羽咋市寺家町に鎮座される能登国一宮「式内社:気多大社」。御祭神は『大己貴命(おおあなむちのみこと)』。別名『大国主命』として知られます。
【第8代孝元天皇の御代に、祭神の大己貴命が出雲から300余神を率いて来降し、化鳥・大蛇を退治して海路を開いたという。「気多社祭儀録」では、祭神は第10代崇神天皇の御代の勧請とし、神代からの鎮座とする説もあると記される。】「気多大社縁起」。
参道正面に、檜皮葺切妻造、四脚門の神門。社伝に天正12年の造営といわれ、奥に見える拝殿と共に国重要文化財の指定。
入母屋造妻入・檜皮葺の拝殿は、江戸時代の承応二年~三年『大工・山上善右衛門』による造営。それに続く檜皮葺・両流造の本殿は天明七年の造営。
本殿向かって右手、鳥居の奥に鎮座されるのは同じく国重要文化財「白山神社」。御祭神は『菊理姫命』。
三間社流造・檜皮葺の社殿は、本殿と同じく天明七年『清水次左衛門・清水多四郎』による造営。本殿向かって左手には、同じく「若宮神社」が鎮座され『事代主命』をお奉りしています。
石川県指定文化財の「神庫」は方一間の校倉造・檜皮葺で天明七年の造営。正面に箱階段、床下は高床として石柱を建て、もと「宝蔵」と呼ばれていました。
境内の裏手に広がる原生林の社叢は、「入(い)らずの森」として立ち入りが禁止されています。 樹齢百年をこえる木が林立する社叢は国天然記念物に指定されており、神主でさえも滅多に立ち入らぬ奥深くに、神秘の奥宮が鎮座されています。
昭和58年5月22日、全国植樹祭に御来県の昭和天皇が本社に行幸され、入らずの森に踏み入られた折に読まれた御製が残されています。
【斧入らぬ みやしろの森めづらかに からたちばなの 生ふるを見たり】
気多大社の神門脇に植生している、県天然記念物「気多白菊桜」。気多大社の御神紋は「丸に山桜」ですが、「気多白菊桜」も山桜系の菊桜。手水舎の蛙股には美しい山桜が彫刻されています。
明日は境内摂社、隣接する元・神宮寺の紹介です。
参拝日:2011年10月14日&2015年5月25日
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