昨日に続いての「光の鏝絵」、今日は「蔵飾り」を中心に。蔵の前面全体に「なまこ壁」を施し、中央の窓部分には「鶴と亀」。一般的によく使われる吉祥文様の「鶴は千年、亀は万年」から、また水は火難よけも意味します。
こちも蔵の前面全体に「なまこ壁」を施しており、中央の観音開扉窓の内側には「波に亀」。上部には「松に鶴」。松は一年を通して青々と繁る事から「不老長寿」を意味します。
左右に「瓢箪七宝」のなまこ壁を施し、窓扉の内側には、海中に潜ろうとする「波に亀」。観音開扉窓の上部には、上で紹介した蔵と同じ図柄の「松に鶴」。
かたちから見てこれは「鯉の滝登り」、見事「龍門の滝」を登って龍となれますように。こちらの扉窓の上部も「松に鶴」の図柄。
「松」には「鶴」が付き物なのかと言うと、決してそうではなく「松」だけの図柄もあります。幹の太さが何百年も生きてきた事を感じさせて、まさに永遠の命を象徴する図柄。大きく目を引く扉窓の飾りは有りませんが、それだけに全体のなまこ壁が際立って見えます。
これまでとはがらりと変わって、窓扉の内側に大きな「蕪(かぶら)」。「蕪」は、勢い良く繁る葉とたくましく根付く根から「家運繁栄」・「子孫繁栄」の吉祥柄とされ、丸々とした姿は「家庭円満」・「無病息災」・「子宝」を表し、縁起の良い福柄と言われています。
妻下部分に描かれた「宝袋」は、家紋を入れ込んだ亀甲柄で非常に手が込んだもの。
二階部分前面になまこ壁が施された蔵は、石州瓦の鮮やかな朱色と共に一段と鮮やか。左右には色漆喰で「宝袋」と「打ち出の小槌」が描かれており、共に富と財を願う柄。
倉扉窓の上部に「菊唐草に宝袋」、倉扉には木目も鮮やかな「打ち出の小槌」。どちらも富と財運を呼び込む願いが込められています。
金泥が使われた鏝絵は、蔵の入り口観音開戸の上部あった「菊唐草に打ち出の小槌」。
気が付けば、いつの間にか同じ場所に戻ってしまった二人。鏝絵探訪もそろそろ終り。場所的に上ばかり向いていたのですっかり首が凝ってしまいましたが素晴らしい経験でした。またいつかこの場所を訪ねる時は、もう少し明るい時間に、もう少し良いデジカメを持って(笑)
訪問日:2012年4月20日
すばらしい鏝絵の数々、堪能しました。
まだまだあるところにはあるんですねぇ。
鏝絵の世界は奥が深くて素敵です。
職人の技は、心をひきつけられますね。