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禄剛埼(ろっこうざき)灯台 in 石川県珠洲市

2017年11月20日 08時00分00秒 | 神社仏閣・名所・観光・石川県

能登半島の最先端、外浦と内浦との接点にあたる禄剛埼(ろっこうざき)。ここに、明治時代に造られた「禄剛埼灯台」があります。普通灯台を紹介する時は「〇〇に立つ」という言い方なんですが、この灯台は平地にしっかり座っています(笑)

通称「狼煙(のろし)灯台」とも呼ばれる白亜の灯台、むろん今も現役で、航路の安全を担っています。通常の灯台は、レンズを回転させることにより光を点滅させますが、この灯台はレンズを固定し、灯火の遮蔽板(しゃへいばん)を回転させることによって点滅させる方式。その歴史的・文化的価値の高さからAランクの保存灯台に指定され、「日本の灯台50選」にも選定された「禄剛埼灯台」。いや、実にお美しい。

この実にお美しい(くどい!)白亜の灯台が設置され初点灯されたのは、明治16年(1883)7月10日。白色塔形の石造灯台に使用された石材は穴水町から船で運び、崖下から索道を架けて人力で引き上げて・・・・・。海抜50mほどの断崖絶壁が続く場所での工事は困難を極め、その完成までには二年の歳月が費やされたといいます。おっかなくて下を覗き込むなどと大それたことは出来ませんが、彼方に広がる海は雄大で美しい。

灯台が設置されている一帯は綺麗に整備されており、能登半島最北端の碑なども設置。

さらに、日本地図付きの「日本列島 ここが中心」のモニュメント。日本の中心地的な碑は結構色んな場所で目にしますが、中心ってこんなにたくさんあるもの? と、疑問一杯。説明によると「国土地理院が算出した日本国土の重心が、能登半島最先端の禄剛崎沖にある。そこから一番近い陸地である禄剛崎に、この碑を作った。」だそうです。

もう一つ、草生した東屋の近くに、大きな方位盤が設置されているのですが、各方位には姉妹都市提携を結んだ3自治体の「町章」が刻まれています。西は「島根県美保関町(現・松江市)」、北は「北海道江差町」、東は「新潟県小木町(現・佐渡市)」。江差町以外の町章は、平成の大合併で消滅してしまいましたが、こんな風に旧自治体の印が残るって素敵ですよね。

なにかと見所の多い禄剛埼灯台。実はもう一点、絶対に見逃せないものがあります。それは灯台の説明版。灯台名の下に大きく ~日本で唯一「菊の御紋章」がある灯台~の文字

実はここ、日本で唯一、日本の国章でもある「菊の御紋章」がある灯台として知られています。 菊の御紋と言えば、伝統的に天皇が紋章として使用されている「十六八重表菊紋」が知られています。日本が近代国家へと足を踏み出したこの時代においては、これは最高の栄誉だったでしょう。

この禄剛埼灯台へは「道の駅・狼煙(のろし)」の向かいにある登り口から徒歩で登るしかなく、足腰の弱い人には、とっても!つれない名所(-"-) 整備されているとは言え、この勾配・・・・でもあの美しい灯台が見られたのですから、愚痴なんて言えません(笑)。

余談ですが、現在の珠洲という地名は「すすみ(古訓で、狼煙のこと)」にちなむともいわれ、今でもこの道の駅がある狼煙町をはじめ、狼煙港、狼煙海岸などの地名が残っています。禄剛埼灯台が出来るまでは、航路の安全を守る手段は人の手による「狼煙」しかありませんでした。そうした歴史が地名に反映されるのも漢字の国ならではの事。決して安易に捨ててはいけない文化だと思います。

最後の画像は、禄剛埼灯台登り口の入り口にいた、沢山の猫たちの一匹。きっと飼い猫であろうと(信じたい)思うのですが・・・どうか健在でありますように。

訪問日:2011年10月16日

 


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