下田市白浜に鎮座される「伊古奈比咩命(いこなひめのみこと)神社」。式内社(名神大社)で、通称の「白濱神社(白浜神社)」は、鎮座地の地名に由来。 白浜海岸北側に突き出た岬の丘陵「火達(ひたち)山」に位置し「伊豆最古の宮」とされます。
主祭神は『伊古奈比咩命(いこなひめのみこと)』相殿神に『三嶋大明神』『見目』『若宮』『剣の御子』。
社伝に【まず『三嶋神』は南方から海を渡って伊豆に至った。そして富士山の神・高天原の神から伊豆の地を授けられ、白浜に宮を築き、『伊古奈比咩命』を后に迎えた。さらに、『見目・若宮・剣』の御子の3柱や、竜神・海神・雷神などとともに伊豆諸島の島焼き(造島)を行なった。島焼きによって、初島に始まり神津島・大島・三宅島・八丈島など合計10の島々を造り、自身は三宅島に宮を営んだ。その後しばらくして、白浜に還ったという。その後、伊豆国一宮の「三嶋大社」へと遷座したとも伝える。】
朱の神橋が架かる入り口から神域を守護されるのは、見返り江戸流れの狛犬さん一対。「石工・下田町 山岸又助 昭和十年(1935)四月十七日」の刻。
吽形さんは見事な七宝の毬を手にしています。
丘陵の下に建てられた拝殿は入母屋造、向拝唐破風付で、万延元年(1860)の造営。
拝殿前より神域を守護される狛犬さん一対。「石工・土屋善兵衛 寛政十二年(1800)九月」の刻。
狛犬さんなのに何というお優しいお顔をされているのでしょう。やはり姫神様をお側近くで護る神獣はこれくらい穏やかで優しい顔立ちをされているものなのでしょうか。
さらに、拝殿の玉垣には、まるでここを守るのは自分たちだと言いたげな小さな狛犬さんがいます。うっかりすると見過ごしてしまいそうなほど小さな狛犬さんですが、これがまた良い姿。
「下田石工 小川清助 万延元年(1860)九月吉日」の刻。もしかしたら拝殿の建築と同時に作られたのかも知れません。
何となく悲観的に見える吽形さんに対して、あどけない子供のような笑顔の阿形さん。相方と言うよりも兄弟と言った感じ。
神社のあらましと、神域を守護される狛犬さんたちの紹介は終わりました。明日は美しい社殿彫刻の数々を紹介します。
参拝日:2011年11月10日
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