二日目は「伊古奈比咩命神社」の拝殿向拝・唐破風に施された素晴らしい彫刻の紹介。
破風 (はふ) の下の懸魚は、瑞雲の中で大きく羽を広げる鳳凰が華麗に刻まれています。
位置的に風雨により晒される場所のせいでしょうが、破風屋根の彫刻は常緑の松も番の鳥の形も年月の分だけ丸くなっています。
向拝の上段には子鶏を間に向き合った一対の神鶏。下段は琴を奏し龍を従える三嶋神でしょうか。
頭貫から木鼻まで一体化した彫刻は、宝玉を掴んで今まさに天に昇ろうとする一対の阿吽の龍神。
それぞれの龍の下には、逆巻く荒波にもまれながら戯れる一対の海亀。
波間を飛ぶ鳥たちを護るのは、研ぎ澄まされた龍の鋭い爪。
貫を支える美しい花の中で鳴くのは白雉(はくち)だろうか・・
逆巻く波間で遊ぶ鶴
懸魚に刻まれた鳳凰と対を成すかのように、艶やかな羽を見せつける火の鳥。
木鼻に彫刻された阿吽の獅子は、社殿彫刻の中でも一番に目がいくもので、今回もまた秀逸。 互いに振り返るその視線を追うのも、木鼻獅子のだいご味・・それにしても何と美しい姿。
脇障子は一方だけしか撮影できなかったのですが「馬上の三嶋大明神に供物を捧げる人」。
拝殿の屋根の上には、それぞれ「鯛」と「海亀」に乗った『三嶋大明神』の留め蓋瓦。『三嶋大明神』とは、噴火や造島を神格化したとされますが、また海神であるともされます。
海亀の背に乗る「三嶋明神」。まるで『浦島太郎』のようですが、太郎は客人(まろうど)。海神は迎える側で、風格の違いが見事に表現されています。
参拝日:2011年11月10日
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