和泉市府中町に鎮座される「泉井上(いずみいのうえ)神社」。式内社で、旧社格は府社。御祭神は『和泉(いずみ)大明神(独化天神)』。境内には和泉国総社の和泉五社総社が鎮座されます。
創建は不詳。「社伝によれば、仲哀天皇9年に神功皇后が三韓征伐へ出発する途上、当地を行啓した際に突如として泉が湧き出たため、凱旋後に霊泉として社を築いて祀ったという。本殿脇にあるこの霊泉は「和泉清水」と呼ばれ、和泉国の国名の起源とされる。のちに、当社を中心に和泉国の国府が置かれ、国内の大鳥大社(一宮)、泉穴師神社(二宮)、聖神社(三宮)、積川神社(四宮)、日根神社(五宮)の祭神を勧請した総社が築かれた。」
境内入り口より神域を守護されるのは、いわゆる耳まで裂けた口と、爬虫類を思わせる細い目の狛犬さん一対。
文化5年(1808)2月吉日建立ですから200年以上も前。これを刻んだ石工さんは何をモデルにしたのでしょうか??叶うならばお聞きしたい、そんな一対です。
拝殿
国指定重要文化財の「境内社:和泉五社総社」。「奈良時代に河内国から分離し、和泉国が設置された際、国府の所在地府中に、国内の五大社である大鳥、穴師、聖、積川、日根を総合して勧請し、参詣の便を図ったといわれている。正面桁行けたゆき三間、身舎(しんしゃ)側面二間、屋根が一間分前へ延びて庇をなす、「三間社流造」と呼ばれる形式で、桧皮葺]である。、慶長10年(1605)、豊臣秀頼が片桐且元を奉行として再建したと伝えられる。」公式HPより
境内社「和泉神社」。御祭神は『五瀬命(いつせのみこと)、元正天皇・聖武天皇』
「境内社:喜田稲荷神社」
「勝手神社」、御祭神は『髪授大神』。美容、理容の祖とされます。
髪之碑
境内社の前より神域を守護されるのは、文化7年(1810)9月吉日建立の浪花型狛犬さん一対。全体的に子供っぽい表情で、何となく愛着を感じさせてくれます。
「大阪府指定有形文化財:石造板状塔婆」「砂岩製の板石で造られた塔婆で、一般には枝碑とよばれ、供養追善のために建てられたものである。上部の梵字は、バク(釈迦)、マン(文殊菩薩)、アン(普賢菩薩)の釈迦三尊種子[しゃかさんぞんしゅうじ]をあらわす。下部に刻まれている銘文は、ほとんど消えており判読できないが、わずかに正平三年五月(1348)の年号は読め、南北朝時代のものであることがわかる。」公式HPより
忠魂碑
「蟲封石」。幼児の夜泣き・疳の虫などを封じるという意味合いのものでしょうか・・
ウロウロとデジカメ片手に境内を走り回っていると、可愛らしい子供たちの声が。こちらには和泉井上神社が1951年に開設した和泉市では初めての私立幼稚園が併設されており、子供たちにもきちんと参拝の作法を教えておられるようです。見ているとほのぼのと優しい気持ちになって、自然と顔がほころんできました(⌒∇⌒)
で、ついつい子供たちの挨拶に応えている間に、他の境内社を廻り損ねてしまうという(^^;) よくある失敗です。
参拝日:2017年4月25日
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御神名一口メモ
御祭神である『泉大明神(独化天神)』。「古事記」において、神々の中で最初に登場する神で『天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)』、もしくは『高産巣日神(たかみむすびのかみ)』とも『神産巣日神(かんむすびのかみ)』とも称されます。
『五瀬命』。神武天皇の長兄。神武東征の際、長髄彦の放った矢に当たり落命。岡山市東区の「式内社:安仁神社」に神武天皇の兄(あに:安仁)として祀られています。
『元正天皇』。天武天皇の孫で元明天皇の娘。霊亀元年(715)中継ぎとして第44代天皇となり、神亀元年(724)に文武天皇の第一皇子『聖武天皇』に譲位。過去の歴史に女性天皇は存在しますが、何時の場合も「中継ぎ」もしくは「一代限り」が厳格に守られてきました。
あはは、先日私が、「誰。」とツッコミ入れたものだから、
ご祭神の丁寧な説明を有難うございます。😄
泉を祀る、って良いなと思います。
個人的には、ご祭神ってそんなにはっきりしてなくても良くて、日本の人たちの、日本の天土・人・妖みな、ありがたやと拝む、その気風が好きです🌸
幼稚園で参拝の仕方教わるの、うらやましいです〜。
私は昨年くらいから、とある事情で神社に目覚めました。
なので通いはじめた時は良い歳して、「さ、参拝ってどうするものだっけ・・??」とおろおろしながら、手を合わせたりしてました。
tibinekoさんは子供たちに声をかけられるのですねー。
やっぱりお人柄が幼い心にもわかるのでしょうね。
それも人徳ですから、きっと境内社さんも、よしよしとご覧になっているのではと思います😊
素敵な神社をご紹介くださり、ありがとうございます。
今日もお元気にすごされていることを願います😊🙏
おはようございます
日本の神々って、普通の人間よりも人間らしくて
知れば知るほど(不敬な言い方ですが)面白くて好きになりますね。
岡山在住の姪の子供がまだ三歳くらいの時、一緒に阿仁神社に初詣に行ったことがあるのですが
私の真似をして一生懸命参拝しているのを見て
「ああ、こういうのって良いな」としみじみ・・(〃∇〃)
難しい理屈とか無くても、神様の前で素直に手を合わせる。
それって本当に素敵な事ですよね。