劇アンサンブル研究生公演
赦せない行為

作=森本薫
演出=三木元太


2016年
2月6日(土)19時
2月7日(日)14時
ブレヒトの芝居小屋

入場無料
全席自由


出演
弟=永濱渉
姉=星野瑠莉(劇団員)





2016年度研究生募集中