発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

リアル・スティール 試写会

2011年12月02日 | 映画
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リアル・スティール試写会 Tジョイ博多。
 物語の核心には触れませんから安心して読んでね。

 ヒュー・ジャックマンは「X-MEN」シリーズの超人とはうってかわって、情けないダメ父として登場する。実際、この映画のボスターやチラシに使われているヒュー・ジャックマンの写真は、もちろん男前さんなのだが、どこか、古谷三敏描くところの「ダメおやじ」に似ている、と思うのは私だけでしょうか。
 ともかく、その男は、元ボクサーで、今は、格闘技用のロボットを持ち、トラックでイベント場に持ち込んでは試合するのを仕事にしてるけど、飲んだくれて借金まみれ。
 しかも、商売道具のロボットが壊れてしまった。 
 ちょうどそのとき、別れた妻が死に、子どもがいない元妻の姉夫婦が、息子の親権を欲しがっているのを知り、元妻の姉の夫(お金持ち)に「金をくれたら親権を放棄する」ことを持ちかけ、了承を得る。そして、夫婦のイタリア旅行の間、息子を預かり一緒に暮らすことになるのだ。
再会した息子に言われてしまう。
「僕を売ったね」
 その通り。サイテーである。
 そのサイテー親父と、ひねくれ息子が、親子の絆を取り戻す、感動のヒューマンドラマなのであります。


 舞台は近未来2020年のアメリカ。人間が行う格闘技は廃れてしまった。格闘技はロボット同士の死闘となっている世界である。
 そのショーは、一大産業となっていて、場末から、移動遊園地、豪華な大スタジアムまで、様々な規模で興行が行われ、ファイトマネーが飛び交い、賭けの対象になり、ときにロボットの持ち主同士で勝敗にお金を賭けることもあるという設定。
 格闘技ロボットといえば、「プルートウ」に出てくるロボットたちを思い出すわけなのだが、作者は手塚治虫とか浦沢直樹とかをリスペクトしてるんだろうなあ。   
 なにしろ、ごみ置き場で主人公親子の拾うロボットの名前は、アトムなのだ。

 1985年つくば科学万博でロボットたちを見て、21世紀になれば、ロボットに生まれたことを悲しく思ったりするロボットが出て来るかしら、と、思っていたけど、まだそこまでは進歩していないみたい。
 映画の世界は、今からまだ10年経たない時代なので、格闘技ロボットは、美しい2足交差パターン歩行など、今のロボットよりさらに洗練された動作を行うが、「プルートウ」(ロボットに人権が!!)や、「アイ,ロボット」(2035年の設定)のような自分で考えて行動する能力はない。遠隔制御の、いってみれば「鉄人28号」型のロボットたちである。だから、ドラマはあくまで人間の物語で、ロボットものの作品についてまわる滅亡の匂いや、もの悲しい感じはしないのである。
 画面がきれい。2時間ちょっとがあっと言う間に終わります。