浜名湖の北側、本坂峠を経由して静岡県の東海道見附宿と愛知県の御油宿を結ぶ「姫街道」。道程約60キロメートル。古くは東海道の本道で、二見の道(ふたみのみち)とも呼ばれていました。
戦国時代に街道が整備され、江戸時代には東海道に付属する街道として宿も置かれていました。 姫街道の呼称が定着したのは幕末頃からとされ、今は新たな観光拠点として整備が進められています。井伊谷川に架かる362号線の欄干には、姫街道に相応しく「駕籠に乗った姫様」。
今回は姫街道の本陣跡に、ちょっとした公園が出来たというので行ってみることに・・・。 途中で見かけた「気賀駅」に立ち寄り、国有形文化財に登録された「上屋・プラットホーム」もついでに見学。
当初の目的地である「本陣前公園」。もう少し公園らしい雰囲気を想像していたのですが・・何か違う😅 きっと素敵な場所に違いないと勝手に思い込んで、ここで予定していた昼食も・・流石にお弁当を広げて食べられる雰囲気ではありません。
門の中には「お姫様」が一人ぽつんと・・・イベント時にはもっと賑やかなのかもしれませんが、今は季節柄で花もなく、寒々しい広場といった感じ。お姫様も心なしか寂しげなお顔で所在無さげに見えます。
続いて向かったのは「気賀関所」。
と言っても、実際の「気賀関所跡」はここよりも600mほど離れた場所にあり、こちらは故郷創生事業の一環として1990年に復元されたもの。復元ですが、一応「毛賀関所」です😊
気賀関所は、慶長6年(1601)に本坂道の通行を取り締まるため、徳川幕府により創設されました。 全国53箇所に設置された関所のうちでも、特に「気賀関所」は、重要な関所と位置付けられていたそうです。
その厳重さは地元住人であっても手形が必要で、非常に面倒なものだったと言います。 その為、関所の裏にくぐり戸を設けてその下を潜って通る「犬くぐり道」が設けられました。 犬のようにくぐって通行する・・、人が勝手に通行するのは見過ごせないが犬ならば仕方ない・・・。ある意味、役人と民衆との暗黙の了解だったのでしょう。
復元された「犬くぐり道」は、この後に参拝した「細江神社」の裏手にあったもの。
往時の場所から随分離れて作られた「気賀関所」ですが、実際の関所は本当に厳しい施設だったんですね。 今は浜松の名産品やお土産が一杯並び、観光客や家族連れで賑わう「ちょっとした観光地」です。
「気賀関所」の近くにある「都田川堤防」の川原で、食べ損ねた遅めのお昼ご飯。 晩秋の日差しの下で鏡のように穏やかな浜名湖、右手に見える赤いアーチの橋は「みをつくし橋」。
ほんのさわりだけの姫街道でしたが、最期は都田川堤防に建立されていた『歌人・香川景樹』の歌碑。
【旅にして 誰に語らむ遠つあふみ 引佐細江の 春のあけぼの】
訪問日:2016年12月17日
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