甲賀市信楽町長野の愛宕山山頂に鎮座される新宮神社:境外摂社「愛宕神社」。御祭神は火の神『火産霊命(ひむすびのみこと)』。土の神『埴山姫命(はにやひめのみこと)』。同じく境外摂社「陶器神社」。御祭神は『天日鉾命(あめのひぼこのみこと)』。「陶祖神」であり、焼物をはじめとする当地方文化の御祖とされます。
ちなみに東京港区芝に鎮座される「愛宕神社」は、慶長八年に『徳川家康』が幕命によって、信楽町長野の愛宕神社の御分霊を祀らせたとの事。由緒としてはこちらの方がずっと古い神社になります。
さて、のっけから信楽焼きの鳥居に出迎えられた私たち、見上げれば鳥居額も信楽焼きで出来ています。ただし、額には「陶器神社」としか書かれていませんが(^^;)
ともあれ、鳥居を潜って山頂にある境内まで行くのですが・・予想外の距離に早くも弱音を吐きかける私。道の所々に埋め込まれた滑り止めは、焼き物の行程で出てくる・・・多分「ケサワ」だったと思う。
石段は更に急に、目指す先は、はるか彼方・・・。毎年7月に行なわれる「しがらき火祭」では、本社の新宮神社から元火を松明に点火し、山頂の愛宕神社に奉納する、荘厳にして古式ゆかしい火祭神事が行なわれるのですが、この山道を夜に駆け上がるんですよ!それってもうひたすら凄い!!
たまに見かける炭状の木片を手にとっては、ここを駆け上がってきたんだ・・と妙な感心をしながら登り続けて、やっと二の鳥居が見えてきた所で境内に到着です。
平らな地面だ~~~😍と、当たり前の事に感動するあたりに、ここまでの行程がどんなにきつかったか察せられるというもの。私たち以外には誰もいない境内・・・思わず深呼吸なんぞして見ました😄
「愛宕神社:陶器神社」が一緒に祀られる拝殿、その神域を守護される狛犬さん。そう!!私なんてね、君たちにあう為に、頑張ってここまで登って来たんだから!
まるでそんな声が聞こえたかのように、柔らかい笑顔で私たちを出迎えてくれるのは、 明治37年4月:陶工『菱常』奉納の信楽焼き狛犬さん一対。もうね、頭の先から足の先、尾っぽに至るまで触りまくってきました。
境内には、陶祖神を祀る神社らしく信楽焼きの灯篭も奉納されています。足元には「信楽焼き=・・・・・」と言っても過言ではない狸さんたち。やっぱり信楽町に鎮座する神社らしい景色を作っています。
社殿向かって左隣に鎮座される「境外社:秋葉神社」。特にご祭神の記載等は見受けられませんでしたが「火防(ひよけ)・火伏せの神」が祀られているものと思われます。
さて・・・登ってきた道は下らなければなりません。軽く眩暈を覚えながら一段、また一段・・・・下界を目指して、ひたすら足元だけを見て手摺りを頼りに足を運びます。
登りの途中にほんの少し立ち寄って挨拶だけさせて頂いた「愛宕稲荷」。折角の御縁なので改めて参拝。
朱の鳥居前より神域を守護されるのは、2009年初午に奉納された神狐さん一対。おそらく信楽焼きだろうと思われますが、阿は「宝珠」を、吽は「巻物」を咥えています。
帰り道だと思うからか、増えてしまった石段もそれほど苦にはならないのが人間の心理の不思議なところ。
拝殿は覆屋の役目も兼ねている様で、奥にこじんまりとした社殿が鎮座されています。目立ったほこりもゴミも無く、地元の方々に大切にされている事が本当によくわかります。
一通りの参拝を終えて、無事下界に帰って来ました😄 如月の季節もあと一日。今はまだうそ寒い景色のこの愛宕山も、あと数日もすれば芽吹きの季節です。
参拝日:2011年2月27日
こんにちは!
通路に埋め込まれた丸い石のものが
昔の石のお金みたいで面白いです!
「ケサワ」を利用した風景は
愛知県の常滑市でもよく見られます。
こういう趣向は
無条件で観光客を喜ばせてくれますね😊