高倉 健さんがエッセイを出されていたとは、
存じ上げていなくて、BOOKOFFで発見して、思わず手に取りました。
映画、テレビのイメージが先行して、渋い、硬派、怖い
というような印象が固着していました。
エッセイの文体、作風は、正反対で柔らかい感じです。
健さんが役者を演じ通してきて、周りで起きた出来事、生活の一部
に感じた感性を優しい文章で表現されていて、ホッとする
気持ちになります。
映画界で長年、一流を通してきたプライドやエゴみたいなものが
表現されているのかと思いきや、そんなものは全くなく
一流役者の周りで起きている普通の生活の切れ端が
役者を職業とする一人の人物の柔らかい言葉が綴られています。
言葉の構成は、しみじみとした情感を感じられてとても良いです。